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削蹄
昨日は美方郡の若い農家を集めて削蹄講習会が行われました。
講師は兄弟子の淀貴至さん。
関係機関も入れて22名ほど集まり講習会がスタートしました。
僕はお手伝いです。
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みんな食い入るように見ています。
(一番手前が貴至さんの弟子の森脇君)

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みんなで鉈の入れ方を見ています。
毎日削蹄について回っている森脇君はさすがにいいポジションで真剣に見ています!
真正面から見なくてはそろった蹄かどうかは分かりません。
削蹄する以前に「覚えたい!!」っていう意識の違いがここら辺を見ていても現れていますね。
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写真ではとっても伝わりませんが、ものすごく綺麗です。
まるで磁石か吸盤があると思っちゃうような、「地面に吸いつく蹄」なんです。
保定、牛に接する動作、動線、鉈の使い方、脚の持ち方、鎌の使い方、判断力、スピード、道具の砥ぎ方。
全てが一流なんですが、特に鎌の使い方と切る際の判断力が凄すぎます。

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若手農家の実践中。
このあと調整するのですが、これが結構難しいんです。
取り過ぎていたり、しゃくって(えぐって)いたり、変なとこが残っていて先のほうは過削で大出血だったり。。。
取り過ぎた所に蹄を付けるわけにはいきませんし、その蹄に合わすとなるともう一方の蹄から血が出てしまう。
でもバランス良く切らないと牛に負担がかかる。
0.1mmとかそんなレベルで鎌を回しながら、取るべきところを瞬時に判断して、動く牛をコントロールして抑え、イメージ通りの世界で切っていく技術。
とても写真では伝えられない。。。
めちゃくちゃうまいです!!!

実際に僕もみんなの切ったあと、蹄をチェックして調整していきました。
しかし、やっぱり違う。
自信を持って切った蹄。
兄弟子に見てもらって「うん、ええな」といってもらい「よっしゃよっしゃ~」と思った直後。
「ここちょっと、ここだけちょっと取ったら・・・」って2鎌ほど切ってもらいました。
再度持ち上げて見てみると全く別の蹄になっている!
「うえええ~??」って感じです。
2鎌って言ってもスーパーのビニール袋くらいの薄さで、大人の人差し指の爪くらいの大きさの削りカスが2枚だけ。
それだけでこんな変わるんかい!
そんな世界です。
本当に削蹄って奥の深い世界だと思いました。

削蹄を見た事のない方用に動画を載せときますので見ていただければと思います。
(youtubeにアップすると画質が悪くなるのはなぜ??)
動画で見ると自分のあかん所が良くわかりますね~・・・
もっと上手くなります!!!

削蹄捕獲(2:12)


削蹄①(7:40)


削蹄②(8:13)


右前肢 鉈(0:52)


右前肢 鎌(0:53)


右前肢 鉈~鎌(2:20)


右後肢 鉈(0:53)


右後肢 鎌(2:01)


削蹄左後肢~前肢(6:28)


品評会用の牛などはもっと細やかにやすりも使って仕上げます。
今年は5年に1度の和牛のオリンピック『全国和牛能力共進会』が長崎で行われます。
僕が削蹄させていただいる牛さんも兵庫県代表で出品されます。
全共用の大事な牛を鬱で削蹄休業していた最中から何度も切らせていただき、本当に励みになりました。
品評会は選手(牛)の能力とコーチ(畜主)の能力が90%以上占めますが、残りの1%でも蹄から貢献できるようもっともっと上手くなりたいです。

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Top▲ | by beefcattle | 2012-07-26 10:35
CEL
CEL(大阪ガスエネルギー文化研究所発行)にちょこっと載せていただきました。
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最近はメディアや人前に出る事からずっと逃げていましたが、写真家の太田順一さんの紳士的で真摯なご依頼にひっぱりあげられ取材を受けさせて頂きました。

記事は写真メインの4ページで文章自体は少ないんですが、散り散りバラバラてんこ盛りの僕の話をなんと丸2日もかけてじっくりと聞いてていただいたんです。(あ、熱い。。。)

