放牧牛肉に向けた取り組み その4
結論から言えば、木を切り倒して牧草畑に向かう事に決めた。
今、全く迷いはない。

憂いでいた気分も今はない。
いつの間にか目標が目的になっていただけの事だった。
放牧場の整備は手段でしかない。
目的は別にある。
明確にある。

その前に木の話に戻ろう。

僕はずーっと森の中にいて、本当に木には個性があるって気づいた。
太い木も細い木も立ち枯れした木も足元で朽ちた姿になっている木も。
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いること自体に意味がある。

山にいて思ったんだ。
何かを成し遂げることが価値ではないって。
存在している事自体が価値。
「成し遂げる」の基準なんてあってないようなもんだ。
結局主観でしかない。

分かった事は
①色んなものに命があるってこと。
②絶対死ぬってこと。
③命は続いているという事。

この法則にドングリも微生物も雑草も人間も例外はない。

一瞬だが牧草地にするのをやめようと思った事もあった。
でも、そうしたって牛を入れる事で絶える命もいっぱいあることには変わりがない。
そもそも命を奪わずに生きると言うこと自体が生命として不可能だと言う事。

命を奪う事で継続している世界。
そこに善悪なんてものはない。
殺し殺しの連鎖で生命は成り立っている。

普通に考えたら単純に殺し殺しの連鎖ならば生命そのものがなくなっていてもおかしくはない。
でもでもでも、その連鎖の中で生命は継続している。

これってものすごく複雑で、ものすごくシンプルな世界だと思った。

農業はサイエンスであるけど哲学でもあると思っていて、もちろん産業だから経営学も入るんだけど、考え方と言う所を自分の中ですごく大事にしている。

殺し殺しの連鎖の中でも生命が続いている事実から、僕は生命が向かう方向があるのだと思った。
(こういう話になるとすぐ「宗教」だ。とかキワ者扱いされるの何とかならんかな・・・)
人間の向かう方向ではなく、生命の向かう方向。
以前「」というタイトルでブログを書いたが、そこでも書いたとおり命って言うのは「意思」なんだと思う。
http://beefcattle.exblog.jp/15402251(読んでみてください)

僕の仮説だけど意思というのは生命そのもので肉体に宿るものだと思う。
そう考えると受精卵からの脅威的なスピードでの誕生や死後一気に進む腐敗も納得がいくのだ。

意思は何度も巡っては宿る。
そして意思の抜けた肉体・有機物は分解され次につながる。
そう結論付けました!!(暴論)

Q:じゃあ何のために意思があるのか?
A:想像するために。
Q:なにを?
A:愛を。
って、それが命の向かう方向だなと思ったわけです。

そうでなかったら命の奪い合いの連鎖は破滅しかないじゃない。
ありきたりな言葉だけど、人間も例外なく自然の一部なんだと痛感しました。

結局それで何が言いたいかと言えば、何のことはない各々が精いっぱい生きるしかないってことなんだ。
朽ちたドングリも淘汰された木も無駄にはならない。
もっと言えば牛を殺して山にほかしてもその肉体は無駄にはならない。
循環する。
燃やそうが野ざらしにしようが食べようが無駄なんてない。
全部回っている。

だからと言って淘汰された木に生きる意思がなかったかと言えばそんな事はない。
殺される牛が美味しく食べてくれてありがとなんて思うはずもない。

各々が生きようとする意思を持っている。
だから僕自身も淘汰されたくないし生きようと思う。
と同時に子供も幸せに長生きしてほしいと思う。

大切な人を大切にしたい。

これが結論だ。
何かを成し遂げる事が生きる意味ではなかった。
大切なものを大切に、愛情を注ぎ、自分を生ききる。

生きるためには命を奪わなくてはいけない。
牛も殺す。
そこにためらいはない。

ただ、僕個人として生きている間は愛情を注ぎたいし、肉になったらありがとうって思って食べたい。
それだけだ。
強要する気もない。
牛がどう思うかは関係ない。

そして、自分の身近な大切な人、わざわざうちのお肉を買ってくれるかたにはちゃんと喜んでもらいたい。
思いを注ぎたい。

放牧だからとか霜降りだからとかほんまに些細なことだ。
何が正しいかなんてない。

殺し殺しの連鎖と、必ず死ぬという事実。
そして命(意思)は巡るという仮説。

価値観は環境と思考が生んだ個人個人の好みでしかない。
だからどんな意見も否定する気もない。
全ては好みだから。

だからこそ好きな人、大切な人、自分にとって大切な物事を見失わず大切にする生き方を選びたいと思った。
そのためにも儲ける必要があるし、今の経営も放牧牛肉も自分にとって必要だと考えている。
だから続ける。でも、手法にこだわらない。
漠然とした未来のためでなく、自分自身を生きるために。

哲学的な話はこのくらいにしておいて。。。

いよいよ来月から放牧敬産牛肉「ひでふく」の販売開始です!!
具体的な取り組みについて書いて行こうと思います。

(その5に続く)
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Top▲ | by beefcattle | 2012-10-27 00:27
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