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放牧牛肉(グラスフェッド・但馬牛) 「夢」 その3(成長編)
51か月にかけて育ってきた「夢」
全ての成長を写真で振り返るには多すぎます。
しかし!やっぱり伝えたいところは伝えたい。
この「その3」では厳選した写真を中心に、生後1日齢から51カ月齢までの夢の成長をひたすら追っていこうと思います。
(いっぱい写真あるけどついてきて下さいね。)

2008.8.7(生後1日齢)ただひたすら可愛い夢です。
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08.8.11(5日齢)幼さいっぱい!!
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08.8.13(7日齢)周りに興味が出てきて、お母さんから離れるて走る事も。。
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08.8.15(9日齢)足、早いっ!!!
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08.8.16(10日齢)親子の愛を感じます。
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08.9.5(30日齢)目の周りが黒くなってきました
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08.9.14(39日齢)中国雑技団のパンダみたい。。。
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08.9.30(55日齢)
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08.10.3(58日齢)目の周りの黒さがぼやけてきました。
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08.10.15(70日齢)毛がすっかり黒くなりました。
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08.10.28(83日齢)凛としてきたな~。
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08.11.13(99日齢)真っ黒になったね~。
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放牧場も草が少なくなってきて、間伐をした木の葉を食べています。
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08.11.19(105日齢)11月だと油断していたら雪が降っちゃいました。慌てて下山の準備です。
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このころの夢はすっかり野生化しており、スピードもものすごく早く、鼻木もしていないので、どうやって捕まえたらいいのか、正直困り果てていました。
しかし、雪で草が見えなくなり、よっぽどお腹がすいたのか、りんこの乳を夢中で飲みだした夢。
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チャ~ンス!!!と、そーっと死角である真後ろから近づき、下顎をガシッッ!!っと掴むことに成功しました。
子牛の時にしか使えない荒技です。。。
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その後、モクシ(ロープ)で子牛を捕まえなおし、
「家畜車の扉下ろすからちょっとだけロープもっといて~。」と妊娠8カ月の妻にロープを預けました。
20秒後、後ろを向くと、お腹の大きい嫁さんが雪の上に横たわって倒れている!!!
「あつみっ!!!」と走りかけると、手にはしっかりとロープが。
夢を放すまいと引きずられていたようでした。。。。

初めての妊娠で、しかもお腹が大きくなっていたので、もう夢捕獲どころではありません。
今でこそ笑い話なんだけど、本当に真っ青になった瞬間でした。
嫁さん曰く、「ここで逃がしたら、もう駄目だと思って。。。。」って
いやいやいやいや。。。ロープを渡した僕も僕だけど、とにかく元気すぎるあつみと夢だったのでした。

牧場から下山すると冬です。
夢のパートナーの方々にアルバムの制作をしました。(まだ未完です)
表紙には一人一人の似顔絵と夢の絵を妻が書きました。
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ちなみに2008~2009年の牛舎では稲のホールクロップサイレージのみ給与。
2月にはもう1頭の放牧牛「元気」が誕生しました。

年は変わり2009.5.9(生後9カ月齢)
春が訪れ、放牧の時期となりました。
夢も子供から青年になりました。
まずは温かくなったのでシャンプー!
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シャンプーの次は削蹄。
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そして鼻木を入れました。(もうこれしないと捕まえらんないもん。。。)
鹿の角で穴を開けます。穴が奥過ぎると牛が神経質に、手前すぎると鼻での制御がききません。
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2009.9.14(生後13カ月)何故かこの年は写真3枚だけ・・・何故??どこに行ったの???
角が風雨にさらされボロボロとふやけています。
この過程を経て艶のある角に生まれ変わります。(生え変わりはしません。)
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2009年の放牧ツアーでは牛と触れ合うというとのんびりした体験だけではなく、夢の捕獲に挑戦しました。
放牧場で生まれ野生児のような夢はいつも牛舎で一緒にいる親牛とは親密度が違います。
万全を期して大人の男性7人がかりで囲み、追い込み、捕まえようとしました。
しかし、そんな大人をあざ笑うかのように、夢は想像を超えた身体能力を備えていました。
全く捕まりません。さすが牛です!!
アフリカではチーターが取り逃がすこともあるんですから、やっぱり牛ってすごく早いです!!
結局ツアーで夢を捕獲することはできませんでした。。。

そして2009.10.24

牛のプロ達による夢捕獲作戦決行。
まず夢を目的の場所まで誘導しようとしますが、上手に違う牛の陰に入り、プレッシャーから逃れます。


青いトラックの方に誘導しようとプレッシャーをかけますが、早すぎてつっ切られてしまいます。


ようやく目的の場所に追い込めました。映像には映らないくらいの遠くの間合いから、3人の人間が逃がさないようにプレッシャーをかけているのです。
あとはこのまま緊張感を保ったまま各々の間隔を縮めていきます。


しかし、夢の方が上手でした。。。


結局、夢が疲れるまで(2時間以上)ひたすら走って追いかけるという地味で根気のいる作戦に変更。
ようやく捕獲することができましました。



2010.2.23(18カ月齢) 今年も稲ホールクロップサイレージ給与。
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2010.3.7(19カ月齢) 横にいるのがもう1頭の放牧牛「元気」です。
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2010.4.19(20カ月齢) 
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2010.5.22(21カ月齢)3年目の放牧スタート!!!
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2010.8.22(24カ月齢)2年前のこの月に夢は生まれました。大きくなったな~。
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2010.12.4(28カ月齢)
普通ならこのくらいの月齢で出荷してもおかしくない月齢。
ここからさらに2年、夢を飼う。
先日の近畿マッチングフォーラムで聞いた話では、グラスフェッドの場合、通常肥育牛よりは小さいのは当然なのだがは体重に関しては通常の飼育法よりも「あとから大きくなる」傾向があるとのこと。
この時はそんな事知らなかったけど、今になってみると納得する。
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この年は夢の鼻木が取れてしまい、昨年同様ひたすら夢が疲れるまで走って走って捕まえる方法で捕獲。
やっぱり2時間くらい走る事になりました。
ようやく夢が歩き、捕まえ、ロープをかけ、牛飼いの後輩にロープを持たすと・・・・
なんと、後輩君が角で持ち上げられていました!!!
危険です!!!慌てて鼻木を入れ連れて帰ったころには、すっかり日も暮れていました。

2011.7.20(35カ月齢) 
フレームが大きくなったというよりは環境に完璧に適応して肉を付けてきた気がします。
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2011.9.13(37カ月齢)
それでもまだまだ「肉牛」って感じではない。
37か月と言えば肥育期間の一番長い黒毛和種でも仕上がりきった月齢になります。
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2011.9.24(37カ月齢)
横から見れば出荷前の夢と変わらない。フレームはもうほぼ出来あがった月齢。
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この冬はチモシーの不断給飼。

2012.4.29(44カ月齢)
家の中から夢と元気が見える。放牧前の準備運動にパドックに出して飼育。
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2012.5.1(45カ月齢) いよいよ最後の放牧。5年目です。はしゃぐ夢と元気&咲。
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ケンカもする。
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そして、2012年最初の青草を食む夢。
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2012.6.25~29(46カ月齢)
森の中の夢
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青草で腹パンパンです。思ったほど肉はまだついていません。
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ここから9月半ばくらいまでが肉付きのピークで、草の栄養が落ちてくる秋にかけて締まってきます。
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2012.8.6(48カ月齢)夢4歳の誕生日!!プレゼントは一口も食べませんでした・・・・
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2012.8.18(48か月齢)去勢と言っても仕事はします。ちゃんと発情の牛を発見しました。。。
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2012.11.21(51か月齢)
この日が夢の最後の放牧日。
10月からメインの大照放牧場の草が無くなったため、夢を鍛冶屋の耕作放棄地の放牧場に移動しました。

2008年8月から51ヶ月飼わせてもらったけど、やっぱり夢は最後まで一定の距離を崩さないんだよね。
触らせない。
そこらへんが夢っぽいっていうか、なんとも言えない。
それでも最後は1mくらいまでなら近づかせてくれた。
そんな所もなんとも言えないな。
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正直、夢という牛をここまで飼うとは思ってもいませんでしいた。
最初は牛舎で産ませて、雌だった場合に放牧牛に設定して、3産くらい産ませてから肉にしようと思っていました。
その方が現実的だし。
去勢51か月なんて非効率この上ない。

でも、この夢からいっぱい教えてもらった。
3か月までの初期発育の重要性、スターターの大切さ、プロピオン酸によるルーメンの絨毛の発達などなど。
そんな牛飼いの常識は8か月齢で牛市に出した時に高く売るための常識である事を知った。
但馬牛であろうがほっといたってそれなりのフレームまでは大きくなる。
青草と乳だけで体高はできる。
ただ、時間がかかる。
そして個体差がある。
そんだけ。

あとはそこで利益を出せるだけの価値を生み出せるかだ。
生み出せれば続けてやればいい。
出来なければ力不足なだけ。

色々あったけど、今はただただ夢と支えてくれたパートナーの皆様にありがとうと思う気持ちでいっぱいです。

こいつは本当に本当に本当に凄い牛です。
畜主として誇りに思っています。



ありがとう。夢。

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長くなりましたが、いよいよ次は夢の屠畜~お肉編です。
書きいれない事がいっぱいあって書けずにいたけど、写真とともに色んな思いや年月を感じていただければ嬉しいです。

その4へ続く
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Top▲ | by beefcattle | 2013-01-07 18:32
放牧牛肉(グラスフェッド・但馬牛) 「夢」 その2(誕生編)
2008年2008年8月6日

6:09 夢は寝たまま。まだ立ち上がりません。。。
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と思っていた矢先、フラフラしながら立とうとしている!
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6:10 夢が立ちました~!!!!
決定的瞬間に間に合いました~。
まだ足がプルプルしてます!!!!!
何度もお産は見てきましたが、何故か今回のお産は特に感動。
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6:26 初乳を飲みました。命が凝縮されているような瞬間に感じました。
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こけては飲み、こけては飲み
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生まれた夢はめちゃくちゃか細い。でもしっかり立とうとします。
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そして、りんこの後を一生懸命追います。
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りんこも夢に合わせて歩きます。
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15:45 生まれてから約半日。
このころになると体も乾き、もうすっかり走るようになっていました。
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(その3に続く)
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Top▲ | by beefcattle | 2013-01-07 17:57
放牧牛肉(グラスフェッド・但馬牛) 「夢」 その1
2008年8月6日は夢がうまれた日です。

【但馬牛を草だけでお肉にする。】

但馬牛という黒毛和種の中でも特別小さく、和牛の世界でも特殊な「品種」を、完全に草だけでお肉にする。
過去をさかのぼっても、世界中探しても絶対にここにしかありえない取り組みでした。
それは逆にいえば、それだけ無茶な発想で、色んな方から心配されたり馬鹿にされたり、「なんで但馬牛なんだ!」「どうしてもやりたいなら違う牛でしたらいい」そんなことをばかり言われてきました。
たとえ100,000人牛飼いがいても、こんなことを行う人なんて一人もいない。
放牧での牛肉生産を研究する農業試験場ですら「和牛の完全なグラスフェッドはあまりにも否現実的」と取り組まなかった。まして但馬牛なんて論外中の論外。
素人の道楽ならまだしも、業界内では「革新的」ですらなく、「異常」な取り組みでした。
それでも、自分は但馬牛以外の牛を飼う気にはなれませんでした。
だって但馬牛の繁殖農家だから。
でも正直、上手くいくとは思ってはいませんでした。
それでもどうしても確かめたかったのです。探りたかったんです。
草食動物である牛の可能性を。但馬牛のポテンシャルを。日本の食の方向性を。

