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身近な生き物①
先週あたりから毎日毎日、家の前を大量の羽虫が飛んでいる。
何千匹もの羽虫が大群になって川下から川上へ。。。

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(写真ではうまく伝わりませんが、すごい数です)

天変地異の前兆か!?と
慌てて懐中電灯の電池を買いに行きました。

後から教えて頂いたんですが、これは異常行動じゃなく自然現象なんですね。

幼虫時期に川下に流されていった幼生が、羽化して上流へ産卵に向かう現象。
そう思うと何だか神秘的に見えてきます。

1匹だったらタダの虫としてとらえがちですが、こうやって種としての意思というか行動を見せられると、なんか圧倒されますね。

この子たち。日中はまとまって飛ばないのですが、夕方になると一斉に飛び出します。
そして、その合間を凄いスピードでツバメが飛び交います。

一斉に飛んでいると言っても、大きく分けると2種類の虫達がいます。
こんなふうにオスプレイのように空中で止まったように飛ぶのが【カワゲラ】です。
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捕まえてみると確かにどれもこれも卵を抱えています。
「これから産卵に行くんだな」と思って掴んでいると、ポロっと卵が・・・あああ。
違うカワゲラを捕まえてみると、またすぐに卵が・・・ああ。
悪いなあと思いながら、娘と一緒に空中キャッチ競争をしていました。
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一方、カワゲラに反して全く安定感の無い、まるで酔っ払いのような飛び方が【ヒゲナガカワトビゲラ】です。
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確かにひげ長いね。
この子は非常にトリッキーな動きをするため中々キャッチが出来ない!(するなよ。)
こういう虫取りって、子供は夢中になりますよね。
大人も夢中になって久しぶりに虫を追いかけました。

この矢田川沿いに牛舎を移転して6年も経ちます。
今までこの子達の存在に全然気が付かなかったなんて。。。。

周りでは田植えが始まり、いっせいにカエルが鳴きはじめました。
あと1カ月もすればモリアオガエルの幼生が牛舎中を跳びまわります。

また今年も春が来ました。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-05-12 19:19
ニコイチ捻転去勢法
去勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ご存知の方が多いとは思いますが、家畜として飼養されている雄牛の99%は「去勢」されます。
理由は睾丸が残っていると肉が雄臭くなること。
そして、兎にも角にも危険だからです。

去勢方法は大きく分けて無血去勢法と観血去勢法の2種類にわかれます。

無血去勢法はその名の通り、血を出さずに去勢する方法。
精巣を約6週間ゴムリングで締め付け自然脱落させるゴムリング法。
大きなペンチのような器具で精巣ごと精管をはさんで挫滅させるバルザック法などがあります。
無血去勢法の長所は「簡単である(あまり技術がいらない)」ということです。
例えばバルザック法ですと、挟むだけなので30秒もあれば終わります。
短所は長期間ダメージが残り、餌食いが落ちるということです。

一方、観血去勢法は精巣を切開し睾丸を取り出す方法です。
一見こちらの方が痛そうに見えますが、的確に処置すれば半日で餌食いが戻るという事実からも、牛にとってはストレスの少ない方法と言えます。
しかし、これは素人にはなかなか難しい。
一般的には獣医師が麻酔をし、メスで精巣を左右切開し、1つずつ睾丸を取り、それぞれの精管を糸で縛り、抗生物質を入れ・・・・
と、結構時間もかかるし、手術なのでおおごとなんです。
いいかげんにすると化膿して大変なことになるし。。。

そうは言っても去勢代も頭数がいればバカにならない。
そのため兵庫県内でも自分でメス(雌じゃないよ)を持って去勢する農家さんが2~3件出てきました。

それを見て、じゃあ僕もやってみよう!!!
と、思うのですが失敗が怖くてなかなか去勢に踏み切れません。。。
そんな時、削蹄でお世話になっている高知の牛飼いさんが「にこいち捻転去勢法」を教えてくださいました。
それを実際に見て「やろう!」と思うことが出来ました。

『ニコイチ捻転去勢法』は長崎の壱岐で獣医師をしている阿部先生が考えられた方法(ネーミング)で、元々はカウボーイがしていた去勢法なんだそうです。
阿部先生のブログは『こちら
その名の通り2個いっぺんに睾丸を取っちゃう方法です。(詳しくは阿部先生のブログをご参照ください)

結論から言うと、これ凄く良いです。
・1つずつ精巣を取らないので手術時間がめちゃくちゃ早い(牛へのダメージが大幅に減る)
・精管をねじり切る(捻転させる)ので術後の出血がない。
・ねじりきるために精管の縫合がいらない(不器用でもできる。時間も大幅カット)
・一気に2個取るため睾丸内が陰圧になり術後睾丸がクッとひっこむ(術部の感染のリスクが下がる)

と言うことで、ここからは牛飼い向けです。
百聞は一見に如かず。


なんと、去勢自体は90秒で終了です!
術後は精巣が陰圧になっているのが良くわかります。
観血去勢と言いながらも出血はほとんどありません。

実はこれ【3例目】なんです。
何百頭も去勢してからの自信を持っての映像じゃなく、自分で去勢してみて、たった3頭目の映像。
簡単そうでしょ。
慣れればもっと早くなると思います。

ちなみに1頭目は調子に乗って立位で無麻酔で行いました。
しかし、モクシが外れ、牛が去勢途中で枠場から飛んで出るわ、錧子ではさんだ金玉は破けるわで大変な事に。。。
獣医師と相談し、一番人も牛も安全な「麻酔→寝かす→脚保定」に落ち着きました。

切開にはステンレスの剪定ばさみを使っています。
去勢器具は地元の鉄工所で見よう見まねで作ってもらいました(オールステンレスです)。

去勢器具はこんな感じです。


動画では手術全後にイソジンをスプレーしていますが、手術前は精巣付近の洗浄・消毒をし、手術直前に石鹸でしっかり手を洗って行っています。(本当はゴム手袋した方が良いんでしょうが。)

また、ゆっくり回しているのは「しっかり捻転させるため」です。
早くぐるぐる回すと精管がすぐに切れてしまうため、25回弱で切れるように回しています。

ニコイチ捻転去勢法。
お勧めです!!