頂いた雑誌を読み終わって、「2日間いっぱいしゃべったのに、締めくくりは電話ネタですか~!!」と、思わず笑っちゃいました。

でも、たくさんの情報量の中から、そういった何げないひとこまを切り取って選んでいただけた事がとても嬉しかったです。

「こちら」からPDFがダウンロードできますのでお時間のある方は読んでみてくださいね。
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どうでもいい事ですが、咲(3歳)が「たなかぁゆうとくん!」と言うと「あぁ~い」と優土(1歳)が手を挙げてお返事出来るようになっていました。
目の前で飽きもせず何度も同じ事しています。
そして今、じいじを叩いて、お母さんに怒られている最中です(笑)
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劇的ビフォア―アフターなんてものはなく、何気ないひとこまの連続が全てなのだと日々感じています。
いいね~。生きてるね~って感じです。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-07-13 20:01
放牧場をデザインする①
放牧真っ盛りの7月に入りました。

今年は昨年の7haから大きく拡大し、15haの放牧場となりました。
現在22頭の牛たちが放されています。
来年は15haからさらに、20ha~25haまで拡大したいと動いています。

でも実際は土地の少ない但馬で放牧場なんてそうそう見つからないのが現状です。
そういった原因の一つに畜産に対するイメージの悪さがあると思います。
「牛を放す事で悪臭やハエが増えるんじゃないか。。。」
「もし逃げたり問題があった時に、貸した側としてイメージが悪い。」
「問題が起きるリスクより荒れ地にした方がまし。」
「トラブルはごめんだ。」

そんな空気でいっぱいです。
そんな空気を変えたいとずっと思っています。

だからまず、自分の牛たちと放牧の凄さや、牛の可能性を伝えられたらって思っています。
放牧をする事で、牛が地域にいる事で、そこに住むみんなが恩恵を受ける放牧。

お隣の豊岡市ではコウノトリを軸に地域振興、環境保全など進めています。
僕自身も豊岡に行った時にはコウノトリを自然に探しちゃう。
そして見つけたら嬉しい気持ちになる。
そう思っちゃう瞬間が悔しい。

但馬を車で走っている時に、
「但馬牛いるかな~?いたらいいな~。あ!いたいた~!!うれしい~。(誇らし~い)」
そんな気持ちを但馬牛で提供出来たら。。。
ずっと思っています。

放牧をする事で畜産農家には飼料費の削減、糞尿処理の軽減、労働費の削減など経営的に大きなメリットがあります。
しかし、畜産農家の為の放牧にしてしまうと続かないものになってしまう。と僕は思います。

牛を放せるだけ放して、めいいっぱい放牧すると、草ボウボウに荒れていた土地は一時的に綺麗になりますが、やがて裸地が目立つようになり10年程度で放牧に適さない土地になります。
そしてそこでの放牧をやめ、次の放牧場に移る。
そんなパターンが目に見えます。

そうではなくて、牛がいる事で永続的に地域に利益を産みだせる放牧。
畜産農家も地権者も地域も関わる人もみんな潤う放牧。

そんな放牧場をデザインしたい。

うちの放牧場は森を含んでいます。
国土の8割が森林。
但馬にいたっては9割5分が山です。

自分が事業に行き詰った時、山の上から見た景色に感動しました。
「そこらじゅう山やんか。ここに牛を放せる仕組みを作れたら凄い事になるんちゃうか。」
勘違いでもそう思いました。

しかし、いくら理想を叫ぼうが、見ない事には理解していただけるはずもありません。
だから自分で放牧場をデザインしようと思いました。

実際は思うようにいきません。
「おい!牛が逃げてるぞ!!」なんて電話もあるのが実情。。。。
毎日汗だくになって間伐したからと言って、森の植生は急に変わるわけではない。
牛のペース、山の時間、人の思い。
上手に紡いで編んで行かなくては良いものは出来ない。

でも、長く長くゆっくりと。
陸地は見えなくても目指す方向へ舵を切って、最短30年計画くらいで。
じっくりじわじわ沈没しないよう目の前の仕事を着々としつつ進む。

いつの日か、牛と人の新しい居場所が出来る事を夢見て足掻いて行こうと思います。

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(具体的な取り組みは「放牧場をデザインする②」以降で)
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Top▲ | by beefcattle | 2012-07-01 19:23
自分の牛が答え
牛っておもしろい。
そして、わからない。。。

結局はどこまで寄り添えるか、というか、どれだけ向き合う気があるかなんだろな。

牛飼いを始めた時からいつも新しい情報、技術を求めて導入した。
新しい事を知る度にどんどん牛が良くなる気になった。
先進農家の完全な模倣は出来ない。
何故それを行っているのか、理屈を知って初めて導入する。
導入にはすべて自分の中で論理的に納得いくものでなければ応用がきかない。
「これならいける!」
毎回そう思ってきた。。。

