哺乳②
哺乳をする際に特に気をつけていることは、怒らない・焦らないということです。
なかなかミルクを飲まない牛は気が急きます。
無理に乳首を口に入れては怖がらせるだけで意味がありません。
飲みたくなければ無理して飲まなくていい。
こう考えればいらいらしませんし、それがいい結果になります。
もちろん放置とは意味が違います。

哺乳初日は口の中に乳首を入れる必要がありますが、これもコツがあり無理は厳禁です。
哺乳瓶で飲まないのは体調が悪いか、おなかがいっぱいか、飲ませ方が悪いかどれかです。
人間との信頼関係は飲ませ方の一番大事な技術と考えてもいいと思います。

ミルクをみんながいっぺんに飲んでくれればいいのですが、弱い牛がもたもた飲んでいると先に飲み終わった牛がいっせいに飛んできます。
「ミルクくれくれ攻撃」は半端ではなく、弱い子牛がミルクを飲むところではありません。
①隣で飲んでいる牛の口を吸うようにして横から上手く口をスライドさせて飲む牛
②下から頭突きで相手の頭を跳ね除け飲む牛
③逆にアゴを鼻の上に乗せ体重をかけて乳首を奪い取る牛
④体全体で乗りかかり逃げた隙に飲む牛
⑤乳首の取り合いをしている隙にこっそり横から飲む牛。。。。。
子牛と言えどもやるもんです(笑)

我が家では1マスに多くて7頭の子牛がおり、自作の哺乳瓶ホルダーにそれぞれの牛の飲むスピードや、その牛が好きな硬さの乳首を選び、いっせいに飲ませます。
人間は牛の後に立ち、しばらく飲みっぷりを見ます。
飲み終わる牛がでると、隣の乳首に吸い付くまでにスタータ(牛の離乳食)を口にほりこみます。
こうすることで固形飼料の味を覚え離乳までスムーズにいくのです。
スタータをほりこむ牛はくっちゃくっちゃしながらスタータを食べます。
ミルクくれくれ攻撃も一時落ち着きます。
その間に次の飲み終わった牛にスタータを食べさせる。
この繰り返しです。

スタータの好きな牛、スタータは好きだけど人間に口を持たれるのが嫌な牛、スタータは嫌いだし人間に口を持たれるのも嫌な牛、さまざまです。
スタータの好きな牛はまるで飲むように食べます。
こういう牛は間違いなく大きくなります。
スタータ好きだけど人間に食べさせられるのが嫌な牛は無理をして食べさせません。
たまに哺乳後、子牛の腹を吸う牛がいるのでそんなときには口のさびしさを紛らわせるためにほりこみます。
食べさせられるのも食べるのもいやな牛は、ほとんどがまだスタータが食べ物と認識していない牛です。
こんな牛に無理して食べさせると人間嫌いになり、神経質な牛になります。
口に入れるタイミングが大事になります。

そうこうしていると全頭ミルクを飲み終わります。
しかし、ここで終わってはダメです。

哺乳が終わってから5分間はマスの中にいます。
え、たった5分?
いやいや、これが大きい。
ここで人間にかなり慣れる牛になります。
「子牛が嫌な思いをしただけで120グラム/日の代用乳が必要になる」なんて研究結果もあるようです。
そうでなくても馴れる子牛は管理がしやすい。
人間も牛もストレスが少ない。
大事です。
また、この5分でほとんどの牛が糞をします。
糞は子牛の体調を知る上で欠かせない判断材料です。

以前は柵の外から哺乳瓶を突き出し、ミルクを飲んだらすぐ哺乳瓶を洗い、次のミルクを作り、すべて終わって糞取りをする際に体調確認をしていたのですがイマイチ把握しきれませんでした。

人間との信頼関係、飲んだ後5分、これがポイントですね。


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Top▲ | by beefcattle | 2007-03-04 14:15 |
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