どうせなら牛が生まれたところから知ってもらいたい。
それらを全部含めて食べてもらいたい。
そう思い「放牧牛パートナー制度」と言う事業を立ち上げました。
毎年15,000円の会費を払っていただき、夢の成長記録を送り、年1回1泊2日の夢に会うツアーにご招待する。
15,000円は毎年のツアー代のほか、放牧敬産牛肉1㎏をお届けするお肉代として頂戴した。

だからパートナー制度は利益を出す事業ではなく、思いに共感して下さったお客様と一緒に「夢」という牛を見続けるという事が目的。
このパートナーの方々がいたから51カ月齢もの間、納得いくところまで夢を飼う事が出来た。

ホルスタインの肥育で24カ月齢、和牛で30カ月齢、松阪牛なんかになると40カ月齢近くまで飼う事もある。
去勢で51か月なんてそれだけでも超高コスト。
だけど、一番いい肉って思える時に出したかった。牛の体型、発育曲線、時期、月齢、それに加えて今まで放牧敬産牛肉で見てきたお肉具合から51カ月もかかってしまった。

2012年11月22日。
夢を屠畜した。



夢という牛の事を、少しでも知ってもらいたくって、夢の事を書こうと思います。
(日にちと時間は写真を撮った時のものです。)

4年前の2008年8月5日13時46分
夢が生まれる前日。夢のお母さん「りんこ」
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お産前日でしたが、この時間帯ではまだまだのほほんとしてお産の気配はありませんでした。
りんこは大柄な牛で、結構きかん坊なお母さん。
まだまだ産歴も浅く、血気盛んな年ごろでした。。。

「本当にここでお産できるんだろうか・・・?」

普通は牛舎で産ませるのが当然。
山の中でのお産は僕にとっても初めてで、不安でいっぱいでした。

13:45
陣痛が少しづつ来たのか、しっぽを振ったりお腹を気にしたりしています。
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僕ら畜産農家がお産のタイミングを予測するのがこの陣痛です。
陣痛が進むにつれ、そわそわしたり、しっぽを激しく降ったり、後脚でお腹を蹴ろうとしたりするのです。
こんなサインが出たら半日もせずに生まれます。


実はもう一つお産のサインって言うのがあるんです。
それは骨盤の落ち方と、乳の出具合なんです。
お産が近づくにつれ骨盤靭帯が緩み、骨盤がひらがってきます。
こんなふうに尻尾の付け根がぽこっと凹んでくるんです。
また、乳も最初は透明で粘っこい水飴のようなものなのがトロ~っと出てくるのですが、お産直前には牛乳がビューっとでます。
この凹みの深さと乳の状態で分娩まであと何時間と推測しているのです。
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「もう生まれるな。。。生まれる瞬間まで放牧場にいよう」
そう決めました。

18時43分
りんこは僕の予想に反して、なかなか産もうとしません。
「もう日が暮れちゃうよ・・・」
山の夜はなんとも形容しがたく、怖いんです。
何かが『じっと見ている』気になります。
森の中だと月明かりも届かず地形も見えないので危ないのです。
「帰ろうかな。。でも、今日中には生むだろうしな。。。」
僕にとって山の中で子牛を産ますなんて初めての事で、とてもほってなんておけません。
りんこは見晴らしの良い草地から徐々に森の方へ移動します。。。
しかし、きょとんとして全然産む気配がありません。
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焦る気持ちと裏腹に日は暮れてきます。
19時22分
山頂の放牧場からも太陽が見えなくなってきました。
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しかも!こんな時に限って夫婦喧嘩をして、帰らざるを得ない状況に!!!(ここ重要!!)
「ここまで待って、いまさら帰れるかい!!!」
「で、でも怒ってるし、帰った方がいいかな・・・」
「早く産んで~!!!」
「こわいよ~」
「まだかよっ!!」
暗くなるのにあわせ、僕の心はいっぱいいっぱいになってきました。。。。。。。。
(僕が焦ってもしかたないのにねぇ)

20:22
日もすっかり暮れ、りんこの動きが活発になってきました。
明らかにそわそわし、お腹を蹴ったりと陣痛が来ています!!
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20:40
尻尾をあげ、しきりに振っています。
糞も軟らかくなってきました。
子宮から産道(膣内)に子牛が出てくる時は直腸が圧迫され、糞が下痢気味になります。
こうなるともう30分~1時間以内に子牛は出てきます。
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20:50
りんこが座りました。
いよいよです!
お産は基本的に座って行います。
座っていきんでは立ち、ウロウロして陣痛に耐え、また座っていきんでの繰り返しです。
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20:53
りんこが立ち上がり突然森の方へ早足で歩きだしました!!
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「ど、どこにいくんだ~!!」
僕は追いかけました。
しかし、追えば追うほどりんこはスピードを上げ森の奥に入っていきます。
普通、牛は群れで行動するので単独でどこかに行ったりしません。
しかも夜中に・・・
焦りました。
森の中は月明かりもなく真っ暗。
木も草も多い茂るので数メートル先も見えません。
「ガサガサ」という音を頼りに当てずっぽうで森を走りました。
やがてその音も聞こえなくなり、僕は夜の森の中で一人に。。。。
完全にりんこを見失ってしまいました。
もう見つけるのは不可能でした。
30分ほど探しましたが、危険すぎるので仕方なく放牧場を後にして家に帰りました。。。。。。。。。
もう、気が気でなかったです。

2008年8月6日6:09
僕は不安いっぱいで山に上がりました。
放牧場の広々とした草地に牛たちはいました。
でも、りんこだけがいません。。。
僕は再び森に入って行きました。
そこにりんこがいました。
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「いた!!!!」
「子牛は?子牛は?子牛は?いない???どこに?どこに?いない?」
バクバク心臓がなっていました。
よ~く見るとりんこの足元に黒い影が。。。
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「い・いた・・・」
バクバクが止まりません。
山の中で産ませるなんて初めての事。
「死んで、いるんじゃ、ないの。。。?」
最悪のイメージが頭を駆け巡ります。
飛び出そうな心臓を抑えながら僕はりんこのもとにむかいました。

(その2へつづく)
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Top▲ | by beefcattle | 2013-01-03 22:33
2012年の振り返り 9月~12月
さあ、いよいよ2012年の振り返りも最後です!!

9月

・放牧ツアー・ラスト夢
子牛が生まれてからパートナーの方と一緒に牛の成長を見守り、最後はお肉として届ける「放牧牛パートナー制度」。毎年、実際にパートナーになった牛に会うツアーを1泊2日で行ってきました。
今年は「夢」がお肉になる年です。夢のパートナーの方には最後のツアーとなりました。
ブログにまとめてありますので是非ご覧ください。
放牧ツアー2012
本当にこのパートナーの皆さんがいなければ放牧牛肉は生産できませんでした。
4年にわたるゆるぎない応援がずっと支えてくれました。
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・森の中でヒキガエルの幼生に出会いました。村岡ではあんまし見ないのでちょっと興奮。
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・稲木がけのワラをいっぱいいただく事が出来ました。天気仕事なので但馬じゅうを走りました。
ワラは年々手に入りにくくなっているので本当にありがたいのです。
ようやく今年のお肉が出来たので早くお礼に持っていきたいな。
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・夫婦で神戸旅行してきました!!
牛飼いをしていると夫婦で旅行なんてなかなかいけません。
今年は結婚5周年だったので父と母に土日休みを取ってもらい、外に出る事が出来ました。
まず午前中は来年度の放牧事業の打ち合わせ、そして小代区新屋でワラとりの段取り。
全てを済ませていざ神戸へ!!
嫁さんの買い物に付き合い、神戸市立博物館のマウリッツハイス美術館展へ絵を見に行きました。
2人とも絵が好きなので時間がある時は美術館とか行くんです。
今回は僕の一番好きなフェルメールの中でも一番好きな「真珠の耳飾りの少女」を始め「ディアナとニンフたち」やレンブラントの「スザンナ」や自画像など豪華顔ぶれ。フェルメールほんと最高。日本でこの絵に会えるなんて思わなかった。
しかも神戸に着いた日が公開初日で人はガラガラ。。。絵は見放題。。。
僕は風景画、妻は風俗画が好きなのでそれぞれ別々に見たい絵をたっぷり見る事が出来ました。
あまりに良かったので、2日目もまた行ってしまいました。。。
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美術館のあとは国際会館で平原綾香さんのコンサート。
今回の神戸旅行の目的です。
以前、「おひさま」っていう歌をあつみが借りたいって言って車の中で聞きながら帰った事があったんだけど、ほんとに心に響く歌で、横で聞いてたあつみも泣いてて僕も泣いちゃって、絶対夫婦で聞きに行こう!!って計画していたのです。
そして、実際にコンサートに行って感じたこと。
それは、「ああ、みんな一緒なんだな」って思いでした。
もちろん歌が素晴らしいのは言うまでもないのですが、それ以上に同年代の女の子が自分の世界で一生懸命生きている姿は僕らが牛飼いしているのと同じで、「スター」っていう名前の人はいないなって改めて思えたのでした。
どれだけ有名でも、無名でも、積み重ねてきたものが出る。それだけのことなんだなと。
どれだけ打ちこめるか、とても勇気をもらえました。
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コンサートが終わると電車に乗って御影にあるフランス料理MOMOKAさんでディナー。
うちの牛が食べられる唯一のレストランです。
シェフの三村さんがとてもストレートな方で話をしていてとても楽しいんです。
でも、食べに行くのは初めて。我が家の「ふくさと」がどんなお肉になるかすごく楽しみにしていました。
写真の料理が「ふくさと」。どちらも料理名を忘れてしまいました。。。
だけど間違いなく美味しい!!しっかりふくさとの味も残っていて、嬉しくなりました。
なんか自分とこのお肉を使っていただいているお店の紹介ってやらせみたいな感じだけど、味も量もタイミングも雰囲気も本当に大満足なお店でした。
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気がつけば11時半。時間の経つのを全く感じさせないお店です。
そしてホテルオークラで1泊。
翌日もフェルメールに会いに行って、買い物をし、ステーキハウスで12,000円(1人前)の神戸ビーフを食べてきました。
しかし、正直「確かに柔らかいけど。。。」ってなくらいの感じで、値段ほどの価値を感じられず。。。
僕らは神戸ビーフの素牛を育てていて、神戸ビーフが高値で売れるならそれはそれでありがたいんだけど、これでいいのかと改めて思ってしまいました。
でも、ブランド名だけで価値を感じる人はいっぱいいるんだろうな~。
名前も価値には間違いないんだけどね。
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旅行の締めは、やっぱりチーズ屋さん!!但馬にはないんですよね~。チーズ大好物なんです!!!
素敵な結婚記念旅行になりました。
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帰ってきたらさっそく咲がお出迎え。やっぱり家が一番好きです。
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10月

