「ほっ」と。キャンペーン
ブログ引っ越します
いつも不定期なブログを見ていただきありがとうございます。

突然ですが、2008年から書いてきたエキサイトブログをやめ、新しくブログを作る事にしました。
過去の記事もぼちぼち引越しする予定です。
まだ作ったばかりで見にくいところだらけですが、ちょっとずつ作りこんでいきたいと思います。
よろしくお願いします!

新しいブログはこちらから↓
【但馬牛の繁殖から放牧牛肉まで「田中畜産の牛飼い記録」】


d0099005_21473002.jpg







[PR]
Top▲ | # by beefcattle | 2015-03-08 21:42
放牧敬産牛肉【ひさふく】
「ひさふく」と言う牛がいた。
d0099005_15474968.jpg

母の名前は「ひさてる2」、父の名前は「福芳土井」
平成18年に我が家で生まれ育った但馬牛の母牛だ。
放牧敬産牛肉の生産販売を始めて8年目になるが、実は自家保留した牛をお肉にするのは初めて。
自家保留牛とはその名のとおり「自分の家で生まれた子牛を販売せず、母牛にするため保留した牛」のこと。

田中畜産は平成14年に5頭の妊娠牛を導入するところからスタートした。
なぜ妊娠牛からスタートしたかというと理由は簡単。
お金の回転が速いということ、妊娠牛は安かったという2点だ。

繁殖農家は子牛を市場で販売することで収入を得ている。
妊娠牛の場合は導入して6ヶ月ほどで子牛を産んでくれる。
そして、生まれた子牛を8ヶ月ほど飼育すると販売することができる。
つまり妊娠牛導入だと、お金になるまでに14か月(約1年)かかる計算になる。
なかなか気の長い話だ。

これが妊娠の導入牛ではなく、牛市で子牛を導入してからのスタートだと、子牛を育成し種付けをするまでに6ヶ月、種が付き分娩までが9ヶ月、その子牛が生まれて販売できるまでに8ヶ月。
実に2年弱の歳月がかかるのだ。

更に「ひさふく」のような自家保留の場合、母牛(ひさてる2)の妊娠期間が9ヶ月、生まれた子牛(ひさふく)を種付けするまでに14ヶ月、保留した牛(ひさふく)に種がつき分娩するまでに9ヶ月、生まれた子牛を販売するまでに8ヶ月。
なんと、収入を得るまでに3年半近い(40か月以上の)日数を要する。

僕が就農したばかりのころは本当にお金が無く、増頭の大部分を他の牧場からの妊娠牛導入で補ってきた。
その一方で1年に1頭、2頭と少ないながらも自家保留をして牛を残してきた。
ひさふくはそんな初期の自家保留メンバーの1頭だ。
自家保留牛には色々な思い出がある。
これぞと思って残した牛、安くて売れなかった牛、安くても売っておくべきだった牛、期待通りの牛、大化けした牛、親美人な牛、等々。

もちろん妊娠牛で導入した牛達も思い入れの大きい牛ばかり。
特に牧場開設メンバーの1頭「みつこ」を肉にしたときは言葉にしがたいものがあった。

「ひさふく」は7歳という若さでお肉となった。
肉牛の場合は長く飼育しても3年なので、7年は長く見える。
しかし、繁殖牛としてはまさに脂の乗った時期。
まだまだ高齢の牛はいるし、現役で頑張って欲しかったのだが、種付けが何年もうまくいかず廃用することとなった。
種がつかないことには繁殖牛として活躍することはできない。

ひさふくのことを思い出すときに母親の「ひさてる2」を外すことはできない。
ひさてる2はとても大きくて美人の牛だった。
就農当初、資金的な面から僕はあまりいい牛が買えなかった。
そんな中、研修先の親方から売ってもらった牛がひさてる2だった。

当時の僕にとって彼女は特別な牛で、メスが生まれたら自家保留しようと当時一番の流行りだった福芳土井をつけた。
そして待望のメスが生まれ、ひさてる2と福芳土井の名前を取ってひさふくと名前をつけた。