でも、結局答えを出すのは自分の牛なんだよね。
目の前に答えが出ているんだよね。

いつの間にか自分が選んだ情報の中で、牛飼いや牛の在り方、牛の生理学的なものまでコチコチに固まっていた気がする。
放牧牛肉とか突飛な事してるイメージがあるかもしれないけど、、、(笑)
もっと固定概念を捨てようと思う。

もっともらしい理屈はいくらでもつけられる。
いろんな答えが理論の中にあると思っていた。
でも、どんな講釈たれようが、どんな技術を入れようが、どんな人の真似をしようが、目の前の牛が全て。
目の前の牛が答え。

どんな有名な先生も、どんな優秀な農家さんも、どんな新しい情報も。
答えなんて持ってない。

ちょっとでもわかりたい。

貴重な意見や情報もいっぱいだ。
そこらへんもいい意味で受け流して、もうちょっとわかりたい。

今、滋賀県からの削蹄帰り。
早く自分の牛に会いたい。
自分の牛を見たい。

さあ、どんどん引き算するぞ~!
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Top▲ | by beefcattle | 2012-06-27 18:00
34歳になりました~。
今日は僕の34回目の誕生日。

100人以上のリアルな友人・先輩からお祝いのメッセージを頂き、とても幸せ。
というか、こうやって近くても遠くても変わらずみんな付き合ってくれて、恐縮しちゃいます。

何というか、数をこなすだけの浅い付き合いなんてしなくて良かったな~と改めて思います。

34歳の抱負は「大切なものを大切にする」と言う事です。
周りに踊らされず、自分の信じるもの・大切な人を大切にする。
そんな当たり前のことを当たり前にやっていきたい。
多少の批判なんてほっときます。
真っすぐ生きます。

頂いたメッセージお一人ずつにお返事を書きたいのですが、今日は家族でゆっくりさせていただきますね。

大切なものを大切に。

今日の晩御飯は焼き肉(もちろん「ふくさと」のお肉)と奥播磨の純吟の袋しぼり(22BY仕込み第35號)!!
ご飯のあとは子供の大好きなケーキです!
思いっきりロウソクに「ふ~っ」ってしてもらおうと思います。

3人目もお腹の中に。

みんな大好きです。
ありがとうございま~~~~す!!

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Top▲ | by beefcattle | 2012-06-19 18:17
姿勢と経験
今日も削蹄でした。

ここ1週間は毎日午前午後と削蹄が入っていて、正直朝から精神的にも肉体的にもイマイチでした。
今日は僕一人だけでの削蹄で、8:30~12:00までに13頭がノルマ。
繁殖牛なので普通なら十分切れる頭数なんですが、1頭目から絶不調。。。。

「今日はほんまあかん日や・・・」

そう思いながら無理して焦って切っていましたが、なかなか思い通りの蹄にならない。
焦ると牛は動く。(でもダラダラ時間かけるともっと動く)
そうすると時間がかかり、余計と焦る。
全然うまくいきません。
4頭切り終わった時点で「13頭は無理や。。。というか、今日はもう切りたくない。。。」と思っちゃいました。

そして、正直に言いました。
「今日半分(13頭)切れんかってもこらえて下さい。自分のペースで丁寧に切らせて下さい。」

そしたら「一馬君にまかせますよ~」と笑顔で言っていただきました。

フッと楽になりました。

ゆっくり、牛に負担をかけない時間で、丁寧に、自分の出来る、自分の思う、1頭1頭この牛にとってベストの削蹄をしよう。
そう自然に思えたからだと思えます。

気がつけばあっという間に13頭切っちゃっていました(笑)
全然しんどく無く、「あれ?もう終わったの?」
そんな気分でした。

そして、全ての牛にベストの削蹄ができました。

僕は自分の削蹄に自信を持っています。
でもね、過信はしていません。

それはいつも真横で圧倒的な実力差を兄弟子に見せられているから。
だから毎回毎回「もっと上手くなりたい!!!!」って思っています。
あの削蹄に1歩でも近づきたい。そう思える人がいます。
そしてその人は今も上手くなろうとしている。。。

