長期実習
新規就農には地域との繋がりが必要で、そのために就農候補地での長期実習が必要であると前回書きました。
就農を希望するものにとって長期実習のメリットはとても大きいものです。
逆に言えば意欲のある優秀な人材を呼び込むためには長期実習生を受け入れる必要があります。
長期実習を受け入れることは就農希望者にも受け入れ地域にもメリットがあると思います。

しかし、問題もあります。
長期実習生を受け入れるための農家の負担が大きいということです。
僕は2年間実習先の農家の家に間借りさせてもらいました。
その方は何十人もの実習生を受け入れてこられた方で、研修生の扱いには慣れており、家族同様に接してくれました。
独立できたのはこの方のおかげです。
実際は研修を受け入れるということは大変だったのでしょうが、実習を受けている本人はそんなことを感じることもなくすんなり実習に入らせてもらいました。
こういう長期実習を受け入れてくれる農家はほとんどありません。
但馬ではここ1件といっても過言ではないでしょう。

実習生は受け入れてもいいが住み込みは。。。という方は多いのです。
ネックは実習生の生活面です。

北海道や九州には大規模農家が多く、実習を受け入れているところもたくさんあります。
しかし但馬では1件の農家が1年間実習生を受け入れるのは経済的にも生活面でも難しいのが現状です。
せっかく牛飼いがしたいと来ても、見てもらうことすらままなりません。

繁殖農家の戸数が減ってきている今、一人でもやる気のある人を呼び込めるかが産地が生き残るカギです。
大規模農家の多い都道府県では多くの実習生がいます。
このままではますます底力が低下し、北海道や九州のような大規模産地に差をつけられるのは目に見えています。
今ある産地を魅力あるものにしていく一方で後継者確保の対策が必要なのです。

実習受け入れ先のネックは生活面だと書きました。
特に住居は頭の痛い問題です。
間借りしても良いと言う農家があればいいのですが、なかなか他人を家に入れるのは抵抗があります。
たとえ実習生を受け入れても、今まで我が家のみでやっている場合は人間関係で失敗するケースが多いのです。
僕の親方のようなとこがあればベストですが、そうでない農家がほとんどです。
研修生の住居確保は長期実習を行う際の前提になると思います。

そのために、町が就農者の研修施設を建ててくれれば言うことはありません。
実際そのようなケースは全国にたくさんあります。
しかし、町は驚くほどの財政難。
現実的な話ではありません。

だから僕は以前から受け入れ農家に対する助成が必要だと思っていました。
研修施設を建てる事を思えば安くつきます。
直接現金でもいいでしょうが、例えばプレハブで研修生の住むところを作ったり、研修生が住むための空き家の改築したりした費用の一部を助成をするとか。
町営住宅の1つを研修舎として利用し、家賃補助を行うとか。

住むとこさえ何とかなれば。という思いが常にあります。

美方郡は大規模農家が少ない地域です。
研修生を1年ないし2年受け入れても仕事がないということも起こりえます。
もし、住むとこさえあれば農家で「就農研修生を受け入れる会」でも作って各農家でカリキュラムを分担し、研修を受け入れることが出来ます。
個人に補助金は出にくい時代ですから、NPO法人のようなものを作って運営していくことが今後出来たらいいなと思っています。

新・農業人フェアに行ったのも県の農業会議所の人とそういった話がしたかったからです。
話をすると、畜産以外からも実習生の受け入れ農家に対する助成を求める声が上がってきていると聞きました。
農業会議所も要望はあげているそうですが、実際は難しいようです。
ネックは対象が個人であるということのようです。
やはり法人化ですかね。

そんななか、新・農業人フェアでおもしろいブースがありました。
舞鶴の「若い衆でやろかい」という会です。
京都府舞鶴市に6~7年前から就農を始めた20~30代のグループが結成し、現在18名いるそうです。
この会は独自で就農者のための研修制度を立ち上げています。
具体的には、
受け入れ人数・・・1戸または1~2名
生活支援資金・・・月65,000円  家賃は若い衆で負担。
休み・・・週1日(応相談)
研修場所・・・長谷地区を中心に新規就農者やベテラン農家を回る。
研修内容・・・
①長谷の10a~30aの研修圃場で自分の作ってみたい作物を自ら栽培にチャレンジする。
②若い衆のメンバー、各農家で農作業をし、農家のしなければいけない仕事を学ぶ。
③若い衆のみんなと共に汗を流し仲良くなる。
④講義・舞鶴の地域環境や歴史などを知ろう。
⑤地域のイベントへの参加
⑥支援制度の有効な利用方法を知るなどなど
研修カリキュラム・・・毎月第3火曜日の定例会で決定
研修期間・・・とりあえず1年間
協力組織・・・長谷地区の方々、西方寺農事組合、舞鶴市農林課、中丹東農業改良普及センター
ということらしいです。

素晴らしいですね!
まさに僕がやりたかったことです。
畜産と畑作は違いますが行政主導でなく農家主体というとこに惹かれました。
3/31~4/1には就農希望者対象の泊り込み交流会をされるそうで、場違いかなと思いつつも早速参加のお願いをしました。
当日が楽しみです。

産地が生き残るためには、やる気のある人をいかに引き込むかです。
そのために長期実習は必須であり、身銭を切ってでも後継者を育てるといった考え方がなくては前には実際進まないと思います。
受け入れ先の確保と受け入れ農家の団結が今後ますます重要になるでしょうね。

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Top▲ | by beefcattle | 2007-03-12 21:59 | 新規就農
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