ひさふくの産子は高値で売買され、買われた子牛も全て神戸ビーフになるなどと産肉成績も非常に高い牛でとても期待をしていた牛でした。

しかし、ひさてる2の系統にはなぜか繁殖成績が悪い傾向がありました。
ひさてる2、ひさふく、そしてひさふくの子ひさてる(ひさふく×照一土井)までもなかなか種がつかない。

我が家ではトップクラスの能力を持つ血統でしたが、親子代々受胎率が悪く、7歳という若さでお肉になることになりました。
とても温和な牛で、大人しすぎて牛舎での存在感がないくらい。
放牧場では一番人に馴れており、いつも自分から寄って来ては触らせてくれました。

今は後継牛としてひさふくの娘牛「ひさてる」が残っています。
それでもやっぱりもう少し一緒にいたかった牛です。



そのひさてるの放牧は、例年より1ヶ月遅めの5月23日からのスタートとなりました。
(ひさふく(左)、元気(右)とを同時に放牧しました。)
d0099005_1458247.jpg


6月19日には今年新設した「万場高原スキー場」での放牧もスタート
ひさふく、元気も万場高原放牧場の草刈に参戦するため大照放牧場から移動してきました。
d0099005_156340.jpg

後ろには神鍋の景色が広がります。
d0099005_1563162.jpg

毎年、地域の方がスキーシーズンの前になると人力でこのススキを刈ってきたそうです。
そのため、春のすすきはとても柔らかく、牛達にとっては極上品の草となりました。
d0099005_1571380.jpg

牛達のおかげで万場での放牧も無事完了。
来年度からはいよいよ本格的に面積を広げていければと思っています。
d0099005_1574658.jpg

万場ですすきを食べ尽くすと、ひさふくは再び大照放牧場に戻ってきて最後まで放牧場で青草を食べました。


11月26日 放牧場からひさふくを下ろすとき、目の前には雲海が広がっていました。
d0099005_15185094.jpg

1時間ほどかけて屠畜場の繋ぎ場へ到着したひさふく。
こう見ると結構痩せました。
d0099005_1510135.jpg

繋ぎ場から数mほど先でノッキングされ、頭を落とします。
一旦吊り上げてレーンで移動し、専用の台に下ろすと、足をはずし皮をむいていきます。
d0099005_1615163.jpg

半分まで皮をむくと再び吊るして内臓を取り出します。
d0099005_1621131.jpg

取り出した内蔵はそのまま壁の向こうのホルモンの洗い場へと滑り落ちてきます。大きいです!!
d0099005_15125994.jpg

奥にある一番大きいのが第1胃。200リットルもある発酵タンクで、ホルモン名はミノ。
手前にあるのは小腸です。
d0099005_16235866.jpg

ひさふくは青草を食べているため第1胃の中身は緑色。向こうに見えるのが一般的な肥育牛の胃の中身。ワラと配合飼料がメインなので茶色をしています。
d0099005_15135182.jpg


右がひさふくの枝肉です。小さいです。。。
d0099005_15104868.jpg
となりの牛と比べると背中やモモなどあきらかに淋しいですが、これが放牧敬産牛肉です。
d0099005_15111772.jpg

繋ぎ場から枝肉となるまでの時間は30分ほど、あっという間に牛は食肉となります。
d0099005_151154100.jpg

僕は牛を食肉にする際、牛に対しての感情はあまり持っていません。
ノッキングする瞬間までは「牛として」見ているのでごめんよという気持ちは正直あります。
しかし、牛が倒れた瞬間に気持ちは切り替わります。
そして、無駄のない流れるような手捌きで枝肉となっていく牛を見る度に、ただただ凄いなと思うのです。
そこには牛を食肉にするための技術が詰まっており、その技術や空間に肉を食べるという歴史を感じてしまいます。
感情と言うのはとても大切な事なのだけど、変わりやすい不安定なもの。
この屠畜の現場には個人の「かわいそう」だとか「ありがとうだよね」とか感情の入る隙間もない空気がある。
食肉を生産するという現実だけがあります。