・美方和牛会の視察に行ってきました。
美方郡には若い牛飼いの青年部があります。一昨年くらいまでは会長をしたり、結構あれやろうこれやろうって発言してきたのですが、去年からの鬱ですっかり疎遠になっていました。
今回、調子が良くなってきた事や妻も一緒に行くってことで参加する事にしました。
和田山にある北部農業技術センター。ここにいる但馬牛の雄を見てきました。
丸富土井とあつみ
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菊西土井は足を痛めてて立たず。。。残念。
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うちの「ともこ」の全兄弟の富亀土井。活躍してよ~。
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芳悠土井が見たかったのですが、中央農試にいるようで会えませんでした。
ほんとに久々に雄見に行ったけど、たまには間近で見ておかなきゃいけないなと感じました。

・神戸の西部市場に枝肉共励会を見に行ってきました。
篠山の木村さんが我が家の「ひさふく」の子を出品していました。
A5-7。立派な神戸ビーフです。枝は熟成肉で有名な京都の中勢以さんが購買されました。
(後日、中勢以さんからひさふくの子のすき焼きと焼肉を買い戻しました。中勢以さんのこともまたブログで書きますね。)
写真はあつみと木村さん。枝肉の説明を受けています。
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・家族みんなで皮から餃子をつくりました。肉まんみたいに。。。
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・秋と言えば外せないのがナメコ採り。今年は親父と一緒に山に入りました。
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・咲は歯磨きが大好きな子になってくれました。ちっちゃい頃からずっと歯磨きは遊びだったので。
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・僕の心の中にあった曇をはらってくれた木。この木は夢の生まれた場所に生えていました。
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・ブログは6記事
放牧牛肉に向けた取り組み その1
放牧牛肉に向けた取り組み その2
放牧牛肉に向けた取り組み その3
放牧牛肉に向けた取り組み その4
放牧牛肉に向けた取り組み ちょっと番外編
放牧牛肉に向けた取り組み その5(ブロック肉販売について)
かなり気持ちをこめて書きました!!「その1~番外編」まで、ぜひ一度読んでいただければと思います。
田中畜産の思考と行動の積み重ねの現在の到着点です。


11月

・1日にひでふく、23日に夢とみつこを屠畜してきました。
もう、全ての牛に感謝しかないです。
放牧牛肉に向けた取り組み ひでふく屠畜
放牧牛肉に向けた取り組み みつこ
ブログにそれぞれの牛の事を書きました。読んでいただけると嬉しいです。
【夢】についてはこの『2012年の振り返りの記事』を書き終わってからしっかり書こうと思っています。
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・香美町商工会で1時間の講演をさせていただきました。
講演や発表はもうお断りするようにしていたのですが、地元の同年代の頑張っている人たちとの出会いを深めたくって、こっそりと行ってきました。
みなさんとても真剣に聞いて下さり、仕込んでいた笑うネタが全てが滑りました。。。。
毎度毎度時間オーバーで、はしょりながらの講演ですが、行って良かったです。

・近畿マッチングフォーラムで放牧牛肉の事例発表をしてきました。
京都で行われた農林水産省主催のフォーラムで放牧牛肉の販売面からのお話をさせていただきました。
これが最後の発表にしようと決めていたので、言いたい事思いっきり話してきました。
「牛肉販売するにあたってのお肉の付加価値って?」そんな話です。
講演の原稿をそのままブログに載せていますので読んでいただければありがたいです。
『放牧牛肉に向けた取り組み お肉の差別化について(近畿マッチングフォーラム)』

・咲、美容院デビューでした。
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12月

・22日に3人目の子供が生まれました!!田中晃生(こうせい)。男の子です。
『放牧牛肉に向けた取り組み その1~番外編』にも書いたのですが、命、生きるってこと自体の壮大さや素晴らしさにふれ、どうしても【生】と言う字を名前に付けたいと言う思いがありました。
【晃】と言う字は光を周りに分け与えるという意味があって、どんな人生を歩んでもいいから、生きているだけで価値がある。
特別な事をしなくても、生きている事で自分に周りにたくさんの光(愛)を届けているんだよ。
だからこそ素敵な人生をおくってほしい、生ききってほしい。晃生が生まれた事をただただ祝福したい。
そんな思いで名前を付けました。結構決めるまで時間がかかりました。。。
咲と優土の時は立ち会い出産だったので様子がわかったのですが、今回の病院は立ち会いが出来なくって分娩室の前でずっと待ちました。立ち会う以上に緊張して、祈ってしまいました。
今までで一番感動した産声でした。
写真は生まれて5日目の退院時です。一馬遺伝子をしっかり受け継いでします!!
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・28日、ようやく「ひでふく」「夢」「みつこ」のお肉のカットが終わったという連絡を受けました。
12月はお肉屋さんが忙しいという事もあって11月出荷をしたのですが、こんなにも遅くなってしまいました。。。(予定では11月半ばに納品と言う話だったのですが、無理を言っていおると言う思いもありただ待つ日々でした。)
それでもようやく「ひでふく」「夢」「みつこ」のお肉を届けられる。そう思って委託していたお肉屋さんに行くと。。。。
なんと焼き肉、切り落とし共にみつこ、ひでふく、夢の肉がミックスされて、それぞれがどの牛のお肉かわからない商品になっちゃっていました。
最悪の気分です。
「牛1頭1頭分けてくれって頼んでいるがな!!個体識別番号もお肉にはらなあかんのに。」
というと
「聞いてないです。焼き肉は3頭の番号を貼ったらいいんだし、切り落としは個体識別番号は貼らなくても良いはずです。」
そんな問題じゃない・・・・・・・・・・・・・・うちのコンセプトもなんもあったもんじゃない。
こんな事がないように何度も何度も念押しして、紙にも詳しく書いてお願いしていたのに。
個体識別の管理は紙に書くとかお願いする以前の問題だと思う。
何より4年以上かけて取り組んだ夢のお肉。。。
結末は、あっけないものでした。。。
「お前らあほにしとんかい!!」 って怒鳴りつけようと思ったけど、もう言ったってどうしょうもない。
うちの放牧牛肉には変わりないけど、表示から何から全く変わってきてしまいます。
夢として販売できないため単価も明らかに変わり、赤字は確実。
あまりに有り得ない出来事に吐きそうになりました。
4年の積み重ねが。。。
HPも現在修正中で発送も遅れてしまっています。
予約いただいたお客様には本当に申し訳ない思いでいっぱいです。
ちなみに原因は店内部の連絡の不徹底さと意識の低さで、店内部の問題だと担当者から謝罪を受けました。
担当者もびっくりしてました。。
まさかって。。。
ここらの問題については店への批判と言うことではなく、課題や壁というテーマで後日書こうと思っています。
お客さまからは「同じ命ですから。変わらず楽しみにしています」と言っていただく事が多いのですが、
それでも、ただただ悔しい思いでいっぱいです。
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・今回の納品でお肉が冷凍庫に入らなくなったので、急遽神戸市御影のレストランMOMOKAさんにブロック肉の配送にいきました。
三村シェフとの話はいつも楽しい。
帰り道、高速を下りて三田に寄った。三田は僕が高校まで住んでいた家があります。
車を下りて歩いてみた。なぜか小さい頃の記憶がうかぶ。
今、家は売っちゃってよその家になっている。
こんなにちっちゃい団地だったんだな。。。
北海道の大学へ行き、卒業後は村岡の森脇畜産で2年間の住み込み実習。
誰もが絶対不可能だって言った畜産業への新規参入。
気がつけば自分の牧場をもって10年がたつ。
想像すらしていなかった。
毎年毎年失敗9割。
今年は倒産すら浮かんだ。
今だってカツカツもいいとこだ。
それでも毎年毎年予想を超えたステージに立たせていただいている。
両親と妹はこっちに来て近所に家を買って住んでいる。
妻と3人の子供。
地元、全国にいる上っ面じゃない仲間。
お肉屋さん、削蹄業、50頭の牛達。
何一つ想像すらしていなかった。
日々本当に予想の延長線とは違った方向に飛び超えている。
2012年も後悔無しの最悪で最高の1年だった。
変わらず、命ある限り、生き続けよう。
何があっても生きることを続けていこう。

2013年も皆様にとって最高の一年でありますよう。
よろしくお願いいたします!!!

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Top▲ | by beefcattle | 2013-01-01 22:26
2012年の振り返り 5月~8月
あけましておめでとうございます。
2013年になりました。
気持ちを新たに、2012年を振り返ります!!(笑)

5月

・削蹄開始
昨年11月から半年近くお休みをいただいていましたが、少しずつ削蹄も始める事が出来ました。
一昨年親方が亡くなってからずっと兄弟子との3人でまわっていましたが、この春から兄弟子が弟子を取り、新人が入ってきました。
削蹄での最後の1頭の最後の脚だけは新人の練習用です。
ひーひー言って脚上げる新人君を、みんながにこにこ(にやにや)しながら見守ります。(もちろん仕上げはちゃんとします。) 優しいおじさん達に囲まれ幸せ者だね~。頑張れ!!
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半年のブランクで本当に大丈夫か不安でしたが、体は忘れていませんでした。
一つ一つ地道に身につけた技術は体に残っているものなんだなって、嬉しかったです。
同時に運の要素が大きい派手な業績よりも、いつまでも体に残る基本の積み重ねの大事さ、その延長線上にあるのが業績である。それを目指したいと思いました。
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・田舎者なのでコープさんの本屋でも十分レジャーなのです
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・今年は5月1日から放牧スタート。今までで一番早い放牧でした。
1日に大照放牧場に放牧した後、すぐに鍛冶屋の放牧場の整備に取り掛かりました。
削蹄がぼちぼちスタートだったので、間を見てひたすら放牧場の整備の日々。
チェーンソー、刈払機での雑木の伐採などなど、牛飼いと言うか森林組合の人になってました。
11月にお肉になった夢も早速草に夢中でした。
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ブログ記事は5件(各タイトルをクリックするとページに飛びます)
大照放牧場

おまつちゃんと特産松坂牛
お知らせです
いい感じです
この時期は雪も溶け、放牧場の準備や削蹄と言った仕事に追われる一方、放牧場の確保のための交渉を水面下でしたり、資金繰りや計画の見直しといった再建に向けて動きだした月だったと思います。

・フェイスブックに咲の動画を乗せたりして。。。相変わらず子供溺愛の生活。。。





6月

・34歳になりました。あっという間。と、同時に3人目の妊娠が発覚。
この時期は僕が動けるようになってきた半面、あつみが今までの反動でずっと寝込んで動けなくなってしまっていて、自分の中で無理やりテンション上げて家事と仕事に奮闘していた時期でした。
色んな出来事が一気に重なり、誰もが精神的にもいっぱいいっぱいで、3人目の妊娠を素直に受け入れられない環境でした。
それでも全部ひっくるめて前に進もう。そう決めました。