余談:去勢が終わって思い出したのですが、僕が大学の時に入っていた肉牛研究会というサークルでは学生だけで牛を飼っていて、もちろん去勢も自分たちでしていました。
それは部員が体を張って牛を押さえ、メスを使って無麻酔での観血去勢・・・
とうぜん保定してないから後脚を持っている人は力いっぱい蹴られるし、メス持っている方も危険極まりない。
15年以上の前の事なので自分で去勢するまですっかり忘れていました。
あんな素人が適当な保定(人間保定)で無麻酔で去勢してたんだから、今、出来ないはず無いよね。と改めて思いました。
ちなみに大学時代、取った睾丸は貴重な酒のアテでした。。。。
なので「去勢する時、男の人ならすくんじゃうんじゃない?」と良く言われるのですがピンときません。
「金玉は牛乳で臭み取る?それとも揚げて食べる?」と言われた方がピンときます。



ニコイチ捻転去勢法、良いですよ。

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Top▲ | by beefcattle | 2013-05-09 00:34
お肉の紹介 ~放牧(敬産)牛肉・切落し~
少しでも楽しく、素敵な食卓のお手伝いが出来ますよう、これから少しづつお肉の紹介をさせていただければと思っています。
もちろん、我が家の商品以外でも遠慮なく書いていければと思います!
よろしくおねがいいたします。
(放牧牛肉「夢」牛肉編の続きも同時並行で書いてきますね。)

・放牧(敬産)牛肉切り落しについて

まず、(敬産)って何なんだ?
なんで()で括っているんだ?
ってとこからですが、田中畜産の放牧のお肉は2種類あります。

「放牧敬産牛肉」と「放牧牛肉」

「放牧敬産牛肉」は今まで子牛を産んでくれたお母さん牛を、放牧で飼い直しした牛肉のことです。

田中畜産は但馬牛の繁殖農家です。
(お母さん牛に子牛を産んでもらい、子牛を育成し販売する事が仕事です。)
一般的に種が付かなくなった母牛は半年~1年間、穀物で飼いなおされて牛肉となります。
それを穀物で飼い直しせず、山に放牧し、出荷まで青草を食べさせてお肉にしています。
元々は次に書く「放牧牛肉」の生産のために試験段階で始めたものでした。
しかし、1頭目の【しょうふく】という牛を食べた時にとても美味しかった事と、共に過ごした母牛としてのストーリーをお客様と共有することの意義を感じ、今では田中畜産の看板商品となってくれています。

一方「放牧牛肉」は生まれてから屠畜まで草しか食べずに育てた但馬牛の事を指しています。

「放牧敬産牛肉」になる母牛は冬以外は何年も放牧していますが、丈夫な子牛をうむために、子牛の乳を出すために、濃厚飼料という穀物をステージごとに与えています。
特に骨格が発達する2歳までは、草だけだと栄養が足りず小さな牛になる(お産の時に難産になる)ため、子牛のステージにあった草と穀物のバランスを考え給与し、母牛に育成していきます。
そういったことを完全に無視して、生まれてから屠畜まで草だけで飼った牛肉が「放牧牛肉」です。
肉用牛でこんな飼い方は日本では全くありません。
つまりそれだけ収益性で問題の多い牛肉という事です。
しかし、それでもしようと思った動機がありました。(過去のブログで書いたと思いますが、また書ける時に書きます。)
現在はお肉として販売している【夢】という牛と、放牧中の【元気】という牛の2頭だけです。

今回は放牧(敬産)牛肉の切落しのご紹介。
なぜ()で括っているかというと、お肉屋さんにカットを頼む際に放牧敬産牛肉の【みつこ】【ひでふく】と放牧牛肉の【夢】が混ざってしまったからなんです。
なので放牧(敬産)牛肉。です。

その中でも切り落としは筋が多く、放牧(敬産)牛肉の中でも硬い商品になります。
固いという事は筋が多いという事。
筋が多い部位ほど良く動かしているため、お肉の味は濃い傾向にあります。
(先日書いた「とうがらし」という部位も普通は切落しに回されます。)
そうはいっても硬すぎると食べにくいものです。

そこで、美味しく食べるポイントは2つです。
それは①細かくする②火を通し過ぎないということ。

まずは細かくすると言う事。
例えば包丁であら引き肉にします。
このあら引き肉でハンバーグやミートソースと作ると、ただのミンチにはないお肉の食感と切り落とし特有の味の濃さが重なり、すごく力強い味の料理になります。
ハンバーグにしても本当に〔肉〕を食べている感じ。
味付けの濃いミートソースでもしっかりとお肉の味がわかります。

もう一つのポイントが火を通し過ぎないことです。
切り落としは筋が多く脂が少ない赤身のお肉なので、火を通すことでお肉が収縮し硬くなります。
これを極力控えることでお肉の味はそのままに美味しく食べることが出来ます。
我が家では切り落としを使ったしゃぶしゃぶなんかもします。
さっと湯に通したお肉とポン酢の組み合わせは最高です。

もちろん炒め物やビーフシチューなどにも活躍してくれます。
炒め物にする際は軽く火を通す感じで、ビーフシチューにする際はしっかりと煮込む。

急いでレンジでチンして解凍し、中途半端に火を入れるとびっくりするくらい硬くなる場合があります。
それでも自信を持ってお届けしたいお肉。それが切り落としです。

僕も毎週必ず1日は食べています(笑)

ちなみに今日の晩御飯は放牧(敬産)牛肉の中華風炒め物でした。
タレの味にも負けないです。
たまに硬い筋がありますが、「この牛、運動してんな~」と感じていただきながら食べていただければ嬉しいです。
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近日中にこの切落しを使ったミートソースを販売する予定です。
楽しみに待っていてくださいね!!