僕は、この人の削蹄に1歩でも近づくには2つの絶対条件があると思って削蹄しています。

1つは数を切る事。
シンプルだけど事実。圧倒的に切った数だけ経験値は上がる。

もう1つは1回の削蹄、1頭の牛、1つの蹄に対してどれだけ真摯であるかという事。
自分が牛のために出来る事を妥協せずどこまで考え続け、切り続けられるか。

その姿勢で1頭切れば自分にとっての経験値になる。
その数の積み重ね、積み重ねでしか近づけないと思っている。

例え数を切ろうと
「まあ(納得できんとこはあるけど、キツイから)ここでやめとこう」とか妥協したり
「俺はもう十分切れるから、もうこれで大丈夫」とか現状に満足しちゃったり
そんな削蹄をしてたら近づくどころか遠ざかっていく。

そういうつめきりをしたらした分だけ、下手になる気がする。
いくら切ろうが切れば切るほど今よりもっと下手になる。

削蹄というのは本当に「浅く深い」
突き詰めればどこまで行くのか想像もできんくらい深い。

でも、一方でいいかげんな削蹄をしてもまかり通ってしまうのがこの世界。
だってほとんどの農家さんは削蹄師が「これで良いです」って言ったらそういうもんだと思っちゃうもの。
一見蹄の長さが短くっなったって、裏が全然すけていなかったり。そろってなかったり。
そんな削蹄はざらにある。

例えば、ものすごく暴れる牛で、僕が「あと1鎌だけ入れたい」と思って、何度も踏ん張って踏ん張って牛の脚持ちをし直して、シュっと1鎌入れたとしても入れなくても農家さんには絶対わかんない。
分かっているのは自分と牛だけ。

別に僕が削蹄うまいよって話してるんじゃないよ。
そもそも僕は自分より下手な人と比べて優越感持ったりしている暇がないというか、気が無い。
ただ、淀貴至という兄弟子の蹄を日々見て、「何で違うんや!!」という強烈な思いがあるだけ。

1つの蹄に対して妥協せず、真摯に向き合う。

今日削蹄をしていて強く感じた。
いくら焦ったって何も進まない。
自分の能力以上のパフォーマンスは出来ない。

自分の能力を十分発揮できれば、自分の能力の仕事が出来る。
それを続ければ能力が上がり、妥協すれば能力は下がる。

姿勢と経験。

そんな事を今日強く感じた。

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Top▲ | by beefcattle | 2012-06-01 23:51
いい感じかな
ご無沙汰です。日々元気に生きています。

ここ1週間は地元香美町、新温泉町、鳥取と毎日削蹄漬けです。

削蹄が終われば夕方から放牧場の整備しにチェーンソー持って山へ行ったり、放牧場拡大に向けて色んな人と水面下で調整中。

イタリアン(牧草)も穂が出ちゃって刈らなあかんのだけど、手が回らん状態で、何とかお肉の発送したり、家の牛見たりして、子どもが保育園から帰ったらめっちゃ可愛いのでみっちり遊んだりして、9時には寝ます!!

そんな感じで気づけば色んな事を同時並行で進めるようになりました。

放牧場も7haから15haまで今年は広げられそうです。
来年は20haいけるよう動いています。

他にも水面下調整中の案件いっぱいあって溢れちゃいそう(笑)

いい感じでしょ。

弱った時こそみ~んなが助けに来てくれました。
笑えるくらい、泣けるくらい俺は人に恵まれているなって思っています。

回していきます。

いっぱい甘えて、力を借りて。

還元していきます。

ブログも何とか書きたい。

夜間の会合や会議は厳しいですが、いっぱい働き、いっぱい愛し、いっぱい寝て、生きていきます。

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曲がり道もあるけど、自分なりに真っすぐ生ききりたいな。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-05-29 18:44
お知らせです。
プロバイダーの変更により以前から使っていた cowzuma@muraoka.neotown.ne.jp が5月いっぱいで使えなくなります。
田中畜産のメールアドレス cow(あっと)tanatiku(どっと)com は今まで通り使えますので、御用の際はこちらまでお願いいたします。

また、日中は踏ん張れますが、夜間はずっと調子が悪いので電話も電源を切っています。
ご了承下さい。

メールの返信、お肉の発送も1週間くらい気長に待っていただけると助かります。

日々できることに力いっぱい踏ん張っています。

明日は加古川で削蹄です。

共に日々生ききりましょう。

いつも不定期なブログに足を運んでくださり、ありがとうございます。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-05-22 20:13
おまつちゃんと特産松阪牛
一昨日は但馬家畜市場5月子牛市でした。
市場平均は
去勢395,182円
雌 362,786円
非常に厳しい相場でした。。。