・放牧場では芝を買って糞の上に足で踏んで植えつける芝移植を行いました。
新鮮な糞の上じゃないといけないので毎日糞を探し、芝マットを切っては踏みきっては踏み。。。
地味な作業ですがひたすら時間がかかりました。
芝マットはあまり長い時間置いておくと活力が著しく低下することを知らず、最後の方で植えた芝は定着せず軒並み全滅でした。
芝マット高かったのに。。。
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・福井県などの遠出の削蹄も行けるようになりました。
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福井県での昼飯はいつもココ!!昭和の香り漂う焼き肉屋。美味いんです!!
この「あかね」さん、ホルモンも美味いんですが、ひね(親)鳥がめちゃくちゃ美味い!!
これが楽しみで福井県に来てます!
ただ、宿泊はきつかったので一人で電車に乗って帰りました。。。
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これ一応よそ行き用のスウェットだったんですが、削蹄に使っていくうちにこうなります。
どんな服も右腕だけこうなるのです。
鎌で蹄を切るときに、切った後の蹄に伸ばした腕が引っかかる。
というか、えぐっちゃう。
当然自分の腕もえぐるので火傷のあとのような傷、いやケンシロウのような傷だらけなのです。
例えお腹が出ようとも、見た目がなよっちくても、手首だけはケンシロウなのです!
手首だけ。。。
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・大照放牧場が今までの7haから12haまで拡大する事が出来ました。
5年間ずっと交渉していたので本当に嬉しかったです。
ただ、ものすごい藪や蔓で毎日毎日牛飼いを終えてから真っ暗になるまでチェーンソー動かしていた記憶があります。
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・保育園の記事が新聞に出て咲がのっていました。
今まで自分が掲載されることは何度もあって掲載されてももうなんとも思わなくなっちゃったけど、子供の写真が載ると全く別。テンションあがりますね。
削蹄が終わって昼飯食べてる食堂で新聞見つけたので店主に自慢した上に新聞もらって帰ってきました。
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・歯医者にて。今日の血圧、最高か最低どっちに○をすべきか真剣に悩んでしまった。
一応最高にしとこうかなと、○を書きかけてようやく意味が分かった。 数値ね。。。
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・ブログ記事は3件
姿勢と経験
34歳になりました~
自分の牛が答え
記事数は少ないけど、「姿勢と経験」、「自分の牛が答え」の記事は今読んでも納得。その通りだと思う。



7月

・家族みんなで王子動物園に行きました。娘は実物の像の大きさに驚くのかと思いきや、足元を歩きまわるハトの方に夢中でした。。。ハトって。。。
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僕はひたすらキリンやら鹿やら偶蹄類の蹄ばっかり見てました。。。
中でもアフリカ中部の湿地や沼地に生息するウシ科の「シタツンガ」。
蹄が長く泥の中も沈まずにあるけるそうで、すごい蹄!!
牛もドロドロの牛舎の蹄はこんな蹄になります。
一瞬、じゃあ切らない方がいいんじゃないの~って思ってしまった。。。
いやいや、肥育牛は体重が半端じゃないから切らなきゃ持たないんだけどね。
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・放牧場の準備ですっかり刈り遅れたイタリアン(牧草)を集めてまわったり、その最中にキジの卵を発見して卵焼きにして食べたりしました。
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・ブログ記事は4つ
放牧場をデザインする①
CEL
削蹄
やまけんの日本まるごと食探訪


8月
・ブログ記事は3つ
#800
招待
#800の砥石良いって書きましたが、使ってみてやっぱり#1000に戻りました。。。
3つと書いてタイトルが2つなのは1つは非公開記事で書きかけです。
この月に僕の大好きで尊敬していた古本千一さんという牛飼いさんが85歳で他界されました。自分の中で本当にショックな出来事でまだうまくまとめられずにいます。いつか、古本さんの事も書きたいと思っています。。。

・「夢」のお誕生日がありました。なんともう4歳です!!!なのでプレゼントを持って山に上がりました。
あと数ヶ月でお肉になります。スイカもメロンもトウモロコシも、全く食べませんでした!!!
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・大照放牧場でニホントカゲの子供発見。
尻尾のメタリックブルーが美しい。
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・この月は、とにかく古本さんの死が大きかった。
本当に孫のように思ってくれていて、集中治療室にいる時もよく僕の話をしてくれていたらしい。
亡くなった後、農機具を頂きに古本さんの集落に行ったら、近隣の人が不審がって「どちらの人だ?」って寄って来たんだけど。
「村岡の田中と言います。生前古本さんにお世話になっていて。。。」と言うと「一馬君か。話はよく聞いてたよ」って。。。。。本当に僕の知らないところで、色んな人に支えられていたんだなって思います。
今も僕の机には古本さんの名前と牛の写真の入ったコースターがあります。ご家族の方から頂きました。
いつも思っています。

(9月~12月へ続く)
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Top▲ | by beefcattle | 2013-01-01 11:59
2012年の振り返り 1月~4月
大みそかですね。
やる事や書くことはいっぱいありますが、年の最後です。
この1年を振り返ろうと思います。

1月

・鬱病で療養
昨年の秋から鬱病で精神科に通院しています。
今も1カ月に1回は抗うつ薬と睡眠導入剤をもらいに行っています。
本当にこのころはひどくて、牛舎にも全く行けない日々でした。
妻と父が毎日牛舎の仕事を、僕は家の中で寝るだけ。情けないけど動けない。それがまた情けない。
生きていたって仕方無いんじゃないか。。。
3月ごろまでこういった状態が続いていました。
現在も睡眠不足であったり、頑張り過ぎたりすると明らかに反動があ出ます。
夜の飲み会などはかなりきついのですべてお断りしています。
会議も妻が出たりしてくれています。
ただ、間違いなく、あのころに比べたら良くなっています。
だからこのままゆっくり進もうと思っています。
この経験が自分の価値観を大きく変えた事は間違いありません。
自分にとって『大切なもの』は何か。
大切なものを本当に大切にしたい。目先のどうでもいいことから離れる。
そう思えるようになりました。
そして、自分が色んな人に支えられているってことが分かりました。
一度どうでも良くなって睡眠導入剤を大量に飲んだ事がありました。
幸いいなんともなかったのですが、この時妻が「仕事なんて出来なくってもいい。毎日漫画読んでるだけでもいい。いてくれるだけでい。いてくれるだけでいいから。。。」と泣きながら僕に言いました。
「ああ、俺は今まで何を見ていたんだろう。」と、何も見ていなかった事に気が付きました。
この言葉に支えられて今があります。
人の優しさ、自分の弱さ、大切なもの、自分の中の密度が濃くなっていくそのきっかけを作ってくれたのが鬱病でした。

・マイコプラズマ大発生
生後1カ月齢からの子牛でマイコプラズマが大発生しました。
マイコ完全終焉の3月まで14頭の牛が死にました。
僕は牛舎に行けない。妻は一人で毎日病気の牛と向き合う日々。
一向に治らない子牛達。。。
本当に地獄のような日々だったと思います。
JAの中井獣医さんが本当に毎日毎日通って、何時間も牛と向き合い、治療してくれました。
従来の治療法に加えて新しい治療法も取り入れたり、鹿児島からはシェパードの蓮沼先生が来てくれ、松本先生も親身になってマイコ撲滅に力をかして下さいました。
それでも、結局は全ての牛を廃用する事になり、改めてマイコプラズマの恐ろしさを痛感することとなりました。
今でも全国からマイコの相談の電話があります。
この事については再考察をまたブログに書こうと思います。

・放牧敬産牛肉「ふくさと」但馬敬産牛肉「としこ」の販売を始めました。
ふくさとは今までで一番安定して美味しかった牛でした。としこはすき焼き用だけという事もあり、あっという間に売り切れちゃいました。『放牧』と言うのは単なる手法でしかない。そう思えるようになって来た頃だと思います。
ふくさとのお肉は本当にうまかった。としこも15カ月以上肥育したから味がしっかりしていて、今でもあればまた食べたい牛たちです。

・1月には3つのブログを書きました
放牧敬産牛肉「ふくさと」と但馬敬産牛肉「としこ」販売開始です!!
一歩一歩
あつみちゃん
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2月
・マイコが一番猛威をふるっていた時期です。
ただただ地獄でした。。。
プルスフォグも買ったり、出来る事をひたすら積み重ねていたけど結果が見えない時期でした。
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・雪の多い年で、日々雪かき。
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・咲は3歳になりました
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・ふくさとのタンは美味かった!!
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・優土はお風呂で遊ぶようになりました
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・牛舎中の水洗&消毒
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・ブログは4記事書きました。
今は躁、まあ順調ってことで
煙霧消毒

視座を変える
「命」や「視座を変える」なんかのあたりから自分の考えが統合されてきた感じがしています。

3月
・マイコプラズマを完全抑える事が出来ました。
振り返れば3か月の出来事だけど、本当に出口が見えなくって、真っ暗闇を引きずられて歩かされている感じ。マイコの事をブログに書いた事で色々あったけど、今となっては色々な人の役に立てて良かったと思っています。
・僕の鬱もだいぶ良くなってきて、牛市に最初から最後までいられるようになりました。
1月市、2月市は牛の搬入だけして、あとは妻に任せて家に帰って寝ていました。
自分の感度が上がり過ぎて、牛市の場の色んな人の色んな欲や顔や情報や感情がきつすぎて市場にいる事が出来なかったんです。牛市に最後までいられた。そんな当たり前な事が本当に嬉しかったです。
・マイコがおさまって次に見えてきたのはお金の事でした。
もうどうしようもないくらい追い詰められていて、今後死んだ牛がお金になる頃の資金繰りがとても不可能で、もう倒産するんじゃないのか。怖くて仕方なかったです。但馬信用金庫の宮垣さんがコンサルに入ってくれ、お金の見える化がだいぶ出来るようになりました。ファームガーデンの田丸さんが深夜まで夫婦の話を聞いてくれました。地元の先輩が牛市の駐車場で励ましてくれました。全国から色んなメッセージや思いや物、エネルギーを届けてくれました。そして、何より救いだったのが家族の存在。子供の存在。
・ブログは6記事
突破します
力を借りる
マイコプラズマ、終焉
純粋
結果から見ての評価
一番好きな時間
「一番好きな時間」は今見ても大好きな記事。この時間があったから僕は踏ん張れました。


4月
・ブログは10記事。少しずつ意欲も出てきた感じがします。
大掃除&消毒
事実は否定できない
入園式
大切なものを大切にしたい
子牛市から思う事
マイコプラズマについて
削蹄復帰に向けて
価値観
ヘマトクリット値と盲点
育種価
僕の財産
「事実は否定できない」、「大切なものを大切にしたい」、「価値観」、「僕の財産」の記事は本当に今の基盤になっている考え方です。
鬱のひどい時期に引きこもって考える時間が山ほどあった。少しずつ動けるようになって、思考に行動を重ねてくるようになった。そんな時期だったと思う。
新田さんや、小堀さんを始め、色んな人が僕の事を心配してくれて、心配し過ぎて動けなくなってしまったり、心配すぎてわざわざ飛行機乗って会いに来てくれたりと本当に自分は多くの人に愛されているんだなって感じさせてもらえた。今もまだその時の気持ちは自分の心を満たしている。
削除したんだけど「もう疲れました」と1行だけ書いた無題のブログがあって、書いた20分後に兄弟子から真夜中なのに何度も電話もらった事もあったっけ。
リアルな人間のつながりって本当にいいなって思えるようになった。
それまでは色んな人にあったり、有名な人とのつながりを大事にしていた自分がいたけど、違うなって思った。
あと、マイコプラズマについての記事。未だにこの記事だけは異常ににアクセスが多い。
それだけ全国で色んな株が出ているってことなんだろうな。ここらへんもまた書こうと思う。
・やまけんさんも来てくれた。後ろにいるのが僕の大好きな新田さん。
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・咲と優土が保育園へ
今でこそ保育園に行ってくれて仕事できるって思えるけど、ずっと溺愛だったから、もう心配で心配で。。。
・放牧場の整備にも今年は力を入れた
あつみは僕がいまいちな中、本当によくずっと頑張ったと思う。本当に。
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ああ、もう23:55分!!2012年が終わっちゃう!!!
年越してから、残りの振り返りをしよう。
皆さんよいお年を~!!!!
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Top▲ | by beefcattle | 2012-12-31 23:53
放牧牛肉に向けての取り組み みつこ
2002年11月に田中畜産を創業しました。
その時にいた1頭の牛が「みつこ」。
ふくゆき、ひでやす、ひでみ3、みつこ、おおふく3。
この5頭の牛から田中畜産はスタートしました。
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みつこ以外の4頭は5年以上も前に廃用となり、このみつこだけが10年間ずっと一緒にいた牛だったのです。

みつこは大柄で体積のある牛でした。
しかし、父は鶴光土井とすっごくマイナーな血統。
牛の産肉能力を表す育種価もオールD (Dが一番下です)。
生れも平成7年と超おばあさん牛です。
今や誰かに売ろうとしても、とっても買い手がつかないような牛。
それでも中々更新できずにいました。
田中畜産にとって、本当に大切な牛でした。
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牛飼いを始める時に導入した5頭のうち、4頭を同じ村岡に住む西山さんという方から入れました。
西山さんは40歳で脱サラをされて牛飼いに新規参入された方でした。
導入する牛を見せてもらいに、ドキドキしながら西山さんちへ行きました。
すると、
「僕が就農する時は苦労したんだ。就農祝いに1頭タダであげるよ。」と言っていただいたのです!
そして選ばせていただいた牛がみつこだったのです!!!