牛肉って言うのはロースやヘレを売るのは簡単なんです。
1頭丸ごと販売しようと思うと、どうしても硬い部位は売りにくい。
これはこの業界にいる方なら皆さん常識として持っておられる事と思います。
おまけに放牧(敬産)牛肉は通常の切落しよりも『硬い!!!』

でも、良い所もいっぱいあるんです。
だから迎合せず、必要として下さるお客様へきちんとお届けできればと思っています。
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お肉のご注文は『こちら』から。
みんなに届けばいいな~!!!
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Top▲ | by beefcattle | 2013-05-04 23:58
やまけんの出張食い倒れ日記
農産物流コンサルタントでもあり、食品ジャーナリストでもある「やまけんさん」が我が家の放牧牛肉「夢」のお肉を食べた感想をブログで書いて下さいました~!!
ぜひぜひ読んでみて下さいね。

実はやまけんさんは昨年牧場まで来ていただき、放牧敬産牛肉「ふくさと」を食べていただいたあと、実際に「夢」まで見てもらっているんです。
その時に僕が書いたブログがこちら『やまけんのにほんまるごと食探訪

そして、その時のやまけんさんのブログがこちら。
但馬の地で出会った美しい牛。この子が半年後、驚くべき評価を生み出すような気がするのだ。

そして、今回夢のお肉を買っていただき、その感想を再度ブログに書いてくれました。
田中一馬君が完全放牧で育てた純系但馬牛のランイチを、マルヨシ商事の熟成庫にて半DABにしたものを食べた。やっぱり黒毛和牛は赤身も特徴的に美味しい!サシを入れるばかりが黒毛の価値じゃ無いことをしっかり表す味だと思う。

タイトルだけで嬉しいですが、中身も是非読んでみて下さい。

やまけんさんについては知っている方は多いと思うんですが、あえて言うなら「ひたすら食を追求する人」。
僕がどうこう言うより、やまけんさんのブログを見てみればどんな方なのかよくわかります(笑)
お肉についても追及しすぎて自分の牛まで持っています。。。
とにかく見て下されば嬉しいです。

たった今、夢のお肉を解凍して生で食べてるけど、夢はほんと甘くて美味しい。
焼いてみたら、また違った顔を出してくれる。
美味しい。
主観だけどね~。

こうやって自分で食べたり、評価をいただけることの積み重ねが自信につながります。
もちろんやまけんさんだけじゃなく、毎回買って下さるお客様からのメッセージがなきゃ続けてこられなかっただろうな。

5年目にしてだいぶ自信がついてきました。
お口に合わないお客様がいる事も理解しつつ、その事にとらわれることなく(いや、囚われるかな?)、マッチング出来なかった事が残念だった。と思えるようになりました。
お肉が悪いんじゃなくて。

人による好みは絶対あるので、全てに右往左往していたらブレブレになってしまう。
もちろんより美味しいお肉に向かって、勉強し、牛を見て、お客様に提供していこうと思っている。

ただ、やっぱり原点に戻ってみると「自分が良い」と思った感情を他の人にも味わってもらいたいというとこに行きつく。
主観を信じるというか、主観の提供だと思う。
後はマッチングしていただける方との出会う努力=営業力。

だから、今まで遠慮していた営業も、出会うためにきっちりやっていきたい。
お肉を食べながらそんな事を思っています。

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(写真は5年前、京都の焼肉南山さんにて。僕めちゃくちゃ若いな~。。。。)



※放牧敬産牛肉・放牧牛肉は「こちら」から販売いたしています!!
大切な方との大切な時間に、我が家の牛たちがお客様の食卓を笑顔でかざってくれますように!
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Top▲ | by beefcattle | 2013-05-02 19:36
放牧牛肉(グラスフェッド・但馬牛) 「夢」 その5(牛肉編②)
さあ、ぼちぼちお肉編も書いていこうと思います。

さて、夢を枝肉からブロックにした後、さっそくトウガラシを1本食べてみました。
トウガラシとはウデの部分でトウガラシに似た形からそう呼ばれています。
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いつもネックやトウガラシはいつも切落しやミンチにしかならないので、「どうせミンチになるなら」と思って持って帰ったわけです。
早速ビーフシチューに。。。
いやいや、その前に、やっぱ塩だけで食べたい!!

実は以前oさんのブログの【トウガラシ実食編】でトウガラシの事が書いてあって、ずっと食べたかったのです。
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感動でした。。。
めっちゃくちゃ香ばしい!!美味すぎ!!!全然硬くない。
後で夢の赤身のすき焼き用スライスを食べましたが、断然トウガラシの方がおいしい!!
こんなにも味のある部位なんだと感動しっぱなしで、興奮が止まりませんでした。
ビーフシチューにしても美味しいけど、やっぱり焼いた時の香ばしみ。素晴らしいの一言に尽きます。
後日、ネックもビーフシチューにする時に焼いて食べましたが、ネックはやっぱ筋引きしないと硬いね。
でも噛めば噛むほど味がある。
サーロインやヒレなんかは柔らかくて良いんだろうけど、味で言ったら断然動きの多い部位だなと思いました。
ネックも焼いて食べたら香ばしくってめちゃうまい。
でも、トウガラシはそれを超える美味さでした。
次回からはトウガラシとして販売しよう。。。

今はまだ色んな部位をミックスしてカットを委託しているけど、もっともっと肉の事を知りたいと思います。
熟成、カッティング、加工。
一気に色んな事はできないけど。
1つずつ、ちゃんと理解して、一番喜んでいただける形で届けたい。
そう強く思いました。

でも、その前に繁殖農家として、削蹄師として、もっともっと『牛』のことを知らなければいけません。
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(牛肉編③につづく)

※放牧牛肉、放牧敬産牛肉は『こちら』でひっそりと販売中です!!
草の甘みのある牛肉です!是非是非ご賞味くださいね~。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-04-29 19:45
2013年、放牧スタート!!
いよいよ放牧のシーズンです。
今年は例年になく雪が少なかったため、放牧時期が大幅に早まり、4月27日に放牧を開始することができました!!

