カテゴリ:牛( 51 )
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サシバエ
サシバエってご存知ですか?
夏から秋にかけてやってくる血を吸うハエのことです。
大きさは5㎜程で見た目はイエバエのような姿。
しかしよく見るとイエバエに比べ羽がとがっており、二等辺三角形のようなフォルムが特徴です。
そしてなによりこの「くち」
イエバエのブラシのような口ではなく、血を吸うため針のようになっています。
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このサシバエに刺されるととにかく痛い!!
僕も何度もやられていますが、とまった瞬間に針を刺すので、身構える間もなくただただ痛いのです。

我が家の場合、サシバエは田んぼから一斉にやってきます。
だから田んぼに近い牛は、足にも胸にも1日中サシバエだらけ。。。
見ているだけでい痛々しいです。(この写真に写っているだけで30匹ものさしバエが確認できます。)
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牛は落ち着いて寝ることもゆっくり餌を食べることもなく、四六時中痛いものでチャカチャカ動きます。
これだけでもサシバエによる牛のストレスや経済的損失がとても大きいことはすぐに想像ができます。

ただ、サシバエの駆除はなかなか難しいのです。
イエバエのように誘引剤(餌で釣ってやっつける)が効くわけでもなく、煙霧消毒の機械で殺虫剤を散布しても一時しのぎでしかない。

サシバエは草の中で休息しているため、牛舎周りの草を刈ることで休息場所を無くし、発生を抑えることもできます。
しかし、いくら牛舎まわりの草を刈っても隣の敷地は田んぼ。。。これではいくらでもやってきます。

毎年毎年痛そうにする牛を見て、今年はサシバエネットを導入することにしました。
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サシバエネットには防風ネットを使います。
一般的な防風ネットは穴の大きさが4mmなのですが、それではサシバエが入ってきてしまうことがあるため2mmのネットを使います。
また、通常はネット幅が2mのロールしかないのですが、間口の高さに合わせたものを特注で作ってもらいました。

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網の目を2mmにすることでサシバエは入ってくることができません。


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ネットには上下にずらーっとリングをつけてもらい、上にはワイヤーを這わしてカーテンにしました。
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カーテンが風で持ち上がらないように、カーテンは間口の高さより1mほど長めにして、カーテン下のリングにはチェーンをつけて重しにしました。
(リングがない場合はカーテンに直接結束バンドとチェーンを取り付けると簡単です。)
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実はこのサシバエネットは兵庫県の畜産試験場がすでに結果を出しているもので、酪農の現場では全国的に普及しつつあります。
削蹄先の肥育農家さんでも使っているところがあります。

この2mmネット、効果は素晴らしく高いのですが欠点もあります。
それは網の目が細かいためホコリ等で目詰まりして通気性が悪くなるということ。
そのため年に数回掃除などのメンテナンスが必要だということ。
通気性が悪くなると、夏場の暑い時期などは牛にとってサシバエ以上に負担が大きくなります。
これが僕にとってサシバエネット導入のネックになっていました。

そこで壁にネットを直接張り付けるのでなく、カーテンのように可動式にすることで開閉時にホコリが少し落ちるようにしました。
更にカーテンの長さに余裕を持たし、チェーンで重しをしてカーテンを「斜め」に垂らすことで、雨によってネットの掃除ができるようにしました。
大雨のあとはカーテンが新品のように綺麗になっています!!
また、ワイヤーに通してあるので冬は外して、春からまた付けることも簡単です。

2mmネットのカーテン、これはとてもいいですよ!!

風が吹いてもチェーンがあるのでこんな感じ。
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中から見るとこんな感じで斜めになっています。
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今回は様子見もあり牛舎の1面のみの施工でしたが、来年は他の面も設置しようと思っています。



さて、2mmの防風ネットはとても良いことは分かっていたのですが、それとは別に6mmの防風ネットも試験的に取り付けてみました。
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6mmのため通気性はとても良く、壁に貼り付けてもホコリもあまり付きません。
ただ、6mmと目が大きいためサシバエはネットを通り抜けることができます。。。

実はこのネットは「オリセットネット」というものでネットの原材料であるポリエチレンにピレスロイドという防虫剤を練りこんであります。
これは海外でマラリア予防に蚊帳として使われているもので、蚊帳の糸に練りこんだ防虫剤が殺虫や虫の忌避効果を5年間持続するというすぐれもの。
本当に効果があるのかはしばらく使ってみないとわかりませんね。

6mmなのでサシバエは簡単にネットをすり抜けます。
ただ、ネットを通るとき素通りというわけには行かず一旦ネットに止まってから網の目を潜ります。
この時普通なら網に止まって休息するのですが、このネットの場合は止まった矢先に足をチカチカ動かし落ち着かなくなります。
おそらく足から殺虫成分が神経に働いているんだと思います。
効能が持続するのかはまだよくわかりません。
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数日後、サシバエとオニヤンマが死んでいました。。。
カマキリとクモとカメムシも死んでいました。。。
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ちょっと怖いですね。


現在、この2mmの防風ネットと6mmのオリセットネットと設置して2ヶ月近く経ちました。
牛舎全面をネットで覆っているわけではないので牛舎内に依然としてサシバエはいます。
しかし、あれだけ親牛の足に張り付いていたサシバエが今は1匹もいません!!!
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牛舎内にサシバエはいるけれども牛の足についていないということは、今まではとんでもない数のサシバエが牛舎に入っては出て入っては出てを繰り返していたということです。
その大量のサシバエが入れ代わり立ち代わりこんなふうにお腹がはちきれんばかりの血を吸っていたのかと思うと。。。。ぞっとしますね。。
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結論。
サシバエネット(オリセットネットはまだ判断しかねます。。。)は本当におすすめです!!
特注の2mmネットは2枚で20,000円ほどでした。

牛がおちついているのって、いいもんですね。
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実にいいもんです。

















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Top▲ | by beefcattle | 2014-10-26 21:08 |
牛匠 上田
削蹄の兄弟子でもあり、牛飼いの大先輩の上田伸也さんが城崎に精肉店をオープンされました!!