初めて会った時に「立派な角だなあ」と思った事を覚えています。
おっとりとした性格で、牛舎にいても放牧場にいてもいつも全く動じず、とてもなついてくれたことを覚えています。
我が家では「みっちゃん」と呼ばれていました。

2年前、鍛冶屋地区の放牧場を使ってくれないかとの相談がありました。
はじめて見た時、そこは2.5mのススキと蔓草のジャングルでした。
もとは急傾斜の棚田だったので、地面だと思って歩いていると足を踏み外し、急に1枚下の田んぼに落ちてしまうこともしばしば。。。
(1枚下の田にも2m以上のススキが生えていて、その上を蔓草が這っているのうえに、そこらじゅうジャングルで見通しが悪いので、【ススキの上を地面と錯覚して】踏み落ちてしまうのです!!)

どのくらいジャングルかと言うと・・・・

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(写真真ん中に2頭牛がいるのですが見えません)

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(拡大してようやく見える。かな。)


どのくらい急傾斜地かと言うと・・・・
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(写真は夢の下牧時。 見通しが良くなっても油断すれば踏み外します。。。)



そんな悪条件すぎる放牧場。
当初放す予定だった農家さんの牛がパニックを起こして逃げてしまったといういわくつきの場所。

「でも、うちの牛なら大丈夫だ!」
そう思った僕は大照放牧場から放牧超ベテラン牛だったみつこを連れてきて放牧しました。
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そしたらあまりのジャングルっぷりにみつこがパニックに!!!!
パニックになったみつこは崖の上を駆けあがり、下の川まで転がり落ちてしまいました。
大騒動です。
お腹には子牛もいるのに。
骨折していれば牛は廃用です。

慌てて下の川に下りました。
いつもあんなにおっとりしているのに、よっぽど怖かったんだ。。。
みつこは川の中で蔓に絡まって動けずにいました。
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と思ったら意外に落ち着いていました。。。

絡まった蔓を切り、どこか上げれる場所を探し、牛の足場をこさえて、何とかみつこをあげました。
結局その年は鍛冶屋での放牧は見送ることとなりました。。。

しかし、そこから2年。
草の短い5月初旬から再度リベンジ放牧をして、こんなにも見通しのいい放牧場が出来上がりました!!
すごすぎます!!!
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あれだけあった草のほとんどがみつこのお腹に入り、肉となってくれました。



正直、みつこだけはペットと言うか寿命まで飼おうかと迷う自分がいました。
そんな経済的な余裕はなかったというのが大きな理由です。
でも、もうちょっと経済的に余裕があったとしてもやっぱそういう選択肢はとらなかっただろうなと思います。
やっぱりペットじゃないんだよね。


屠畜前日、逃げ回っていた「夢」をよそ眼に、「みつこ」は自分から寄ってきました。

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(じっと写真も撮らしてくれません)

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(このみつこと僕のロープのたるみ具合がなんとも言えません。)


みつこは屠場でピストルを打つ瞬間まで、一つも嫌がることなくとことこついて来て、落ち着いていました。

いや、目の前で牛が解体されてんだし、全く知らない所に連れて来られているんだから、落ち着いているというのはやっぱ違うかな?

そりゃやっぱり最後は不安だったろうなと思う。
それでも最後までとことこついて来てくれたのは僕を信頼してくれていたからなんだろうなと思う。
みつこだからだと思う。

「屠場に連れてきて、信頼もなんもあったもんじゃない!」って思う人もいるだろう。
確かにそうかもしれない。

以前、「たにひめ」と言う牛を屠畜した時、ピストルを撃って倒れ、のどにナイフを入れて放血させている最中、かなり暴れた事があった。
その時僕は、慌てて牛の顔をグッと抑えつけながら「ばーばーば。ばーばーば」って言っていた。
ばーばーばーとは牛を落ち着かせる時に使う言葉。
無意識に使っていた。
今まさに絶命しようとしていて、目をカッと開き、パニックになる「たにひめ」の目を見ながら、ばーばーばー(落ち着け落ち着け)と言っている僕を、自分自身で矛盾を感じながらそれでもそう言っていた。
伝わるかな・・・牛との関係、畜主の思い。

みつこはすんなりついて来てくれ、すんなり肉になってくれた。
後ろ髪が引かれるという感じではない
みつこ、もういないんだな。。という寂しい気持ちも少しはある。
早く食べたいという気持ちもある。
届けたいという気持ちもある。
色んな気持ちがあるよね。
「これだ!」なんて答えなんて出せないし、導けないよ。

あんなに体積感のあったみつこも10年ですっかりお婆さんの体型になっちゃったね。
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少しでも届けばいいなと思います。
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ありがとう。みつこ。
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(お肉発想に関するお知らせ)

お肉の発送が遅くなって申し訳ありません。
現在、お肉はブロックの状態でお肉屋さんで保管していただいています。

僕はお肉を捌く技術を持っていません。
屠場で屠夫さんに屠畜してもらい、委託したお肉屋さんが皮をはいで、内臓を荒洗いして、枝肉にしてくれます。
荒洗いされたホルモンは屠畜日の夕方には持って帰り、うちで再度洗いとトリミング、真空パックを行いますが、
枝肉は屠場の冷蔵庫に3日ほど置いておいて、同じお肉屋さんに枝肉からブロック肉まで脱骨などの解体作業をしていただきます。
(飲食店さんにはこの段階で発送しています。)
ブロック肉はお肉屋さんのお店で保管してもらい、後日手のあいたときに焼き肉・切落しなどの商品にしてもらいます。
僕らは真空パックして、冷凍してもらったものを持って帰り、ラベルを張り、新聞や手紙をつけ、包装し発送するくらいです。
(いくらかは家庭用でブロックの時に持って帰ってきて、先に食べてみたりしています。)
現在、ひでふく・みつこ・夢はすべてブロック肉の状態で、商品待ちの状態です。
お肉屋さんも年末と言う事もあり忙しいので、ひでふくは年内、みつこは年が明けてからの発送になると思います。
夢もおんなじくらいだと思います。
たくさんのご予約を頂きほんとうにありがとうございます。
発送までもうしばらくお時間を頂けますようよろしくお願いいたします。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-12-05 16:09
放牧牛肉についての取り組み ひでふく屠畜
11月3日(木)にひでふくを、22日に夢とみつこを屠畜してきました。
今日はひでふくの話です。

我が家がと畜する屠場は、車で1時間ほどの所にある朝来食肉センターです。

兵庫県には神戸西部市場や加古川市場など大きな食肉センターがあります。
ここで神戸ビーフが認定されるわけです。
1日に捌く頭数も神戸は80頭近くと朝来の屠場とはケタ違い。
朝来は週2日。1日に10頭以下というとっても小さな昭和の香り漂う屠場なのです。

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牛が枝肉になるまで30分もかかりません。
屠畜が始まると、所狭しとお肉屋さん、屠夫さん、食肉検査所の獣医さんがいっせいに仕事をします。
僕は畜主なのですが、ここはまた別の世界。
いつも何していいのか分からずウロウロウロウロとしています。。。
(たまに放血した後を水で洗い流したり、脚にフック掛けたり、牛引っ張ったりと、何とか居場所を作ろうと模索しています)
間違いなく僕がいるだけで邪魔なのですが、大きなカメラぶら下げて隙を見ては質問し、また離れて、また質問し。。。
と繰り返していると結構楽しくて勉強になります。

屠場は8時搬入です。
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繋ぎ場にいるひでふくはおとなしくじっと立っていました。
ノッキングする場所までは5mもありません。。。


ノッキングにはこの銃を使います。
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眉間を打った「瞬間」に、牛は倒れます。
そしてすぐにナイフで放血させ、頭を落とし、つり下げて、専用の台の上に乗せ、皮をはぎ、枝肉にしていくのです。
ひでふくが枝肉になるまでは20分。あっという間です。
プロの仕事場の中では、感傷に浸る余裕もありません。
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そしてだいたい10時半ごろには全ての牛の屠畜が終わります。

ひでふくの枝肉重量は177.8kgでした。
放牧敬産牛肉の中では平均よりやや小さい方です。
一般の但馬牛の経産肥育は枝肉で280kgくらいですから100キロは小さいんですね。
当然のことながら一般の経産牛と骨の重さは変わらないので、実際に取れる肉の量は1/3くらいになってしまいます。

今回からホルモンを持って帰って自分で洗う事にしました。
屠場で牛ををさばいている隣の部屋にホルモンの洗い場があります。
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左側の壁に窓のような穴がありますね。
この壁の向こうで牛がさばかれていて、内臓はこの穴から洗い場にほり込まれます。
ここで内臓の内容物を取ったりと「荒洗い」をします。
ここでざっと荒洗いしてもらったホルモンを持って帰って洗い直しやトリミングをするのです。

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手前がツラミ(ほほ肉)、テールやタンも内臓あつかいです。

ホルモンは鮮度が命。すぐにを持って帰って家で洗わなきゃ!!。。。と思いきや、そうはいきません。
BSEの検査が終わるまでは持って帰ってはいけないのです。
家畜車にホルモンを積むわけにもいかないので、一旦家まで帰り、車の入れ替えです。

16時ごろに屠場に到着。
荒洗いされたホルモンがどどどどーん!!!
ほほ肉、タン、心臓(ハツ)、テールで1箱。
レバーで1箱。
タチギモ、肺、気管、アキレスで1箱。
腸、子宮がドロ~ン、1箱。
胃袋はどどど~んと1箱。
それぞれに分けて持って帰らないと臭いがついてしまいます。

急いで持ち帰り、まずは簡単な赤物から掃除。
ほほ肉、心臓、タン、テール、タチギモ、肺、レバー、気管、アキレス。
オゾン水で表面殺菌した後、キッチンペーパーで水けをふき取り真空パックしてすぐ冷凍です。
今回も御影のフランス地方料理MOMOKAさんが全量買い取ってくださるのでタンもそのままで真空パックです。
ここまでは意外に簡単。

残るは氷水に入った胃袋と腸。
こいつらが強敵なのです。

牛の胃袋は4つです。
1胃が一番大きく「ミノ」と呼ばれる部分。大人でも丸まったら入れるくらいの大きさ。
2胃が「ハチノス」見た目のまんま蜂の巣みたいです。
3胃が「センマイ」
4胃が「ギアラ」や「赤セン」と言われています。4胃は人間と同じ消化酵素を出す器官で、その他は食道が発達して出来た器官なんです。
と、知っていてもいざ洗うとなるとまた違ったものに見えます。。。
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(ミノとハチノスです。でかい!!)