我が家からは雌1頭出品。
照忠土井×福芳土井×第2安鶴土井
おまつちゃんといいます。なかなか良い牛になってくれました。
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市場平均が厳しいなか、松阪の松本さんが平均より10万円近い値で高く買って頂きました​。
ありがとうございます!
もげかけていた首の皮がつながりました!
ちょっと神経質ですが、もくもくと食べる子です。
また松阪まで見に行きたいな~~。
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と言う事でおまつちゃんは松阪牛になります!!
しかも松阪牛の中でも『特産松阪牛』という特別なお肉。。。
特選松阪牛じゃなく、特産松阪牛です。

お肉の世界には格付けというものがあります。
「これはA-5のお肉です!!」といううたい文句、聞いたことないでしょうか?
枝肉市場でのお肉の基準には大きく分けて2つのポイントがあります。

1つ目は牛に対してどれだけのお肉が取れたか。
歩留まりと言い、牛1頭に対して使えるお肉の割合が多いほどいいという考え方です。
歩留まり基準はA~Cに分けられ、お肉が取れる割合が多い牛がAとなります。

2つ目はどれだけサシ(霜降り)がが入っているかどうか。
A5の「5」は簡単に言うと5に近づくほど霜降りが入り、1に近いほど真っ赤っかなお肉と言う事です。

つまりA5とはお肉の量もしっかりとれ、霜降りもしっかり入っているお肉。
と言う事になります。
そしてそれを基準にお肉の値段が決まります。

だからこそ僕ら繁殖農家は、霜降りが入る系統や掛け合わせを考え、子牛を産ませ、親牛の選抜をします。
ちなみに僕のやっている放牧敬産牛肉は格付けすればC1の最低ランク。
とれも『セリ』では売れません。。。。(笑)

松阪牛には1頭1頭、1パックごとにA5だとかB3だとか店頭で格付けが表示されます。
しかし、但馬牛を素牛とする「特産松阪牛」だけは格付けが表示されません。
(格付け欄に特産松阪牛と表示されます)

サシがびっしり入っていても、そこそこでも、あんまり入ってなくても「特産松阪牛」です。

この特産松阪牛、実際は松阪牛の中でも1割もいないんです。
言い方を変えれば特産松阪牛はあまり儲からない牛なのです。

特産松阪牛は小柄な但馬牛を素牛としているので、取れるお肉の量は他の黒毛和種より少なくなります。
おまけに通常の松阪牛に比べ肥育期間が長く、コストがかかります。
そしてその分単価が高いかと言えば、それは、『それぞれ』なのです。

特産但馬牛は基本的にお肉屋さんとの相対取引なので、新規で特産松阪牛に取り組んでも買い手がいない(普通の松阪牛と同様に格付けのみでの評価になってしまう)とか、見た目ではないお肉自体の価値を伝えられるお肉屋さんの数が少なくなった事、お肉の価値を理解いただくお客様が限られている事など、色んな要因があって特産松阪牛の頭数は少ないというのが現状なのです。

それでも特産松阪牛(但馬牛から育てる松阪牛)をつくるのは何故なんでしょう?

毎年何千万円もの値が付く松阪牛共進会。
これに出品するためには但馬牛を素牛としなくてはいけないという規約があります。
だから、共進会用のためだけに但馬牛を飼っている!という農家さんもいました。
特産松阪牛に関わる方々にはそれぞれの色んな思いがあって当然です。

ただ、それでも僕は、そのお肉を扱うお店や但馬牛にこだわる方々がいるのは、『おいしい』からだと思うのです。
サシのあるなしではなく、おいしいから。

このあいだやまけんさんとも話したんですが、僕は放牧敬産牛肉が美味しいのは放牧云々でなく、但馬牛だから、経産牛だから、だと思っているんです。
だから放牧に適した日本短角種で同じ事をしても、肉の量は取れるかもしれないが「この味」は出ない。
(短角が美味しくないって言う意味じゃないよ)
そう確信しています。

そして、お肉に関わるほどに但馬牛ってすごいな~って思うんです。
(但馬牛については「こちら」をクリックすると詳細が出ます。)

だから、「但馬牛のメスを3年近く飼いきった牛が美味しくないわけないやん!」
と、思っちゃうのは生産者のエゴかな?

