うまくいく方法なんて分からん!
今日は東京から「会社で山を活用して牛の放牧をしたい!」というお客様が来られました。
4時間くらいお話させていただいて、自分の中で気づきがたくさんありました。

まず、放牧牛肉には問題が山のようにあるということ。

しゃべればしゃべるほど問題が見つかりました。
僕自身しゃべりながら、自分の言う問題の多さに「すげーなー」と感心してしまいました(笑)


その一方で「放牧は目的じゃなく手段だからこれはまだ問題じゃない」と、問題を限界と感じてない自分も発見。
ここ2年でいい意味で視野が広くなってきました。

だから繁殖経営はしっかりやります!(当然)
放牧と既存の経営。
全く矛盾していませんでした。
そこに気づけたのもよかった。

また、山のような問題点を説明しながらも、やめる気はサラサラない自分も発見しました。
かと言って熱く、意固地になっているわけでもない。



正直な話、現時点で放牧牛肉はうまくいっていません。

特に子牛からの放牧は初期発育の遅れが大きい。
肉牛としては話にならない段階。

こんなことは毎日牛を見ているので、嫌というほど分かっている。
だから僕もいいかっこせずに、その方に正直な現状を話させていただいた。

少しでも役に立てればと色々と伝える内容を考えるのだが、イマイチ良い情報がない。
だってそもそもうまくいく方法なんて、始めてからずーっとわかんないもの。


現在、何千万頭と肉になってきた牛をベースに日本の大まかな肥育マニュアルや理論はつくられている。
そんな中でつくられてきた「基本的なマニュアル」の理屈はやっぱすごい。
しかし、同じ血統で同じ人が同じ飼い方をしても牛は個体差が大きく肉質は異なる。
当然マニュアルだけではうまくいかない。
プロとしての牛を見る目や経験が加わり、今の日本の牛肉生産がある。

そんな中、頭の中だけで「日本にはない放牧牛肉をどうやってつくるか」と【マニュアル】を考えてもわかるはずがない。
いくら頭で考えても理屈では「うまくいかない」にしかならん。

でも、方法は無限にある。
理屈理屈って言うけど、それ、ただの想像なのかもしれない。
方法を見つけるのはやった人間だけ。
いくらブログでいい事を書いたって、やったことじゃなきゃただのカバチたれだ。


経産牛は肉質が悪い。
経産牛は味はあるけれど硬い。
放牧すると肉が硬くなる。
草だけだと肉は美味しくない。
だから放牧の経産牛なんて筋が多くて硬くて食べられない。美味くない。
これが一般的な常識。

放牧の肉は締りが悪い。だから熟成に向かない。
これも容易に想像がつく常識のひとつ。
実際に枝肉にした時のお肉屋さんの評価も「締りがないね。自然志向の人は買うかもしれないけれど美味しいかといわれれば普通に飼ったほうが、、、ね」だった。
ここまで書くと99%の畜産関係者は「ほら、やっぱりね」って思う。

でも、実際やってみて常識とは違うこともいっぱいあった。

お肉を食べていただいたは方は3年で100人以上になるが、ほぼすべての方が美味しいと驚かれる。
女性でも300gくらい普通に食べる。
これは脂っぽくないって事じゃなく美味いから。
不味かったら残すよね。
部位によっては全く硬くない。
子供もバクバク食べる。(筋のある部分は噛み切れず出す子も1人いた)
真空パックで冷凍熟成でも肉の硬さや味が変わる。(変質じゃなく熟成)
ドライエージングにした時の肉の変化にも驚いた。

やんなきゃわからないことだらけだった。
(それでもまだまだ問題のほうが圧倒的に多いですが・・・)

「上手くいかないと容易に想像がつく」ことってよくありますよね。

もしかしたら「容易な想像」って「安易な想像」なのかもね。

同じく、「こうやったら上手くいく」とか「ただ一生懸命やればうまくいく」ってのも安易な想像なのかもしれない。


上手くいく方法。失敗のない方法は。

そんなもんわからん。


ただ、上手くいく方法があるとすれば上手くいくまであれこれ考え、やり続けるしかないのかな。

そう考えると上手くいくかどうかは結局その人しだいなんだ。

自分しだいなんだ。



牛飼いを始めてから「やめとけ。上手くいくはずない」とアドバイスいただくことが多い。

それは「事業の内容」が上手くいかないって事じゃない。

「僕」じゃ上手くいかないって思われているってこと。

問題はいつも自分自身。


それを忘れないようにしたい。




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Top▲ | by beefcattle | 2010-01-19 18:47
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