さすがに山林はまだ草が生えていません。
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一方草地はまだ草丈が短いですが日に日に育ってきてくれています。
早い段階で、少ない頭数を放すところから、放牧場と牛を管理していこうと思います。
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まずはメイン放牧場である大照放牧場(12ha)に先発隊6頭が出陣。
この他にも同じ小代地区に3haの放牧場を借りていますが、こちらはまだまだこれからが整備です。
今年は全部で20haを目標に、更に新しい放牧場確保にむけて動いています!

そして、問題の昨年拡幅した大照放牧場のジャングル。
今年は【抜根~牧草の播種】まで向かいます!
向かえるはず。。。

知らない方のために、どんなジャングルかと言えば・・・
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すごいでしょ。
これが夏には一斉に葉っぱを出すから、まさにジャングル。

拡大したらこんな感じ。。。   鳥の巣かい!!
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これ全部キウイなんです。
十数年前にキウイ畑だったけど、1年で耕作放棄地になり、そこら中の木に蔓を伸ばすキウイ。。。
秋にはキウイ生えまくりで、すごくもったいないけど、切ります!
どんな放牧場になるかな~。今からドキドキです。

実は今回こんなにも早く放牧を開始できたのは、残雪を蒸発させるくらい熱いかたがたの応援のおかげでした。

昨年のマイコプラズマの事故から資金繰りがとてもシビアになっていて、僕の体調も含め八方ふさがりの状態の時に、地元の但馬信用金庫の友人がコンサルに来てくれたんです。
その友人は地域活性化に半端ないくらい情熱をかけている人で、「地域が元気になるには、そこに住む、そこで経営する【人】が元気でなくちゃいけない。だから一馬さんには大成功してもらわなきゃいけないんです!」
そう言っていただき、凄く忙しい立場に関わらずしょっちゅう我が家に来てくれ、一緒になって考えてくれました。

その中で「一馬さん、放牧場の整備、信金の有志で集まって手伝いに来ますよ!」なんて話が出たんです。
そこから1年。
普通なら忘れてるもんですが、「一馬さん、1年越しになってしまいましたが、来ましたよ。」と全くぶれずに手伝いに来てくれました。(1回だけとかじゃないのよ)

これはね、ほんと、頑張ろうって思うよ。
本当にありがとうございます。

放牧場の整備って、単純作業なんだけど意外に素人には任せられない仕事なんです。
牛飼いだからこその牛の視点に立った電気柵の張り方があり、1本1本無意識の中でも調整し線を張っていくのです。
しかし、今回は人数が多かったため、僕一人が見れる範囲に限界がありました。
そのため「牛って~~~な動物なんです。だから牛が逃げないよう牛の視点になって考えて作業して下さい!」と各々に丸投げし、作業をしていただきました。
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そしたら何も言わなくてもポールを運ぶ人、杭を打つ人、線を張る人、調整する人等々、みんなが自主的に自分の役割を決め、チームを組み、臨機応変に、時には周りの石を使ってポールを打ったり(笑)。
後から見直してもほとんど手直しをするところがないくらい完璧に仕上げてくださり、なんと1日で電気柵を張り終わる事が出来ました!!!

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但馬信用金庫の有志のみなさんです!!
(発起人は但馬にいる人なら分かりますよね。帽子の方。とても同い年とは思えません!!)
ありがとうございました!

さあ、また忙しくなってきますね。
今年のお肉になる牛たちも全員放牧スタート。

「夢」の後を継ぐ「元気」。現在50カ月齢。
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しんどい事も多いけど、進もう。
いや、もう、進み続けてるんだよね。

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Top▲ | by beefcattle | 2013-04-28 22:20
エンドファイト中毒
今日は繁殖農家さんの削蹄まわりでした。

4軒の農家さんを周り、2軒の農家さんで輸入乾草(ライグラスストロー)によるエンドファイト中毒の疑いのある牛が見受けられました。
両農場とも同じロットのライグラスを使用しており、どちらの農場も飼養頭数の1/3ちかくの歩行がふらついており、中には途中でこけて起き上がれない牛もいました。
その中の1軒の農家さんでは昨日親牛の股を裂いてしまい廃用にしてしまったと聞きました。

自分の牛ではありませんが、残念です。。。

同時にエンドファイト中毒についてあまり知られていない事に強い危惧を感じました。

エンドファイトとは植物体内で共生している真菌や細菌の総称です。
植物がエンドファイトに感染することにより植物の天敵(病害虫)に対して摂食障害を起こさせたり産卵障害を起させたりする働きをうみます。
僕ら牛飼いから見たら逆説的な話ですが、芝生などは【エンドファイトに感染している事自体】が商品価値となっています。
その一方で種を取った後の茎(ストロー)が安価な粗飼料として日本に大量に輸出されるようになりました。(以前は焼却処分していたが法律で焼却処分が禁止されたため)
僕自身現在の肉牛の生産事情を知っているだけにこのストロー(種を取った後の牧草)利用自体に善悪を持ち込んではいません。
我が家もバリバリ使っています。

問題はエンドファイトのもう一方の側面。
エンドファイトは病害虫だけでなく、それを食べる動物にも有害な物質を産生します。
畜産に関する事例は簡単に分けると2種類です。
トールフェスクによる中毒とライグラスによる中毒。(どちらも牧草の品種の名前です)
トールフェスクによる中毒で有名なのははフェスクフットと呼ばれ、エンドファイトのエバルゴリンによる末端部の血行障害。
牛の蹄が壊疽してきます。
ライグラスは歩行異常や神経症状が出ます。