まずは一番簡単に洗えそうなセンマイを流水でヒダの根元の汚れまで落とす感じで洗っていきます。
結構簡単に洗えます。幸先いいスタートです。

次はハチノス。
センマイよりも目が粗いので簡単に汚れが、、、落ちない!!
ひとつひとつのクレーターに黒い粒がポチポチポチポチ。
洗えども洗えども落ちるんだけどなくならない。
最後は爪で擦って1つずつ落としました。。。
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こうやって流水で洗って、仕上げにオゾン水で洗って、キッチンペーパーで水を切って、
1kgごとに小分けして、真空パックすると。。。4時間が経過!!!
「うわ~、終わんねえぞ!!」

ミノは一番大きく、また、一番臭いがきついため最後に。
赤センはヌルヌル過ぎて時間かかりそう。後回し。

次は腸へ突入。
まずは短く太い大腸から。
内側と外側を洗っていきます。
内側が糞が通る道。外側には脂肪がまいています。
外側の脂肪は旨味でもあるので適度に残す方がいい。と本には書いてあるが適度がわからない。
「これは多いよな」
なんて取っていったら脂肪全部取っちゃいました。。。。
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なんてきれいな腸だろう。

それにしても適度にって、難しい。
1個取ろうとしたらバリバリバリバリ!!!って全部取れちゃう。
僕はホルモンの脂が好きなので脂は脂で取っておいて、大腸のみをトリミング。
流水の中でまな板を斜めにして包丁で内外を削ぐように洗っていきます。
特に内側がぬめりがあるのでしっかりと。
ぷるんぷるんのホルモンを再度オゾン水で洗い、「キッチンペーパー何枚使うねん!」って思いながら水を切り、
真空パックし終わったらまた4時間経過。。。

小腸、ミノ、赤セン、強敵が待ち構えています。
もうこの時点で「ひでふく」であることは完全に頭の中にはありません。
お肉だと実感がわくのですが、これだけホルモンと向き合うと「ホルモン!!」としか思えません。
感傷に浸る暇なし。

さあ、小腸です。
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黄土色のが内側のぬめり。
長い。とにかく長い。
大腸をこなした僕は同じくらいの容積の小腸をなめていました。
しかし、小腸は薄くて細い。
同じくらいの容積でも長いので、洗えども洗えども一向に切れる気配がありません。

「今度こそは脂を少し残そう。」
そう思ったはいいのですが、脂を残すと包丁で洗いにくい!
内側のぬめりが小腸は大腸よりも多く、腸を平げて包丁で洗うんだけど
4~5cm進めば裏にある脂肪が山になって小腸がくるっとひっくり返る。
それを直してまた洗う。くるっとひっくり返る。
ひたすらこの繰り返しです。

内側のぬめりは灰汁のような感じでした。
こすって洗っていると黄色い脂が浮いてくるような、まさに灰汁。
これは削げば削いだだけちゃんと取れます。
小腸をすべて洗い終わっってオゾン水、ふき取り、カット、真空パックで、また4時間経過。。。
もうだめだ~。という事でちょっぴり小腸を持って帰ってホルモン鍋にしました。

今までホルモン煮ると灰汁が出ていたので下ゆでして捨てていたのですが、この小腸は全く灰汁が出ません!!!
「洗ったかいあったよ~。」と感激しました。

ちなみにホルモン鍋の材料を買いにスーパーに行くとオーストラリア産のホルモンが置いていました。
「おおおお~これ小腸小腸!!」とかなり興奮。
しかし、ぱっと見て内側が真っ黄色。トレイ下にたまっているドリップも黄土色。。。
「あれ?荒洗いのまんまでいいの?これが標準ならめっちゃ楽じゃねえか。」と誘惑が。。。

いやいやガンバロウ。

残すはミノです。
ミノと言えば肌色ですよね。
でも第1胃の状態では絨毛と言うヒダヒダがいっぱいついています。
このヒダヒダから栄養を吸収し、このヒダヒダが繊維を分解してくれる微生物のすみかになるのです。
とはいえ硬くて食べられません。(センマイやハチノスは食べられるのに。。。)

これもヒダヒダの内側と肌色の外側の皮をはいでいきます。
メリメリ、メリメリ、メリメリ。。。
「おおっ、調子いいじゃないか~」と思っていた矢先。

ムリムリムリムリっと皮に身がくっついてバラバラに。。。
見るも無残な事になっちゃいました。

薄いミノが形もありません。
めくれどもめくれどもバラバラに。。。
「ぐちゃぐちゃだがな~!!」
なんとか剥がれたミノを戻し、内皮をめくった後、外側の薄皮めくりに入りました。
ところが、ここでもムニムニムニムニっと薄皮にうっすいミノが張り付いてバラバラに!!!
「な・なんて難しいんだ。素人がいきなりするにはハードル高かったか??投げ出したい・・・」
と思っても仕方ないのです。やるしかないのです。
しかも商品ですからモノも良くして当たり前なのです。

1剥き1剥き慎重に慎重に剥く事2時間。。。
ようやくミノの形になり、オゾン水、ふき取り、パック、冷凍、記帳で2時間。

結局総時間で12時間以上かかってしまいました。。。。

なんにせよホルモンデビューです!!
この経験が夢とみつこのホルモンに活かされるのか???
お楽しみに~。

ひでふくについては「こちら」にもちょっこし書いていますのでご覧くださいね。

今はまだ僕は肉を切る技術がありません。
そのためパックまでお肉屋さんに委託しています。
去年まではホルモンも全て委託でした。

でも、こうやって少しづつ出来る事が増えていけたら楽しいなって思っています。
ありがとう、ひでふく。
ありがとうございますMOMOKAさん。
ありがとう。

*MOMOKAさんは神戸市にあるフランス料理屋さんです。
ひでふく・みつこのホルモンやお肉がメニューに出たら、また皆さんにお知らせさせていただきますね。

*ひでふくのお肉をご予約いただいているお客様へ
改めてお一人様事にメールいたしますが、ひでふくはまだブロック肉の状態で製品化されていない状況です。
大変遅くなりご迷惑おかけしています。
お肉屋さんの手がそろそろ空くそうなので、もうしばらくお待ちいただきたいです。
遅れた分はうしうし新聞の更新に時間を使わせていただきます!
よろしくおねがいいたします。

さあ、書く事いっぱいやる事いっぱい。
出来れば毎日更新しようと思うので見に来て下さいね。

明日は但東町で酪農の削蹄です。
子牛に餌やって、今日はもう店じまい。
また明日!おやすみなさい!!!
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Top▲ | by beefcattle | 2012-11-24 20:36
放牧牛肉についての取り組み お肉の差別化について(近畿マッチングフォーラム)
牛飼いを始めて今月で丸10年になります。
今まで本当に全国いろ~んな所でお話させていただきました。
色んな出会いがありました。
今の田中畜産をつくってくれました。

でも、ちょっと休みます。

本業でしたい事がたくさんあります。
そのため講演、発表のご依頼は今後受けない方向で行く事にしました。
前から決めていた事なので、僕にとっては今さら特別な事じゃないのですが。。。
改めてブログでのご報告です。

何かありましたら電話下さい。
遊びに来て下さい。
いっぱい話しましょう!!

と、言う事で昨日は京都で農水省と近畿中国四国農業研究センター主催の「近畿マッチングフォーラム」が開催され、放牧敬産牛肉・放牧牛肉の販売面での事例発表を20分のお時間をいただきダ―っとしゃべってきました。
このフォーラムは同会場でそのあとに行われる日本産肉研究会に繋がる流れで進められました。

【特徴のある和牛肉を消費者へ~国内の飼料資源を活用して~】というテーマで国産飼料を活かした牛肉生産についてのフォーラムです。
参加者・発表者は消費者と言うよりは研究者や生産者。
「国内飼料を活かした赤身肉を推進しようぜ!!」という方向で話せば会の空気にあったのでしょうが、実際に販売してみて違和感がいっぱいあったのでKY(空気読めない人)を重々承知で言いたい事、話させていただきました。

何故か「聞きにいきたかった!」と言ってくださる方が多かったので原稿をそのまま載せようと思います。
消費者向けの発表でないので分かりにくいかもしれませんがそのまま載せておきます。

時間のある時に読んでいただければと思います。

『平成24年度近畿マッチングフォーラム』
(特徴のある和牛肉を消費者へ~国内の飼料資源を活用して~)
平成24年11月13日~14日
1、自給飼料をめぐる最近の情勢について
     農林水産省 近畿農政局生産部 畜産課長 氏里由紀夫様
2、京都府における飼料米増産と肉用牛等生産の取り組みについて
     京都府農林水産技術センター 畜産センター研究支援部 主任研究員 佐々木敬之様
3、近江牛への飼料米給与試験について
     滋賀県畜産技術センター 近江牛生産技術担当 主任技師 北川貴志様
4、遊休農地で生産した「放牧仕上げ熟ビーフの」特徴と美味しさ
     (独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター 主任研究員 松本和典様
5、自給飼料基盤を活用した肉用牛飼養システムの開発
     (独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター 主任研究員 柴田昌宏様
6、「放牧敬産牛肉」生産の取り組みについて
     田中畜産 田中一馬
7、粗飼料の生産を組み入れた繁殖肥育一貫経営における近江牛生産
     木下牧場 木下その美様
総合討論 パネルディスカッション 
     コーディネーター九州大学農学部准教授 後藤貴文様
     パネラー 各講演者 京都生協 産直・地産地消担当 安達善則様
という僕以外豪華顔ぶれでした。

以下、パンフレットに書いた文章です

「放牧敬産牛肉」生産の取り組みについて
                    田中畜産 田中一馬
はじめに
田中畜産のある兵庫県美方郡は地域の90%以上が山林で、山間の谷に沿って集落が点在している地域である。この閉鎖的な環境の中で何百年も昔から牛を飼い交配し続けた結果「但馬牛」という血統と産地が形成されていった。
さらに、牛肉の自由化以降、但馬牛の持つ遺伝力の強さや脂肪交雑の入りやすさから全国的に子牛が高値で売買されるようになり、但馬では畜産業の専業化や多頭化が進んだ。
その一方で小さな耕作面積しか持たない但馬地域での多頭飼育の飼料の自給は困難であり、そのほとんどを輸入飼料に依存する経営になっているのが現状である。
田中畜産は但馬牛の繁殖農家です。平成14年に5頭の牛を導入し、現在50頭の母牛を飼育しています。新規参入者であったっため畑も機械も所持しておらず、頭数が30頭を超えた頃には飼料自給率は1割を切っていました。
そんな時、アメリカ産のフェスクストローを与えていた親牛がエンドファイト中毒(フェスクフット)になり、2割近い母牛が廃用となりました。
国産牛の最高峰に位置する但馬牛・神戸ビーフ、しかし食べているものは90%以上が輸入飼料。国産牛は外国産より安全と言っていたのですが、この出来事が食の安全とは何なんだろうと考えるきっかけになりました。
その後「食の安全=食べるものがある事」という考えにいたり、自給飼料で仕上げる牛肉「放牧敬産牛肉」の販売をスタートさせました。
2008年からは子牛から完全に草と母乳だけ(4月~11月は放牧)のグラスフェッド但馬牛の生産を試験的にスタートさせました。