d0099005_15122876.jpg

枝肉となったひさふく。
今までは屠畜翌日に枝肉を脱骨し、ブロック肉の状態で真空パックしていました。
しかし今年からは1週間枝肉のまま冷蔵庫に吊るして熟成することにしました。
うちの牛は放牧するためお肉に水分が多く、屠畜後すぐに真空パックするよりも、枝肉として吊るして熟成させた方が肉の状態が良くなると考えたためです。
最近はブロック肉の状態で長期熟成するドライエージングが流行りですが、和牛は昔から日本で行われている枝肉熟成の方が合っているんじゃないかと思ったりしています。
今回は1週間でしたが、尊敬しているお肉屋さんから「あのお肉は最低2週間は枝で吊るしたい。もっと置ければがらっと変わると思う。」と教えていただきました。
これは来年度の課題にしたいと思っています。

d0099005_1515281.jpg

ひさふくの枝肉は205kgととても小さいものでした。
ひさふくくらいの体格だと、目一杯肥らせて枝肉300kg、明らかに骨皮が目立つほど痩せている場合は枝で180kgくらいになります。
205kgは明らかにスリムな体形なわけです。
そのため、正直今回のお肉はあまり期待できないかもと思っていました。
それがカットして見てびっくり!
放牧で経産牛でしかも205kgとは思えないしっかりとしたロース芯でした。
今までの放牧敬産牛肉からは想像もできない見た目の良さに、「ひさふくってすごい!但馬牛すごい!」って思ってしまいました。
d0099005_1515278.jpg

ひさふくのホルモン全てとウデ、バラ、ネック、スネなどのお肉は神戸のレストラン「フランス地方料理MOMOKA」さんへ卸させていただきました。
我が家のお肉は基本的に卸売をしていません。
牛肉販売当初からお世話になったMOMOKAさんだけは毎年卸させていただいています。
日本で放牧敬産牛肉が食べられる唯一のレストランです!!
リーズナブルで美味しく、僕も毎月食べに行っています!!!
d0099005_15433161.jpg
メニューのひとつ「放牧但馬牛の焼きポトフ」
d0099005_21303870.jpg


「放牧但馬牛と淡路玉葱たっぷりのビール煮 フランドル地方風」
d0099005_20463783.jpg


そして、手元に残った肩ロース、サーロイン、ヘレ、ラム、しんたま、内平、外平を自分達でカットし、商品化しました。
今年新調した真空包装機も大活躍でした。
d0099005_15421713.jpg
外平(そともも)をトリミングする精肉担当の妻。
外平は大きく3つに分かれ、形の良いまくら部は【外平まくらローストビーフ用】、中心のそともも部は【外平塩焼き用スライス】に商品化。
硬いハバキと呼ばれる部分やそともも部の薄い場所は肩ロースのネック側と合わせて【赤身切り落とし】として商品にしました。
d0099005_15423937.jpg
昨年までは肉屋で働いていたY君をカットの講師としてお願いしていたのですが、今年からは自分たちだけでカットができるようになりました。
食肉担当の妻は、牛飼いをしばらく休み、群馬の食肉学校に研修に行きってきました。
短い期間での研修で、技術を得るところまではとても足りませんでしたが、肉屋として外に出て学び交流する中でお肉に向き合う姿勢が大きく変わった気がしています。
頑張れ!!
d0099005_1543385.jpg

毎年毎年、違う牛と肉と向き合い、こうしてはどうか手探りが続きます。
わからないことばかり。
でも、そうすることで小さいながらもお肉を販売するということに自信が持てるものを提供できるようになってきました。
規模としては小さすぎる肉屋ですが、僕らだからこそ届けられるものがあると信じています。



放牧敬産牛肉「ひさふく」は田中畜産のHP(http://tanatiku.com)から購入できます。
我が家の牛たちが楽しい食卓のお手伝いができればとても嬉しいです。


d0099005_15465483.jpg














[PR]
Top▲ | # by beefcattle | 2015-01-20 16:09 | 放牧牛肉
答えはwebで。。。
娘が毎日通園で乗っている全但バスが期間限定で子供たちが描いた絵でラッピングされています。
見ていてとてもあたたかい気持ちになる。
ドアが開く所は牛の絵。
残念ながら娘の絵ではないが、但馬牛らしい特長をとらえた絵。
僕が見てもしっくり来る。
さすが、但馬牛の原産地である美方郡香美町を走るバスだ。
但馬牛が浸透している。
d0099005_186972.jpg