対策としては輸入乾草を使用する場合、2種類以上の草を与えてリスクを分散することしかありません。
発見のポイントは嗜好性です。
エルゴバリンやロリトレムの数値の高い草は嗜好性が著しく落ちます。
繁殖牛は90%は乾草給与ですから単一の乾草を使う場合は非常にリスクがある事を理解していなくてはいけません。
繁殖農家なら感覚で分かると思いますが、親牛が食わない草なんてよっぽど何かがおかしいんですよ。
ここで辛抱強く食べさせているとライグラスの場合はすぐに神経症状を起こします。
具体的にはは起き上がる動作がいつもよりゆっくりであったり、立ち上がった際に後脚に力がないと言った感じです。
そのまま行くと起立不能になります。
それまでの過程でも後脚に力が入らないため滑って股裂きをしたりする恐れがあります。

実はこのロットのライグラス、僕も入れていました。
でも、明らかに食いがおかしいのと1頭起き上がるのにいつもより時間がかかる牛がいたことからロリトレムの高いライグラスだと判断し、「この乾草エンドファイトが出るからすぐに持って帰ってください」と全部返品しました。

餌を変えた後、起き上がるのが遅かった牛もすぐにいつもどおりになりました。

今回の農家さんの場合、エンドファイト中毒についての知識を持ち合わせていなかったことに加え、返品ということに遠慮してしまっている雰囲気を感じました。
餌屋さんには嫌がられるかもしれませんが、絶対に返品すべきだと僕は思っています。

エンドファイト中毒自体、あまりポピュラーな物ではありません。
但馬では6年ほど前にフェスクで大発生し、多頭農家の間では話題になりました。
我が家も4頭廃用にしました。
僕の場合、預けていた牛が発症したのですが、典型的なフェスクフットの末期症状で、蹄のさやは完全に抜け、アキレス腱からの傷が裂けて足はブラブラ、傷口からは膿が出ていました。
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僕自身、この時の思いがもとで放牧牛肉を始めたという経緯があります。

だから当時の事を知っている農家は輸入乾草のリスクといった視点を持っています。
でも、思った以上にそのリスクは知られていないんだなと感じました。

こう書くと輸入乾草は危険と受け取られがちですが、何でもそんな単純なものではないです。
自分で草を作っても、堆肥を入れ過ぎると硝酸態窒素が多く含まれる乾草になり、ひどい場合は食べた牛は死にます。
放牧していたって環境が悪ければワラビ中毒で全身の臓器から点状出血が起き、死亡します。

こんなのはただの1例で、輸入だから危険とか国産だから安全とか言う話ではなく、どんなものにもリスクはあり、どんな方法・手法にもそれを行う背景があるという事です。

だから人は人。他人のやり方にどうこう言うつもりはありません。
でもその上で再度、エンドファイトについてどうしても言いたかったのでこの記事を書きました。

こんな事故で廃用になる牛が1頭でも減るようにと心から願います。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-04-26 21:05
採卵
今日は我が家のエース「てるこ3」の採卵でした。
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左右の卵巣で黄体があわせて8個。
Aランク4つ。Bランク1つ。Dランク1つ。計6つの受精卵がとれました。
Dランクは細胞分裂の途中で発育が止まって(死んじゃって)使えないし、Bランクは凍結には向かないのでAランクの4つだけ凍結。
VA100,000,000IU(←桁違いだろ!って突っ込みたくなります)×10日の効果は抜群でした。

ただ、同期化した牛は発情がこず(黄体がなく)新鮮卵移植は出来ませんでした。。。。
何だかBランクの受精卵にはな申し訳ない思いでいっぱい。

と、、、牛飼い以外には分からない話でごめんなさい。
牛飼いさん向けのネタはおしまいおしまい!


今日は顕微鏡の接眼レンズに無理やりデジカメくっつけて受精卵を撮影してみました。

これが「てるこ3」の受精卵。
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ピンボケだけど、とにかくひたすら綺麗だよね。
美しい。

これが牛になる。
自分も、目の前の娘も息子も、見たことないけど始まりはこんなだった。。。

僕は毎日毎日牛のルーメン(第1胃)の中を想像して、目の前の牛を見て、どうすればもっと良くなるだろうか考えている。
牛が生まれてから牛市に出すまでの9ヶ月間ずっと。
牛飼いを始めて10年間ずっと。

今まで僕は山ほど失敗して、でも少しづつだけど自分の目指す牛に近づいてきた。

今後も引き続き失敗を重ね、知識は増え、技術も重ねて、今以上に僕は良い牛を育てることができる。
かもしれない。

でも。。。
同じ9ヶ月間だけど、この、受精卵から子牛として生まれるまでの9ヶ月間。
この子宮の中での奇跡に比べたら、自分の牛飼いとしての力ってのはいかに微々たるものかってよくわかる。

自分のしている事は、牛の足をいかに引っ張らないか。
牛に贅沢させるのでなく、いかに牛に寄り添えるかなんだとよくわかる。

それが出来なければ僕は牛で飯が食えない。
最近そう思えて仕方ないのだ。

でもね、これが難しい。
寄り添うって言うのは、言うは易く行うは難しだ。

夫婦や親子であっても分からないことだってある。
ましてや牛だ。
わからん。永遠に分からんのかもしれん。

それでも牛飼いとして生きていくのだから、一生悩まなくてはいけない。

ほんと、贅沢な悩みだね。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-04-12 23:43
雑記
今日は消防団の出初式でした。
鬱になってここ2年、すっかり居留守番電話で気まずかったのですが、今年こそはと電話に出ました。
「大丈夫です。行けます。」と連絡を入れたものの、結局前日の夕方から情緒不安定になり、朝になって断りのメールを入れる始末。
35歳を前に、そんなもんです。

