削蹄復帰にむけて
今日は午前中に削蹄の兄弟子である淀貴至さんが来てくれました。

僕の削蹄の親方は淀弘さん。
全国に弟子を持つ、昔堅気の博労でもあり削蹄師。
親方は「人生のほとんど削蹄だ。」と言うくらいあって、
70歳を前にしても一人で脚持って削蹄していました。

淀さんの弟子は凄い顔ぶればかりで、全国でも顔が通用する牛飼いさんばかり。
みんな若いころに削蹄で現金収入を得て生活し、牛の売り上げを牛に投資して、削蹄という『舞台』で得られるものをフルに掴み取り、1代で経営拡大していった猛者ばかりです。。。
親方は一昨年他界され、今は息子さんである貴至さんが親方となり一緒に削蹄を回っています。
(僕は淀弘さんの最後の弟子でした。)

僕が削蹄を鬱病で休ませてもらったのが昨年の11月。
もうすぐ半年になります。
お金の事もあり、「そろそろ戻らせてもらいたいんですが・・」と先日の牛市でお願いました。

以前から「早く治して帰ってきてほしいんだ」というようなことは言われていました。
しかも今は仕事が次々入ってくる時期。
凄く忙しそうでした。

僕はすぐにでも復帰する気でいましたし、家の牛の蹄もほとんど切って、削蹄のカンも半年前と同じレベルにまで戻せていた自信がありました。
ただ、体力と鬱による消耗度は実際に現場に出ないと分からないので、少し不安はありました。
それでも絶対に「ほな、○○日に○○さんとこ行くから来れるか?」と言われるもんだとばかり思っていました。

でも、貴至さんの答えは「焦るな」でした。

「焦るな。一回一馬のとこ行って、どれくらい切れるか見にいったるわ。それからやな。」

正直焦りました。
俺の戦力ってそんなもんなんか・・・と。

そして今日、僕の削蹄を見に来てくれたという訳です。

早速親牛を外に出して削蹄開始。
削蹄時間は繋ぎも入れて10分ちょい。
自分でもまずまず自信のある蹄に切れました。

「こんだけ切れたら問題ないやろ。」と思いました。
実際にお金を頂けるだけのつめきりが出来ている自信は今もあります。

でも、貴至さんの目から見れば、まだまだな点がはっきり見えていました。
手直しをされ、実際に切った蹄を見て愕然。。。
ほんの0.01ミリの違いで【全く別の蹄】になるという現象。

蹄がめちゃくちゃ綺麗。。。
横で見てた嫁さんも思わず「綺麗・・・」と。
「上手い」を超えて「綺麗」としか言いようがないんです。

こんだけ実力差を見せられるとなにも言えません。
休ませていただいてた半年という時間で、まだなお腕を上げてる。。。
「がーん!」でした。

貴至さんと僕は2歳違い。
僕は28歳で親方に弟子入りし6年目に入ります。
貴至さんは17歳の時から切ってるから20年近いキャリア。。。
なのに、半年でまだ伸びるのか~って感じ。

一緒に切っていて、別次元で削蹄しとるんだろなといつも思います。

と、言う事で。
しばらくは全ての現場復帰ではなく、ボチボチ現場に復帰するという事になりました。

みんなが心配してくれてるのが良くわかる。
僕の事だけでなく家族丸ごと。

だから「焦るな」

家の牛ももっとゆっくり時間をかけて切ったらええとのことでした。
数をこなして上げる削蹄技術もあるけど、時間をかける事で見につく削蹄技術もある。

お金は早く稼がなあかんけど、「焦んな」と言われたら仕方ないや。

しっかり治して、地盤固めしよう。

あ~、削蹄って面白いなぁ!!!
ちくしょう!!悔しいなぁ。。。
d0099005_2218134.jpg

[PR]
Top▲ | by beefcattle | 2012-04-16 22:52
"Fallen Leaves" Skin
by Animal Skin
<< 価値観 | ページトップ | マイコプラズマについて >>