毎日見ても違和感がない。
牛飼いの僕が見ても実に違和感が無さすぎる。
しかし、あまりの違和感のなさに違和感がでた。

構図から何から「上手い!」と思うことはあれども、全く違和感がないなんてことがあるんだろうか?

答はwebにあった。

数年前に放牧牛肉として出荷した我が家の「夢」という牛の写真と全く同じ絵だったのだ。
インターネットから写真を引っ張り絵を描くことは何ら問題はない。
だけど、せっかく地元に牛がいるのに。と思っちゃうのだ!
インターネットなんて勿体ないじゃないかと。

昨年、娘の夏休みの宿題で牛の絵を描くという課題があった。
僕はちょっとドキドキした。
娘の同期生たちがいつ来るかわからないから、いつも牛舎をキレイにしとかなきゃと勝手にプレッシャーを感じていたのだ。
しかし、それは僕の単なる空回りでしかなかった。

観光牧場でない牛飼いの現場にはなかなか入りづらいところはあるだろう。
口蹄疫のからみで防疫上の観点からも受け入れにくい。
だけど、地元の子供たちが見ない見れないという状況や空気は、今の地域での畜産の立ち位置をかなり表していると思う。
よくないなと僕は思う。

忙しい中でノンアポで来られても対応できないことは多い。
基本的に社交的でないのでこういった対応は苦手だ。
それでも子供たちに牛は見せてあげたい。
見せるべきだと思う。

簡単そうで難しくって結構根深い問題。
業界の問題ではなく、これは僕にとっての問題だと思う。
[PR]
Top▲ | # by beefcattle | 2015-01-17 18:07 | 日記
何を届けているのか。何を届けたいのか。
11月27日に今年の放牧敬産牛肉となる『ひさふく』を屠畜してきました。

d0099005_21344261.jpg

(屠畜1時間前のひさふく)
次回のブログでひさふくのことを書こうと思います。

実は最近「お肉の販売について教えてください」というご要望をよくいただきます。
そのうちの半分は施設や資格、初期投資についての質問。
そしてもう半分の方が「どうやってお客を上手につかんでいるの?」と言ったセールスの手法についてです。

施設や資格については後日書きます。
今日は半数の方が質問されるセールスについてです。

最初に結論を言いますが、僕はお客様に上手に売り込む方法なんて知りません。
そんなバンバン売れてないですし、牛飼い優先でとにかく発送が遅いのでお叱りを受ける事も多いです。(すいません。)

ただ、何か出来ることがあるとすれば商品の改良はもとより、地道に情報発信を続けること。
これにつきます。

実は過去に2回ほど発行部20万部とういう有名女性週刊誌に広告を出したことがありました。
結果は散々なもので、広告を見ての注文はゼロ。
おまけに広告を見た広告屋から毎日ひっきりなしに広告の営業電話という「広告会社に個人情報を見てもらうためにお金を出して広告した」状態に。。。

また、テレビや新聞などメディアに何度も取り上げていただいていますが、直接購買に繋がるケースは少なく(食彩の王国は別でした)殆ど方がブログやHPを通してお客様になってくださっています。

そういったことから結局、自分が伝えたいことを地道に伝え続けることが一番だと今は思っています。
派手さはなくても積み重ねた分、それは資産だと思うのです。

僕は2001年、借金をし5頭の牛と軽トラから牛飼いを始め、2008年にお肉の販売を始めました。
なにも知らないぺーぺーな牛飼い(繁殖農家)が思いだけで始めたお肉屋さん。
それは同業者から見れば遊びや道楽に見える規模。
素人もいいとこで全く思い通りにはいきませんでしたが、お肉の販売を積み重ねることでようやく肉に関しては納得のいくものが提供できるようになってきました。