ただ、そんな自分であろうと、僕はやっぱり自分が好きです。
誰かと比べて秀でているとか劣っているとか、そんなことではなく、やっぱり自分が好きです。

ここのところずっと削蹄の日々でした。
当たり前ですが、僕はプロなので、そこらへんのただ削蹄ができる人よりは、自信を持って上手いです。
当たり前ですが、僕より上手い人もたくさんいて、その人はいつも僕の横で蹄切っているので、そんな事はいやでも分かります。
そして、当たり前ですが、去年入った新人は僕より下手です。

でも、この1年で彼は本当に上手くなりました。向上心を失わない限り、彼はもっとどんどん上手くなる。
僕が惰性で削蹄していたら、あっという間に追い抜かれると思っています。
今はまだ中学生の子でも、20年後には僕よりも上手くなる子なんて山ほどいるでしょう。
もちろん僕はそのころには55歳なので今のようには切れないでしょう。

優劣なんてそんなものです。
ほんとにつまらん。
結局は自分がどう生きたいか。それだけです。
だから苦しむし、足掻くのです。
少ない人生。関係ない人間のことなんてかまっていられない。

僕は削蹄に行く時、新人のY君の車に乗せてもらって集合場所まで1時間弱一緒に行きます。
でも、僕はほとんどしゃべりません。。。
Y君は気まずいと思います。
彼の事は10年以上前から知っていて弟のような存在。
本当は色々教えたい事もある。
でも良かれと思ってあれこれ教えても、何にも身につかないし、無理に世間話しても時間の無駄。

知りたい事があって初めて疑問が生まれ、質問する事で自分の頭に入り、実践して身につく。
僕はそうだった。
受け身でいる限りどんな成果を残そうが、続かないと思う。
(ただ、例外的にめっちゃくちゃ頭の回転の速い方はこちらの疑問点の答えのもう1個先の話からして誘導してくれますが。。。)

今僕は、改めて牛の事がわからない。
全然わからない。
ほんとに、みんなの方が牛の事知ってるんじゃないのと思う。

色んな人から生の話を聞くたびに、自分の小ささが分かる。
(雑誌は良いことしか書かないから基本的に信用してません)

日々勉強。
日々足掻く者。
そんな自分が好きだし、そんな自分を大切にしてくれる人が本当に大切だ。
エゴイスト。
だからこそ色んな話を聞き、それでも毎回最後は自分の牛と自分を信じて進みたいな。

このブログを皮切りに、またちょこっとずつブログを書いていければと思います。

今日みたいな日もあれば、こんな日もあります。
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放牧牛肉のお肉編も、ぼちぼち書きますので気長に待ってってくださいね。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-04-07 19:49
放牧牛肉(グラスフェッド・但馬牛) 「夢」 その4(屠畜&牛肉編①)
2012.11.22
夢を屠畜する日がやってきました。
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夢は終始怯えっぱなし。
同じ日に屠畜した「みつこ」は本当に最後の最後までトコトコとついてきてくれたんだけど、夢は頑として動かない。
どうしようもないのでウインチで引っ張り、屠畜する事になりました。
どこまでも、最後の最後まで夢らしかったです。
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ピストルで打って、放血すると、あとはもう肉の世界です。
頭を落とし、後脚にチェーンを掛け、つり下げ、解体用の台にお腹を上にして下ろします。
その後、皮をはいでいきます。
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皮を剥ぐ前に屠夫さんが胸を開けて見せてくれ、「放牧なのにええ脂が入ってるな~。」と言って下さいました。
確かに。。。こんなに脂が入っているとは思いもしませんでした。
10分前までは「夢」に気持ちが向いていたのに、気持ちはもう食べたくなっている。
おいしそうです。
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再度吊りあげて、内臓を取り出します。内臓は即洗い場へ。
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あれよあれよという間に枝肉になっていきます。
写真左側が夢、右は理想肥育の黒毛和種。
肉付きは明らかに違いますが骨格は負けてません。
あともう1年飼って、平坦な放牧場で栄養価の高い時期の草をしっかり食べさせ、9月初旬くらいに割れば、もっと肉付きが良かった気がしています。
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背中の皮下脂肪を拡大してみると、夢の脂はこんな感じで若干バター色で黄色がかっています。
正直な感想としてはもっと黄色いものだと思っていました。屠場の方も「思ったほど黄色くないな」って言っておられました。
脂が黄色いと見てくれが悪いので枝肉市場では安くなりますが、うちは小売りまでしているので関係ありません。
むしろ黄色い方が僕は好みです。
脂の黄色さで言えば、放牧敬産牛の方が黄色かったです。
年齢による蓄積もあるのかな?
とにかく美味しそう。
ちなみに黄色いのは青草の中に含まれるカロチンです。
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理想肥育だと脂肪の色はこんな感じ
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背割して、枝肉を半丸にします。
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モモ
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バラ
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手前が夢、枝肉にして294kgでした!!!
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ちなみに但馬牛の去勢を普通に肥育して枝で420kgくらい。
そういう意味では軽いともとれる。(比べるもんじゃないんだろけど。。。)
でも、完全なグラスフェッドの但馬牛で300kg弱の枝肉になるとは想像すらしませんでした。
僕の想像をはるかに超えてくれた牛でした。

夢が枝肉になるのと同時並行で、洗い場ではホルモンの荒洗いが行われています。
8:54に屠畜し、全ての工程が終わったのが10:04、時間にして1時間の出来事でした。

枝肉とホルモンを屠場の冷蔵庫に入れ、一旦家に帰って牛飼いです。
ホルモンはその日に家に持って帰って洗い直すのですが、BSEの検査があるためすぐには持って帰る事が出来ません。
16:00に再び屠場に行き、ホルモンをすべて持ち帰りました。

