『食』
今日の昼はパスタでした。
パスタを食べながら、「パスタって小麦だよな~」っと当たり前のことを考えていました。

外国では小麦が主食っていう国が多い。
日本ではお米が主食。

なんか当たり前すぎる「事実」だよね。

パスタ食べながら、ふっと想像してみたんだ。
「小麦が食える!」って分かる以前の時代。
「お米うめぇ~」って気づくまでの時代、過程。。。。

何億年も前から生き物は食べ物を求めてきた。
猿から人になる過程でも、色々なものを食べる食べない選別し続け、それに合わせ肉体までも変化させてきた。
実際に日本人と欧米人では体質が違う。(腸の長さだったり、アルコール分解酵素の多さとか・・・)

それと同時に食べる物の選抜、栽培するという発想、そしてその品種の選抜を行ってきた。
何千年という試行錯誤の中で「米」や「小麦」や「芋」が誕生してきた。
牧畜などもそうだろう。

僕がどういった生き方をするなんていう試行錯誤は、歴史の中の一瞬でしかない。
そういった各々が生きていくために人生をかけてきた一瞬が積み重なって、今の「食」を形作る。

今、目の前にある米一粒は半年かけて百姓が作ったものではない。
但馬牛にしたってそう。先人の土台で商売しているだけ。
もちろん各々が各々生ききっている。
真剣に生きている。

そんな一瞬の積み重ね。
何万年分の思考錯誤の繰り返しだという事を、その重みの何億分の一かでも、今感じる事ができるだろうか。。。
僕は今日の昼までそんなこと全く考えもしなかった。

同じように食べ方についても、生きていくために何万年という過程の中、必死で積み上げられてきた。
だから世界中に、日本中に、僕の住む香美町という過疎の町内ですら、地域によって伝えられている食べ物、食べ方、保存方法、無数源にある。

僕が初めて自分で飼った牛達、その牛糞をフォークで切り返しして、出来た堆肥を田んぼに手でまき、米を作り、鎌で刈り、稲木に干し、壊れた冷蔵庫を改造して糀室を作り、その米から麹を作り、自分の米だけで作った『どぶろく』
なんとも言えない味で、最高にうまかった。
昼間から毎日牛舎で飲んでたもん(笑)
また飲みたい。
でも、あのどぶろくは売ってない。

実は僕がずっと心のそこから食べたいと思っている料理がある。
それは、隣のお婆さんが作っていた『ハタハタのなれずし』
初めて食べた時の、あの感動は忘れられない。
「絶対に教えていただこう!」
そう思っていた矢先、お婆さんは他界された。。。

気づけば「パスタをゆがいて市販のソースかけていっちょあがり」
「コンビニでおにぎりとパンを買って昼飯」。。。

これはこれでいい。
便利さの代わりに得ているものもいっぱいある。
昔に戻れって言われても僕には我慢できんだろう。

でも、何千年、何万年と積み上げられた「食」が今急速に消失していくのが見えた気がした。
目の前で、見えた気がした。

スローフードなんて言うカテゴリーに組み込んだら駄目だ!
積み上げられた食はベースであり、基盤なんだ!!

そんな事も忘れていた。

確かに便利になった。
でも、もうあの「なれずし」は一生食えない。

全ての人間が食に関わっている
食品業界だけの話ではない。

日本人として、但馬の人間として、牛飼いとして、父として、僕は何が残せるのだろう。。。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-05-08 16:10
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