説得と共感
僕はブログだと何でも前向きで順風満帆に見えるようですが、思い通りにいかないことってたくさんあります。
先日もある村に放牧場を借りようとお願いに行ってきました。
しかし、地権者の方から「以前に村が牛を飼うことに反対していた経緯があり、貸すことができない」と言われてしまいました。
そこで「村の了解をとったら話を聞いていただけますか?」と聞くと、「それならばいいよ」といったお返事をいただきました。
早速区長さんに相談に行き、お忙しい中90分も自分の思いを聞いていただきました。
そしてその後、村の総会にかけていただき、なんと『放牧OK』の了解を得たのです!
しかし、改めて地権者の方にお願いにあがると「やっぱりだめだ」とのお返事でした。。。

昔はほとんどの家が牛を飼っていたのですが、現在は牛のいない村のほうが圧倒的に多くなっています。
今や田舎において牛は当たり前の存在ではなく臭くて汚くて厄介な存在になりつつあります。
直接苦情が来るわけではありませんが、これは非常に危険な状態だと思います。
僕の知り合いでも但馬に30年以上住んでいて牛を見たことがないといった方もおられます。
こんな状態では農業後継者を育てるといっても育つはずがありません。
私たち畜産農家が夢を持って仕事をすることは前提ですが、それ以前に地元との距離のある牛飼いではいけない。
地元が牛の応援団になってもらうくらい関わりを強めていかないといけないと思うのです。
今回はそのきっかけとしての放牧場でした。
だから反対される理由は予期していたといえ一瞬ショックでした。
しかし、今思い返せばその原因はすべて自分の中にありました。
共感していただくつもりで話していた内容がいつの間にか説得になってしまっていたのです。
共感していただいた場合
「ぜひ、うちの村で牛を飼ってもらえないか。一緒に地元を盛り上げていこう!反対意見があれば僕が説得するよ」となります。
しかし、説得では
「とりあえず反対はいなかったし、ある程度条件をのんでくれれば大丈夫だと思うよ」となってしまうのです。
恥ずかしながら僕は反対意見がなかったことにすっかり安心しきっていました。
そして案の定放牧場の件は白紙になったのです。
何かを成し遂げるには説得ではなく共感だと改めて気づけました。
思っている以上に牛に対するマイナスイメージはどの地域でも強く、牛と地域住民とのかかわりが今後本当に大切になるなと思いました。
現在、牛と人をつなげるため牛に会いたくなる牛ブック、放牧ツアー、小学校での牛飼い体験を計画しています。
どんな問題も自分の出番にできると思います。
牛飼いが厄介者扱いされるほど、また、農業に逆風が吹けば吹くほど「僕の出番だ。これを待ってた」と思う自分がいます。
もう、やると決めているので誰に何を言われようが関係ありません。
すべてアドバイスです。
d0099005_12365693.jpg
一人でも多くの方に共感いただき但馬に住んでいる人が「但馬に牛がいてよかった」と思ってもらえるように、そして今よりもっと「但馬に生まれてよかった」と思ってもらえるようなそんな牛飼いをしていきたいです。
乗り越えられない困難は起きないんだなと最近特に感じています。
明日も削蹄です。
全力投球でがんばります!!
[PR]
Top▲ | by beefcattle | 2008-04-28 23:15
"Fallen Leaves" Skin
by Animal Skin
<< 放牧スタート | ページトップ | 子牛の能力 >>