成果、技術の概要
現在、HP(http://tanatiku.com)を通して放牧敬産牛肉の販売を消費者、飲食店に直接販売しています。
放牧敬産牛肉とは但馬牛の経産牛を屠畜前の半年間(4月~11月)放牧に出したお肉です。放牧場では野草だけを食べさせ、放牧場から直接屠場に搬入しています。
屠畜したお肉は、1週間ほどで解体、商品化したのち真空パックで冷凍発送しています。
肉のカットまでは地元の肉屋さんに委託しており、特別な熟成はしていません。
2008年に生まれた但馬牛のグラスフェッドは『夢』という名前の去勢牛。今年の11月に屠畜予定です。この「夢」の他に、もう1頭「元気」という但馬牛の去勢でグラスフェッドを行っています。
「夢」「元気」という牛は当牧場の【放牧牛パートナー制度(http://tanatiku.com)】と言う取り組みの一環として行っており、会員(消費者)の方と子牛からの成長記録を共有したり、毎年直接その牛と触れ合えるツアーを行ったりと、直接的な牛と人の交流を通し、より牛を身近に感じてもらいながら、お客様にお肉を届けるお肉屋さんを目指しています。
同じく経産牛にもそれぞれ名前があり、お客様に届ける際には1頭1頭の名前やその牛のエピソードを添えてお肉を届けています。
基本的に宣伝・広告は行っておらず、口コミ販売で、過去3年間リピーター率が8割を超え、販売頭数も少しずつ増えていっている所です。
今年の年間販売頭数はまだ5頭と少ないですが、その分お客様との直接のコミュニケーションを楽しむことを大切にしたいと考えています。

今後の課題
放牧である上に、和牛の中でも小さい黒毛和種。その中でも特別に小さい但馬牛。
そのため肉の総量が取れない。とれるブロックが小さく、切り落とし等の低価格帯の部位が大量に発生します。
食べ方の提案などより身近に牛肉を感じていただく情報の発信も大切だと感じています。
また、内臓も含め1頭丸ごと販売していくにはスネやソトモモ、ソトバラなどの部位をブロックで活かしてくれる飲食店さんに向けての販売が不可欠であるとも考えています。
(現在、神戸のフランス料理店で使っていただいています。)
小さな農家の、小さな肉屋なのでこの取り組みが特別業界に何かをもたらすとは思ってはいません。それよりも自分が牛と人に向き合える範囲で、無理のない頭数を丁寧に販売していくスタイル。これをどれだけつき通せるかが今後の一番の課題だと考えています。
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放牧牛「夢」どんなお肉になってくれるのか、楽しみです。

(以上、パンフレットのコピーです)

で、発表内容がこちらです

(以下、発表原稿です。実際は結構アドリブです。。。)

こんにちは、田中畜産の田中一馬と申します。
今日は「特徴のある和牛肉を消費者へ」という内容の近畿マッチングフォーラムに呼んでいただきましてありがとうございます。
今回うちで販売している放牧敬産牛肉・放牧牛肉について話してほしいとご依頼を頂きました。
特にその中でも、販売面について話してくれ。とのことでしたので、放牧敬産牛肉や放牧牛肉についての生産面でのお話は置いといて、販売していく中で自分の中で起きた気付き、やどういった所に差別化を置いているのか。
そういったお話させていただければと思います。
生産面等の話はお手元の冊子の中に、うちのHPのURLがありますので帰った際にでも見ていただければと思います。
更に細かい事はブログでつづっていますので、そちらもHPから飛べます。
見て下さるとありがたいです。

田中畜産は但馬牛の繁殖牧場です。
10年前に新規参入者として就農し、現在親牛を50頭飼育しています。
今は子牛の販売を経営の軸に、年間100日ほど削蹄師として全国を回っています。
それに加えて、2008年前からお肉の販売をスタートさせています。

我が家で販売しているお肉は放牧牛肉、放牧敬産牛肉、但馬敬産牛肉の3種類です。

今回、地域資源を生かしてという事なので放牧牛肉や放牧敬産牛肉がそれに当たると思うんですが、それに取り組むいきさつや概要はお手元の冊子にあるとおりです。

簡単にざっと言うと、放牧牛肉とは生れてから草のみで育てたお肉の事を言っています。現在「夢」と「元気」という2頭の去勢牛で試験的に生産しています。夢は今月の22日に屠畜します。
マニアックな言い方をするとグラスフェッド但馬牛50カ月齢出荷です。
一方、放牧敬産牛肉は今まで母牛として活躍していた経産牛を廃用にする際、通常8カ月ほど穀物で飼い直しされるのですが、それをせずに出荷当日まで放牧場で放牧し、草だけで仕上げたお肉の事です。

6年前輸入牧草のカビ毒で多くの牛を廃用してしまった経験から、当時の僕は輸入飼料に嫌悪感を抱いていました。
輸入飼料に依存しない地域資源を生かした牛肉生産っていうのが出来ないかなって思って、2008年から放牧を使った牛肉生産に取り組んできました。

でも、実際に始めてみると、やってみたからこそ新しく気付く点や考え方など、その都度自分の中の考え方が更新されて行きました。

最初はどんなんだったかというと、お肉販売を始めた当初はカビ毒での事故から既存の畜産業に対する不信感でいっぱいだったのです。
だから・・・
・世界中で飢えて死んでいる人がいる。
・日本の食料自給率は40%を切って先進国最下位。
・人間の食べる穀物を牛に食べさせるのは不自然。
・日本の畜産はブランド牛に例外なく輸入飼料に依存することで成り立っている。
・不健康な霜降りの牛よりも赤身の健康な牛いい。
・畜産農家もBMS12番の肉なんて胸をもって食べられない。サシはほどほどでいい。
でもサシばかり追う現実。
「矛盾ばっかりやな」
そんなことばかり考えていました。

そんな気持ちを原動力に、放牧での牛肉生産に取り組みました。

全国でプレゼンテーションをし、自分の生産する牛肉の優位性をアピールしました。
放牧をすることで脂肪燃焼効果のあるカルニチンやカルノシン、抗酸化作用のある共益リノール酸が多い牛肉になる。とか
この牛肉が普及することで日本の食料自給率を守れる。とか。
自然環境と調和した環境に適応した牛肉生産とか。
サシの入った牛と違って健康的で安全なお肉とか。
そう言って多くの支援者やお客様を集めました。
僕自身嘘を言っている気は全くありませんでした。

ただ、なんとなく違和感がありました。

ある日、1通のメールが来ました。
お肉のご注文のメールでした。
その内容は、「無理やり太らされた海外の餌で育った不健康な牛肉など口にしたくありません。田中さんの育てる自然なお肉を支持します」と言った内容でした。
僕ねこのメールを頂いて、なぜか、すごく嫌だったんです。
何か自分が間違ったことをしているんじゃないか、間違った方向に進んでいっているんとちゃうか、と思ったんです。

僕の飼っている但馬牛は700年前の文献にも名前が載っている。何百年という歳月で地域の気候風土と先人が作り続けてきたものです。
その歴史があるからこそ今、お肉が食べられるという事実がある。
今、但馬牛が飼えているという事実がある。
また、僕自身が育てた多くの愛着のある子牛達は霜降りの入った神戸ビーフや松阪牛などのお肉になっていく。
そして、そこで牛を育てている方も理念と誇りを持って牛飼いされている方々も実際に知っている。

でも、その部分にあえて向き合わず、自分の都合のいい情報ばかりを選択して提供していました。
僕はお肉を有利に販売するために「輸入に頼った既存の牛肉生産は持続的な農業の形ではではない。間違っている!放牧など自給飼料を活かした牛肉生産が正しいんだ!!」と
自分の正当性を唱えようと、販売しようと、僕は気付けば他人を業界を否定していました。
当たり前ですが否定すればするほど地域で業界で孤立します。
地域で孤立すると放牧場の確保もままならなくなってきます。

持続的な農業を目指していたはずの「放牧牛肉」が気づけば一番持続的じゃない方向に進んでいました。

この時に気付きました。
あ、俺、迷子になってるなって。
放牧だとか安全だとか健康だとか、何か正しいものがあると思いこんでいたのです。
そんなものないんです。

放牧だとか輸入飼料とかは単なる飼い方の違い。
牛の飼い方は千差万別あるって。それでいいんだって気付きました。
赤身も霜降りも同じ土俵で、どちらが善悪なんてない。
後は好き嫌いの問題でしかないんだって。
だったら自分の好きなお肉を生産しようと思いました。
それで自己満足で終わらない、「商売」をしようと思いました。

それからは、多様性を完全に受け入れて、否定する事をやめて、自分の思いにフィットした、自分が納得できるお肉を提供しようと思いなおしました。
カルニチン、共益リノール酸、健康、自然・・・そういった謳い文句にたよっていたけれど、そんなキーワードに頼ってお肉の販売をすることをやめました。
そして、僕が本心で「いいね」と思っている気持ちや感情、情報をお客さんと共有できたら、お客さんからも「いいね」って言ってもらえるはず。
そう思いました。

ご存知の方も多いと思いますが、牛には1頭1頭名前があります。
1頭1頭個性があります。
牛飼いは牛が好きですし、特に自分の家の牛には愛着があります。

BMS12でる牛が可愛くって、廃用になる親牛は可愛くない。
そんな方はおられないと思います。
少なくとも僕はそう思いません。
公的な市場に出した時の値段が違うと言うだけで我が家の牛に変わりはないのです。

だから僕は自分の家の牛を大事にしたい。
やっぱり自分の家の牛を食べたら味が違いますよ。
知っている牛だから。
目隠しの食味テストでは測れない味です。
これって思いっきり主観の話です。

でも、そんな味を、そんな思いをお客さんと共有するのがうちのお肉販売です。
当然お肉自体の味も僕は「いいね」と思っているから出します。
放牧だからこの味が出るし、但馬牛の経産だから出せる味だとも思っています。
でもさらに、それぞれの牛の事を知っているから味わいお肉は深くなると思うし、1頭ごとの個体差も面白いと感じます。
そして、自分にとっての「いいね」を集める事で、もっともっといいねって思えるものにしていきたいと意欲もわきます。
そんな僕の主観の「いいね」を詰め込んでお肉を販売しています。

僕は一生懸命牛を見てびっしりサシを入れている農家さんも知っています。
そういった農家さんは牛の体調管理には細心の注意を払っていることも知っています。
だから一概にサシ=不健康、放牧=健康とは思いません。
放牧してたって管理が悪かったら死ぬ牛はでます。
とにかく、自分の良心に問うてみて、「いいね」と思わないことは販売上有利に使えるキャッチフレーズでも使いません。
カルニチンがどうとか、共益リノール酸がどうとか、安全だとか、僕は実感がわきません。
だから僕は販売のうたい文句にはしません。

お肉の販売時にもですねA5-12とか但馬牛とか放牧とかそんなことを前面に出しません。
1頭1頭の名前が商品名です。
放牧敬産牛肉「ひでふく」とか放牧牛肉「夢」などと言って販売しています。
付属のうしうし新聞にはひでふくのエピソードも載っていますし、屠場のレポートも載っています。