今回は「夢」「みつこ」2頭分のホルモン洗い&トリミングです。

最初は簡単なものから
タンです。
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皮を包丁で引っ張るように剥いて、ブロックにします。
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早速、ホルモン洗いを中断して試食。
ぶ厚く切った塩タン。
甘みと香ばしみがあって、ぶ厚いのに歯切れがいい!!
美味すぎ!!!!
ああ、でも売り物なのであんまし食べちゃいかんいかん。
と言いつつもう1枚。。。美味い。

レバーです。
肝臓廃棄とは無縁のプリプリのレバー。
負担がかかっていない飼い方なので元気そのものです。
ちなみに『放牧敬産牛』では肝臓廃棄が出たりします。
肝臓廃棄=穀物多給による負荷。と言い切るのは短絡的な発想で、
毎年お産を繰り返すことも、かなりの負担を強いているんだなと思ったりします。

グラスフェッドのお肉は香ばしみがあるのですが、内臓は青草の臭みが強くでる気がしています。
その中でも特にレバーは青臭いです。
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【タン、ツラミ、テール、アキレス】などの肉や筋の部分と、【ハツ(心臓)、レバー】という赤物は、胃や腸と違い構造がシンプルです。
また、消化物に触れていないので洗いやすいのです。
1つ1つを写真にとろうと思いましたが、ホルモンはスピード命なので撮っている暇がありませんでした。
全てを流水で洗った後、オゾン水で再度洗い、小分けに切り、真空パックして冷凍していきます。

簡単な部分が終わると、いよいよ難関の消化器官。
腸と胃袋です!!!

大腸は荒洗いの段階でこんな感じ。すでに開いてあります。
上側が内側、糞が通る部分です。黄土色の部分がぬめりで、汚れになります。
一方、まな板に面している方が大腸の外側。この部分に脂が巻いています。
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洗い場が狭いので、こうやってまな板を傾けて流水の中で包丁を使ってぬめりを落としていきます。
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綺麗になってきました。
大腸は分厚くて短いので、洗いやすい消化器官です。
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ぬめりナンバーワンのアカセン。
洗えども洗えどもヒダヒダの数が多くってとれません。。。
後で聞くと、「取れへん取れへん。ここはぬめりも楽しむとこやからサッと洗ったらいいんや」と言われました。。。
1時間くらい洗ったのに・・・
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以前も書きましたが、このホルモン洗いやトリミングの時は「夢」であることはほとんど意識していません。
ただひたすら鮮度を落とさないように、汚れをしっかりとるように、水気を切って適正に真空パックできるように。ただそれだけしか頭にはありません。

小腸です。
白い部分が外側の脂肪、黄土色にみえる部分が内側の部分です。
この小腸がとにかく長いのです。
そして薄い。
くねくねくねくねと曲線になっている小腸を脂肪がガチッと包んでいる感じ。
引っ張ると脂肪がブチブチと切れて、くねくねしていた腸がびよよ~ンと伸びてきます。
5cmくらい包丁で削ぐと裏面の脂に引っかかって腸壁がくるっとまわる。
また元に戻して5cm削ぐ。そしてまたくるっとまわっちゃうので元に戻して。。。。
やれどもやれども終わりません。
結構頑張っているのに、何故???
後で知ったのですが牛の小腸は40mくらいあるそうで、2頭分なので80m。
そりゃ4時間も5時間もかかります。。。
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綺麗になりました!!!
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ホルモンの処理をしている間は、あらかじめ冷凍庫でつくっておいた大量のバケツ氷を使って冷やしています。
何度も氷水を入れ変えながら。
そうしないと臭くなっちゃうから。

前回今回共にホルモンの処理にオゾン水殺菌を取り入れています。
オゾン水は殺菌・消臭・ぬめり除去の効果がある水です。
水道にオゾン水発生装置という機械を取り付ける事で、オゾン水を発生させる事が出来ます。
薬品を使った殺菌とは異なり、有機物にふれた瞬間に水(H₂O)に戻るという非常に優れたものなんだけど、機械が高いのが難点。(歯医者さんなんかでも取り入れられています。)
また、そうは言っても、やっぱり基本はスピードと流水によるぬめりの除去と温度管理だと思うのです。
その上にプラスアルファとしてオゾン水がある感じで処理しています。

次に向かうのは胃袋。
一番においのある消化器官です。
まず簡単なセンマイから向かいます。
センマイはなんか本のような感じ。ページを1枚1枚めくって洗っていきます。
汚れが付着しにくい場所なので、あっという間に終わります。
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次はハチノス
凸凹の中に付着する表皮を削っていきます。
ここまで取らなくてもいいんだろうけど、取り出すと止まりません。。。
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そして、前回「ひでふく」のホルモン処理で1番てこずった第1胃のミノ!!
絨毛と言って毛皮のようなヒダヒダがいっぱい生えています。
このヒダヒダから栄養を吸収すると同時に、草を分解してくれる微生物のすみかでもあります。
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ミノはこのヒダヒダの内皮と反対側の外皮を剥いでいきます。
しかし、これが難しい。
ミノの身が皮にベリベリっとくっついてきて、とても残念なことになります。
でも、今回は前回とは違います。
肉屋の店長に屠場で直接教えてもらいました。
ミノには剥く方向が色々あるらしく、「それぞれの繊維に沿って剥かないとバラバラになりますよ」と言われました。
はい。前回はバラバラになりました・・・
「外側外側の皮をむいて行くと、こんなふうに簡単に剥けるんすけどね。」とすいすい剥いていく店長。