一方で販売に関して感じているのが、世の中には自然だとか、本物だとか、完全だとか、曖昧な言葉で商品を説明しているものが多いと言うことです。
僕も気を抜くとつい使ってしまう事があります。
この言葉どれもが単体ではいいイメージなんだけど、実はこういった聞こえの良い言葉をつける背景には対立している既存の商品があったりします。
既存品に反発する事で商品価値を高める耳障りのいい言葉。
それっていわば既存品あっての商品。言い換えれば既存品のおこぼれないんじゃないの。
僕はひねくれているので自分が使うとなるとそういうふうにとらえてしまいます。

お肉の販売について「放牧などで牛肉を生産しているならそういった消費者団体を通して売ったほうがいい」というアドバイスをいただきくこともあります。
でも、ぼくはあまり好きでないのです。
キーワードだけで選ばれるって、イメージ売ってるみたいで。

僕が売ってるのは牛肉です。
放牧牛肉だけど放牧を売っているのではなくって、届けているのは牛肉なのです。

この商品はそんな言葉の力を借りなければ通用しないものか?

食べてもらう牛のこと、牛の育った環境のこと、但馬牛のこと、届けたいことがあります。
だからお肉を販売しています。
しかし、届けているのはお肉です。
そこに僕たちの届けたいもので飾るのではなく、届けたいものをを乗せているのです。

届けているものと届けたいもの。
この2本を見失わないように進みます。







[PR]
Top▲ | # by beefcattle | 2014-11-30 21:15 | 放牧牛肉
サシバエ
サシバエってご存知ですか?
夏から秋にかけてやってくる血を吸うハエのことです。
大きさは5㎜程で見た目はイエバエのような姿。
しかしよく見るとイエバエに比べ羽がとがっており、二等辺三角形のようなフォルムが特徴です。
そしてなによりこの「くち」
イエバエのブラシのような口ではなく、血を吸うため針のようになっています。
d0099005_21746100.jpg


このサシバエに刺されるととにかく痛い!!
僕も何度もやられていますが、とまった瞬間に針を刺すので、身構える間もなくただただ痛いのです。

我が家の場合、サシバエは田んぼから一斉にやってきます。
だから田んぼに近い牛は、足にも胸にも1日中サシバエだらけ。。。
見ているだけでい痛々しいです。(この写真に写っているだけで30匹ものさしバエが確認できます。)
d0099005_21142398.jpg

牛は落ち着いて寝ることもゆっくり餌を食べることもなく、四六時中痛いものでチャカチャカ動きます。
これだけでもサシバエによる牛のストレスや経済的損失がとても大きいことはすぐに想像ができます。

ただ、サシバエの駆除はなかなか難しいのです。
イエバエのように誘引剤(餌で釣ってやっつける)が効くわけでもなく、煙霧消毒の機械で殺虫剤を散布しても一時しのぎでしかない。

サシバエは草の中で休息しているため、牛舎周りの草を刈ることで休息場所を無くし、発生を抑えることもできます。
しかし、いくら牛舎まわりの草を刈っても隣の敷地は田んぼ。。。これではいくらでもやってきます。

毎年毎年痛そうにする牛を見て、今年はサシバエネットを導入することにしました。
d0099005_18232835.jpg

サシバエネットには防風ネットを使います。
一般的な防風ネットは穴の大きさが4mmなのですが、それではサシバエが入ってきてしまうことがあるため2mmのネットを使います。
また、通常はネット幅が2mのロールしかないのですが、間口の高さに合わせたものを特注で作ってもらいました。

d0099005_18285796.jpg

網の目を2mmにすることでサシバエは入ってくることができません。


d0099005_13472182.jpg

ネットには上下にずらーっとリングをつけてもらい、上にはワイヤーを這わしてカーテンにしました。
d0099005_134938.jpg
カーテンが風で持ち上がらないように、カーテンは間口の高さより1mほど長めにして、カーテン下のリングにはチェーンをつけて重しにしました。
(リングがない場合はカーテンに直接結束バンドとチェーンを取り付けると簡単です。)
d0099005_13495598.jpg