今、我が家のお肉を買って下さるお客様の多くがこういった田中畜産の活動や考え方に共感して下さっているお客様です。
そこに共感いただけるからこそ、8割近いリピート率と販売頭数の増加につながっているのだと感じています。

販売をしておくにあたって大手でない私たちは差別化を図っていくことが必要だと言われます。
全くもってその通りだと思います。
僕は以前「放牧」そのものを価値として置いていました。
他にも「赤身」「和牛」「熟成」色々あると思います。
しかし、それって本当に差別化出来る価値になるんだろうか?と最近思うんです。
健康にいいと言われるカルノシン、カルニチン、共益リノール酸。
確かにそこに価値を感じる方はいるかもしれません。
生産者としては使えるネタは使いたいのが心情です。
しかし、いざ商売となるとなかなかうまくいかないのではないでしょうか。
それはなぜなんだろうと考えました。

今は異常なほど情報があふれています。
牛肉を食べるとガンになるという話もあるくらいです。
添付する情報は、よほどのものでないと付加価値にならない。そんな時代だと思っています。
よほどの物とは自分が自信を持って「いいね」と思えるものだと思います。
熟成に自信があればそこが価値になるし、機能的成分に価値があると信じているならばそこが価値になる。
でも、それらを都合よくとってつけた物は価値にならない。

だから僕はお肉の販売に関してオレイン酸だとか、機能的成分だとか、放牧だとかそんなものはグリコのおまけくらいに考えているんです。
グリコのおまけ。おまけだけでは買わないですよね。
でも、あったらうれしい。

放牧をすることで牛肉中の機能成分が上がっても、食生活、食べ方で健康状態はいくらでも変わります。
なにより、放牧牛肉は医学的に見て絶対的に健康です!!って証明されても、差別化にはならないのです。
いや正確には、そんなことが一般的な認識になってしまうと、資本をもった大手がどかっと参入してきて、価格的にも宣伝にしても提供形態にしても熟成法にしても圧倒的で僕なんて吹き飛んじゃいます。

だから、僕は、放牧、赤身、健康などの単語を価値にせず、「おまけ」にしています。
僕の差別化は自分の心の中にある「いいね」と思う基準です。

自分のいいねを集めて、自分が食べたいお肉を生産して、理解いただけるお客様に販売する。
これが誰にも真似できない差別化だと思います。
この誰にも真似できないことを「差別化」と言うのだと思います。

そしてそれを続けていく中で大切なのが客様との一人一人とのコミニケーションだと思っています。

以前、数を捌こうとして大きな取引をレストランとむすんだ事があります。
放牧、自然というキーワードを前面に出しての戦略でした。
しかし、口蹄疫が出た時に風評被害で牛肉が出ないからいらないやと言われました。
人間関係のできてないつながりなんてあっけないもんでした。
既に牛はお肉になっており、ブロックで冷凍された状態で在庫は山積み。
こんなことしていては、とても続く話ではないなと思いました。

そのことから数を捌くという発想をやめました。
放牧だけに価値を置くこともやめました。

自分のいいねを曲げずに届けて、お客さんという漠然としたものじゃなく○○ちゃんに、○○さんに、○○さんに喜んでもらえたらいい(浮かんできた実名出しちゃいました。ごめんなさい)と思うようになりました。
自然派志向のマーケットに無理に合わせた商品ではなく、田中畜産と言う牛飼いが届けたいと思うお肉を買いたいと思って下さった方に買っていただく。
シンプルですよね。

お客さんも捌く牛も数で見なくなった時、本当に心が楽になりました。
自分のいいねって思う牛を、喜んで買っていただけるお客さんがいる。
それだけで嬉しい。嬉しいから手紙を書く。
送られたお客さんも喜んでくれてお手紙が届く。
こういったやり取りの積み重ねで1頭1頭販売しているというのが正直な話です。
飲食店さんにも卸しているのですが、全く同じやり取りをしています。

だから、たとえ大手が同じ飼い方で牛肉を生産してもそれはそれなんです。
僕としては飼い方に価値を置いていないから。

もちろん食品ですから美味しくなければいけないという事は言うまでもありませんし、放牧で行うことの意義はあると今でも思っています。
ただ、販売となるとそれだけではない。いろんな要因がついてまわります。
付加価値づくりばっかりに振り回されていては、ついてくれていたお客さんがいつの間にかいなくなってしまう。

目指すのは一生お付き合いいただけるお肉屋さんです。
だからこそ自分のいいねが価値です。
そのうえで今のお客さんを通して新しいお客さんが少しずつ増えていってくれる。

そんな形を目指しています。


なんだかあやふやな表現ばかりできれいごとを並べただけのように聞こえるかもしれませんね。

最後にちょっとだけ現実的な数字を。
今お付き合いしている飲食店様は僕とお客さんの事を考えてロース、ヘレなどの使いやすい部位は買って下さいません。
田中さんのお客さんの分までとったら申し訳ないからと言って下さいます。
そしてスネや外バラなど安価で数が多く小売りでは販売しにくい場所を事情を知って使ってくれています。
不定期出荷、個体差もすべて承知の上で買って下さるという事実。
本当に助かります。
そしてもっと喜んでもらいたくなり勉強します。
レストランに卸すホルモンを洗うのだって気合が違います。
だって喜んでもらいたくってしかたないから。こんなの戦略とかじゃないですよ。

そういった良い気持ちとお金のキャッチボールの循環は、無理をしてもけして続かないと思っています。

但馬牛の放牧敬産牛肉は近畿中四国農業試験場の放牧熟ビーフのように同じ黒毛和種でも血統が違うための放牧で枝肉300kg近くもとれません。せいぜい180kg~200kgです。
リブロースでは熟ビーフ6.2kgに対し放牧敬産は2.8kgです。
同じ放牧仕上げの黒毛和種経産牛でもこれだけ違います。
それでも1頭?0万円の純利益が出ます。(ここはブログではあえて書きません。。。)

下手したら2~3万円で買いたたかれる経産牛が純利益で?0万円です。

今後はこれをどんどん増やしていく。
そういった発想がうちにとっては一番危険で、今の利益構造の対極にあると思っています。
自分の大切にする考え方を崩してお客さまに寄り添うのではなく、目先の利益に踊らされず、自分の大事にする部分を信じて、共感いただくお客様と一緒に進む。
そう考えて、現在子牛を販売し、削蹄をし、お肉を売っています。

ありがとうございます。


(以上、発表原稿)


と、しゃべってきました。
以上です!!!


報告なので感想はまたまた別で。。。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-11-14 19:17
放牧牛肉に抜けた取り組み その5(ブロック肉販売)
今年は放牧敬産牛肉で「ひでふく」「みつこ」という牛を、放牧牛肉では「夢」という牛をお肉にします。
(放牧敬産牛肉と放牧牛肉については「こちら」をご覧ください。)

第1陣が「ひでふく」です。
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現在、兵庫県美方郡香美町小代区鍛冶屋という集落内の耕作放棄地で放牧しています。
11月1日が屠畜日。
その後、11月下旬に「みつこ」と「夢」を屠畜しようと考えています。

放牧敬産牛肉や放牧牛肉は出荷時期が雪の降る前に集中してしまうため、定期的に定量を出荷する事が出来ません。
そのため大手スーパーや飲食店様のご要望には中々お応えできないのが現状です。
様々な通販サイトからのご注文もいただきましたが、出荷量が少ないという事がネックとなり、どのお話も頓挫してしまいました。

でも、これで良いのだと思っています。

背伸びをして大きなことをする必要はない。
今できる事を丁寧に続けていれば理解して下さるお客様はいる。
だからこそじっくりいきたい。
そのためにも我が家ではお肉販売に主軸を置くのではなく、現在の子牛販売や削蹄と言った経営の2本柱を重要視しています。
決してお肉販売を軽く見ているという事ではありません。

実を言うと以前、大きな取引をしようと焦って失敗した事がありました。
口蹄疫の風評被害で牛肉料理が出ないと言う理由で、枝肉の半丸まるごと返品された事がありました。
真空パックで冷凍して送っていたので、返ってきても解凍してさばいて再冷凍なんてできない。
結局お肉は全て消費できず無駄にしてしまいました。
その後のその取引先との取引は全て中止になったため、残りの牛たちの肉も売り切るので手いっぱい。。。

この経験から目の前の大きな良い話に乗るのではなく、今のうちのスタイルを理解していただけるお客様とだけお付き合いさせていただこう。
個人のお客様、飲食店様同様に。
そう決めました。

無理にお肉にする必要はない。
きっちり売り切り、利益を出す。
しっかり喜んでもらう。
だから更新する母牛が全て売れないと見込んだら肉にこだわらず生体で転売しています。
柔軟に考えて動いて行こうと思っています。

その上で3頭が4頭に。4頭が5頭に。
そうやって少しずつお客さんとのやり取りが出来れば良いなと思っています。
その中でお肉のカットの勉強も熟成の勉強もしていきたい。

11月1日に屠畜する「ひでふく」
今回屠畜の際、神戸のフランス料理屋さんと一緒に行くことになりました。
今までも放牧敬産牛肉の切落しを使っていただいていたお店です。
切落しだとどうしても料理の制限があるため、今回からブロックをまとめて買っていただく事になりました。

フランス地方料理MOMOKAさんと言います。
現在HPで通販もしていらっしゃるのでぜひ覗いてみて下さい。
(うちの放牧敬産牛肉「ふくさと」がお世話になっています。通販サイトの放牧牛肉カレーがめちゃくちゃ美味しいですよ。)
MOMOKAさんの通販HPは「こちら」、お店のHPは「こっち」です。

先日結婚5周年記念日に御影のお店に行ったのですが、これが文句なしに美味しいんです!
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(料理名は忘れましたがどちらも放牧敬産牛肉「ふくさと」が入っています。食べた瞬間すぐにわかりました。)
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僕は自分の友達や知り合いであっても本当にいいと思うものしか宣伝しないのですが、とにかく美味しい。
コース料理でしたが、量もタイミングも計ったようにちょうど良く、大満足でした!!
料理に対する、お客さんに対する愛情がにじみ出ているお店でした。

美味しいだけでなく、田中畜産にすごくご理解をいただいている事が本当にありがたい事なんだと思います。
僕が「放牧するので一般的な牛肉に比べて硬かったり、締りが悪かったり、、、」と話していると
「そんな話はどうでもいいです。価値観の基準なんてそれぞれの立場で違うから。」とズバッと言われちゃいました。
そのお肉自体に価値を感じるかどうかが大事なんだと。
放牧とかそんな能書きは除いて、そのお肉自体が純粋に必要か使えるのかという話から入り、その上でうちのお肉に対する思いをちゃんと聞いて下いました。

こんなふうに関わりを持って、理解いただき、使っていただけることって、あるようで案外無いのが現状。
だからこういった繋がりは本当にうれしいのです。
ぜひぜひ、予約して食べに行ってみてくださいね。

少し話がそれました。今回はブロック肉の販売のお話でした。
ひでふくのブロックは内臓も含め全て売り切れになってしまったのですが、「みつこ」と「夢」のお肉もブロックでの販売を行いたいと思っています。
価格等はHPに記載してありますので是非ご検討いただれればと思っています!!
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ブロック肉の価格等につきましては「こちら」に記載しています。

牛たちの新たな可能性を見られる事、そして素敵な関係が新たに築ける事を願っています。

よろしくおねがいいたします。


(その6へ続く)
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Top▲ | by beefcattle | 2012-10-30 16:18
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