そのくらいの評価しても十分な牛だと思います。

僕の友人が本屋で見つけてプレゼントしてくれた本。
SUKIYAKIすきやき
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特産松阪牛の事、それに関わる人間の事、そして牛に対する想いが書かれています。
畜産農家の視点から見ても全く違和感なく、「そう、そうなんだよ!!」って言いたくなってしまう本です。
これは日本中の学校の図書室に置きたい本です。
日本人なら1冊は持っておきたい本です。
是非買って読んでみてくださいね!!

牛の事、農家の事、お肉の事、ぎゅ~っと濃縮されています。


あ~、食べたいな~。
おまつちゃんのすき焼き。。。。
食べたくなった~。
3年後か~。。。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-05-10 19:23
『食』
今日の昼はパスタでした。
パスタを食べながら、「パスタって小麦だよな~」っと当たり前のことを考えていました。

外国では小麦が主食っていう国が多い。
日本ではお米が主食。

なんか当たり前すぎる「事実」だよね。

パスタ食べながら、ふっと想像してみたんだ。
「小麦が食える!」って分かる以前の時代。
「お米うめぇ~」って気づくまでの時代、過程。。。。

何億年も前から生き物は食べ物を求めてきた。
猿から人になる過程でも、色々なものを食べる食べない選別し続け、それに合わせ肉体までも変化させてきた。
実際に日本人と欧米人では体質が違う。(腸の長さだったり、アルコール分解酵素の多さとか・・・)

それと同時に食べる物の選抜、栽培するという発想、そしてその品種の選抜を行ってきた。
何千年という試行錯誤の中で「米」や「小麦」や「芋」が誕生してきた。
牧畜などもそうだろう。

僕がどういった生き方をするなんていう試行錯誤は、歴史の中の一瞬でしかない。
そういった各々が生きていくために人生をかけてきた一瞬が積み重なって、今の「食」を形作る。

今、目の前にある米一粒は半年かけて百姓が作ったものではない。
但馬牛にしたってそう。先人の土台で商売しているだけ。
もちろん各々が各々生ききっている。
真剣に生きている。

そんな一瞬の積み重ね。
何万年分の思考錯誤の繰り返しだという事を、その重みの何億分の一かでも、今感じる事ができるだろうか。。。
僕は今日の昼までそんなこと全く考えもしなかった。

同じように食べ方についても、生きていくために何万年という過程の中、必死で積み上げられてきた。
だから世界中に、日本中に、僕の住む香美町という過疎の町内ですら、地域によって伝えられている食べ物、食べ方、保存方法、無数源にある。

僕が初めて自分で飼った牛達、その牛糞をフォークで切り返しして、出来た堆肥を田んぼに手でまき、米を作り、鎌で刈り、稲木に干し、壊れた冷蔵庫を改造して糀室を作り、その米から麹を作り、自分の米だけで作った『どぶろく』
なんとも言えない味で、最高にうまかった。
昼間から毎日牛舎で飲んでたもん(笑)
また飲みたい。
でも、あのどぶろくは売ってない。

実は僕がずっと心のそこから食べたいと思っている料理がある。
それは、隣のお婆さんが作っていた『ハタハタのなれずし』
初めて食べた時の、あの感動は忘れられない。
「絶対に教えていただこう!」
そう思っていた矢先、お婆さんは他界された。。。

気づけば「パスタをゆがいて市販のソースかけていっちょあがり」
「コンビニでおにぎりとパンを買って昼飯」。。。

これはこれでいい。
便利さの代わりに得ているものもいっぱいある。
昔に戻れって言われても僕には我慢できんだろう。

でも、何千年、何万年と積み上げられた「食」が今急速に消失していくのが見えた気がした。
目の前で、見えた気がした。

スローフードなんて言うカテゴリーに組み込んだら駄目だ!
積み上げられた食はベースであり、基盤なんだ!!

そんな事も忘れていた。

確かに便利になった。
でも、もうあの「なれずし」は一生食えない。

全ての人間が食に関わっている
食品業界だけの話ではない。

日本人として、但馬の人間として、牛飼いとして、父として、僕は何が残せるのだろう。。。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-05-08 16:10
"Fallen Leaves" Skin
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