結構簡単じゃないか??
ということで万全のシュミレーションのもと再挑戦したのでした。
すると、早い早い。
なんと1時間ほどで全て剥く事が出来ました!!!
ちなみにこのミノ、屠場のおじさんが「普通の倍近くあるわ!放牧しとるからかな?」と驚いていました。
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出来たホルモンの内訳です!!
・小腸5680g
・大腸4200g
・ハツ1866g
・レバー5568g
・タン870g
・アキレス698g
・テール1214g
・ツラミ1622g
・ミノ4800g
・センマイ3720g
・ハチノス782g
・アカセン1320g
・タチギモ
・肺
・食道

全てパックするのに2日徹夜しました・・・・


ホルモン全て真空パックしたのもつかの間、今度は枝肉のカットです。
これは僕にはとても無理なのでお肉屋さんにお願いします。
(なんと、カメラを忘れ、携帯での撮影となってしまいました・・・)
2011.11.23
脱骨の技術はいつ見ても凄いとしか言いようがないです。
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胴割をしてさっそく肉を見ます。
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右側
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左側
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立派にサシまで入ってるよ。。。

リブロース。素晴らしいです!!
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サーロインリブ側。いい感じ。
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サーロインランプ側。赤い!!(笑) これはこれであり。
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唯一の携帯電話も電池切れ、カメラを持たなかった事をこれほど後悔した日はありませんでした。。。

サーロイン、リブロース、ウチヒラは日本でのドライエージングの先駆者でもある静岡の「さの萬」さんに熟成をお願いしました。
早速骨つきで、さらしに巻いて(真空パックせずに)発送です。
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さの萬さんやドライエージングについては過去のブログで少し書かせていただいてます。
ドライエージング
ドライエージング試食会
さの萬さんに向かっています
さの萬レポート
ここらも再度、まとめようと思います。

先日佐野社長から「熟成が仕上がってきたのでカットする希望の日を教えてください」とご連絡いただきました。
そして1月24日。お肉が届いて全て試食しました~!!

以前放牧敬産牛でドライエージングをお願いした事があったのですが、発送前からその時以上の手ごたえを感じていました。
経産牛も上手かった。
今回は。。。。(牛肉編②でまとめて書きますね。)

この日はブロック肉の分割のみ。
まとめると、サーロイン、リブロース、ウチモモはさの萬さんに熟成委託。
ネック、トウガラシ(1本はゼミの先輩が買ってくれました。)、ヘレは自家用に持ち帰り。
ランプはやまけんさんが独自のルートでドライエージングして食べられるとのこと。
そして残りのお肉は後日、お肉屋さんに焼肉用、切落しなどに商品化していただく事になりました。

夢ブロック肉の内訳です。(右側・左側)
・ウデ(10.94kg 10.18kg)
・トウガラシ(1.48kg 1.54kg)
・クラシタ(10.12kg 10.30kg)
・マエバラ(9.32kg 9.80kg)
・サンカクバラ(3.02kg 2.20kg)
・外バラ(6.7kg 6.94kg)
・ササミ(1.44kg 1.34kg)
・ナカバラ(3.80kg 4.08kg)
・カイノミ(1.66kg 1.54kg)
・ヘレ(3.1kg 3.06kg)
・リブロース(8.18kg 8.88kg)〈骨付き〉
・サーロイン(8.02kg 7.80kg)〈骨付き〉
・ウチヒラ(8.88kg 8.78kg)
・マル(7.54kg 7.34kg)
・ラム(6.96kg 7.16kg)
・外平(6.74kg 6.88kg)
・スネ(7.18kg 7.18kg)
・ネック(4.28kg 4.24kg)
・ショートリブ(1.78kg 1.80kg)
・サガリ(2.6kg)
・小肉(2.36kg)

立派です!!

しかし、ここで問題が発生しました。
お肉屋さんにカット委託していた夢のお肉が分からなくなってしまったのです。
お肉屋さんには夢、みつこ、ひでふくの各ブロックが真空パックで保管されています。
それを、
・焼肉用に取れる部分は焼肉に。
・それ以外は切落しに。
・切落しでも小さい所はミンチに。
・500gの真空パックで。
・1頭1頭混ざらないように分けて。
そういった形で委託しています。

しかし、今回「ひでふく」「みつこ」「夢」のお肉が混ざってしまう事態に。
理由は(肉屋さんが)忙しかったから・・・
焼肉用に使える3頭の部位を一気に集めて商品をつくる。
残った部分でまとめて切落しをつくる。

そういったやっつけ仕事的な作業で焼肉用、切落し、ミンチ共に「夢・みつこ・ひでふく」が一緒に商品化になり、夢単体で(みつこ、ひでふくも同様に)の焼肉、切落しの販売が困難な状態になりました。
楽しみにしていただいた方に本当に申し訳ない思いでいっぱいです。

ただ、夢だけは枝肉重量が300kg近くあり、みつこ・ひでふくと言った敬産牛ではとれなかった「すき焼き用」を少しだけ取る事が出来ました。
そのため、「すき焼き用」だけはみつこ・ひでふくと一緒のパックで無く、夢単体の味を味わっていただける事になります。
すき焼き用も「赤身」と「サシの入った肉」の2種類があり、それぞれ味が異なります。
個人的には草から作られたサシが入った方が脂の甘みも楽しめて美味しいと感じました。
あ、でもでも赤身も美味しいですよ~。
HP(http://tanatiku.com)での販売を開始しましたので、よければ食べてくださいね。

また、ドライエージングして頂いたサーロイン、リブロース、ウチヒラ。
これらもパートナーの皆様に送ったのちで、かなり限定になりますが販売をさせていただきます。
楽しみにしていてください!!!

そしてどうしても言いたい事。
ひでふく、みつこも良い牛で、いい肉なんです!!
経産牛には経産の良さがあります。夢には夢の良さがあります。
夢&みつこ&ひでふくの焼肉、切落し、ミンチも美味しく召し上がっていただければ嬉しいです。

という事で次回は放牧牛肉シリーズ最後「牛肉編②」です。
お楽しみに~!!
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Top▲ | by beefcattle | 2013-01-13 11:57
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