実はこのサシバエネットは兵庫県の畜産試験場がすでに結果を出しているもので、酪農の現場では全国的に普及しつつあります。
削蹄先の肥育農家さんでも使っているところがあります。

この2mmネット、効果は素晴らしく高いのですが欠点もあります。
それは網の目が細かいためホコリ等で目詰まりして通気性が悪くなるということ。
そのため年に数回掃除などのメンテナンスが必要だということ。
通気性が悪くなると、夏場の暑い時期などは牛にとってサシバエ以上に負担が大きくなります。
これが僕にとってサシバエネット導入のネックになっていました。

そこで壁にネットを直接張り付けるのでなく、カーテンのように可動式にすることで開閉時にホコリが少し落ちるようにしました。
更にカーテンの長さに余裕を持たし、チェーンで重しをしてカーテンを「斜め」に垂らすことで、雨によってネットの掃除ができるようにしました。
大雨のあとはカーテンが新品のように綺麗になっています!!
また、ワイヤーに通してあるので冬は外して、春からまた付けることも簡単です。

2mmネットのカーテン、これはとてもいいですよ!!

風が吹いてもチェーンがあるのでこんな感じ。
d0099005_14195969.jpg

d0099005_14234553.jpg

中から見るとこんな感じで斜めになっています。
d0099005_14204655.jpg
今回は様子見もあり牛舎の1面のみの施工でしたが、来年は他の面も設置しようと思っています。



さて、2mmの防風ネットはとても良いことは分かっていたのですが、それとは別に6mmの防風ネットも試験的に取り付けてみました。
d0099005_18514121.jpg

d0099005_18515265.jpg
6mmのため通気性はとても良く、壁に貼り付けてもホコリもあまり付きません。
ただ、6mmと目が大きいためサシバエはネットを通り抜けることができます。。。

実はこのネットは「オリセットネット」というものでネットの原材料であるポリエチレンにピレスロイドという防虫剤を練りこんであります。
これは海外でマラリア予防に蚊帳として使われているもので、蚊帳の糸に練りこんだ防虫剤が殺虫や虫の忌避効果を5年間持続するというすぐれもの。
本当に効果があるのかはしばらく使ってみないとわかりませんね。

6mmなのでサシバエは簡単にネットをすり抜けます。
ただ、ネットを通るとき素通りというわけには行かず一旦ネットに止まってから網の目を潜ります。
この時普通なら網に止まって休息するのですが、このネットの場合は止まった矢先に足をチカチカ動かし落ち着かなくなります。
おそらく足から殺虫成分が神経に働いているんだと思います。
効能が持続するのかはまだよくわかりません。
d0099005_22143175.jpg

d0099005_22144544.jpg
数日後、サシバエとオニヤンマが死んでいました。。。
カマキリとクモとカメムシも死んでいました。。。
d0099005_15365384.jpg
ちょっと怖いですね。


現在、この2mmの防風ネットと6mmのオリセットネットと設置して2ヶ月近く経ちました。
牛舎全面をネットで覆っているわけではないので牛舎内に依然としてサシバエはいます。
しかし、あれだけ親牛の足に張り付いていたサシバエが今は1匹もいません!!!
d0099005_14213715.jpg
牛舎内にサシバエはいるけれども牛の足についていないということは、今まではとんでもない数のサシバエが牛舎に入っては出て入っては出てを繰り返していたということです。
その大量のサシバエが入れ代わり立ち代わりこんなふうにお腹がはちきれんばかりの血を吸っていたのかと思うと。。。。ぞっとしますね。。
d0099005_23241442.jpg

d0099005_221598.jpg


結論。
サシバエネット(オリセットネットはまだ判断しかねます。。。)は本当におすすめです!!
特注の2mmネットは2枚で20,000円ほどでした。

牛がおちついているのって、いいもんですね。
d0099005_22153352.jpg
実にいいもんです。

















[PR]
Top▲ | # by beefcattle | 2014-10-26 21:08 |
"Fallen Leaves" Skin
by Animal Skin
| ページトップ |