牛匠上田
兵庫県豊岡市城崎町湯島232番地 tel 0796-32-4129
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志賀直哉の「城の崎にて」で有名な城崎温泉。
そのメインストリートにお店はあります。
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このお店では上田畜産で育った但馬牛のみが販売されています。

上田さんは5年に1度しかない和牛のオリンピック『全国和牛能力共進会』に兵庫県代表として3度出場し(種牛4頭、肥育牛1頭)、兵庫県の畜産共進会では5度の名誉賞(農林水産大臣賞)、昨年度は神戸ビーフのセリで一番大きい「第178回神戸肉枝肉共励会」にて名誉賞(農林水産省生産局長賞)を受賞されるなど、全国でもトップレベルの牛飼いさんでもあります。

この方の凄いところは書ききれないくらいあるのですが、とにかく現状維持で満足されているのを見たことがないです。
とにかく妥協しないです。思考に、行動に、結果にとことん向き合って常にバージョンアップされているような方です。
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その上田さんが出すお肉は普通の但馬牛や神戸ビーフではありません。(※神戸ビーフに該当するお肉も牛匠上田では「但馬牛」として販売されています。)

従来の穀物メインの肥育法ではなく、ソバ、ごま、アワなどの素材を中心とした独自の自家配合飼料で育てられた牛たち。
この牛たちの脂はびっくりするくらいさらりとして、口の中に甘みが残ります。
サシはたくさん入っていてもくどくない。胸やけのしない脂。
脂の多い肉食べて不健康という方向でなく、食べることで健康になる霜降り肉。
一見矛盾しているようですが、いざ食べてみるといわれていることがわかる気がします。

とくに顕著なのが脂の質です。
魚の脂に近い不飽和脂肪酸(ω脂肪酸)を豊富に含んでいるため、こってりとした一般の霜降り牛肉とは全く別物のお肉になっています。
今回購入した牛たちも脂肪の融点が13度と驚くほど低く、生で食べても口の中ですっと溶けてしまうようなお肉でした。
(生食用のお肉は販売していません。僕は自己責任においていつも色んなお肉をまず生で食べます。マネしないでください。)

僕の説明では魅力が伝わらないかもしれないので、お肉の写真を。。。
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肉の最高級部位、ヘレステーキ。
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見るからに美味しそうな焼き肉用。脂の照りが違います。

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そして、この切り落とし。脂だけでなく赤みの甘さもしっかり感じられとてもお勧めです!!!


僕は仲の良い方の商品でも自分が良いと思わないときは絶対宣伝しません。
いまいちな時はだんまりを貫きます。

美味しいです。
ぜひ皆さんもご賞味ください!!!


また、「お肉を家に持って帰るまで待ちきれない!!」って方も大丈夫!
店内には上田畜産の肉を使ったメンチカツやコロッケが販売しています。
このメンチカツがまた美味い。
僕が写真撮るのを忘れたくらいです。。。

そして、「牛匠上田」の正面には上田畜産のお肉が食べられるお店があります。
但馬牛いろりダイニング三國」←
こちらもぜひぜひ行ってみてくださいね!!

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ちなみに「牛匠上田」の定休日は水曜日。営業時間は10:00~18:00です。
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素晴らしい店です。
伸也さん、美幸さん、おめでとうございます!!!!



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Top▲ | by beefcattle | 2014-10-25 07:28 |
普通に牛飼い
ここのところブログもFacebookもtwitterも書くことはおろか、インターネット自体極力見ないようにしていました。
携帯電話もどこに置いたのか分からないくらいほったらかしでした。

何をしていたのかと言うと、牛を見ていました。
普通に牛飼いをしていました。
書きたい事も、書くべきことも、動きたい事も、あの手この手の布石もする暇ないくらい。
特別な事もせず、普通に牛飼いを。

今月の子牛市は2頭の出荷でした。
「ひろとみ」 丸富土井×福芳土井×照長土井 ♀ 258日齢 236kg
「おふくやま」 芳山土井×丸福土井×菊俊土井 ♀ 264日齢 271kg
おふくやまは後半肥え気味になってしまいましたが、2頭ともよくできてくれました。
2頭とも、ほんとありがとう。

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(写真は「おふくやま」)

今まで僕は自分がお肉にしてきた牛にありがとうと思ってきました。
しかし、販売する子牛達にありがとうって思っていただろうかと考えてみると、正直思っていなかった気がします。
高かった、安かっただけだったんじゃなかっただろうか。

元気でついてきてくれて、応えてくれて。
本当にありがとう。

今ここに牛たちが元気で入れくれることが、本当にありがたい。
それが当たり前な事じゃない事を知っているから、よけいにそう思う。
今だからわかる。

そして、牛に集中することでちょっとずつですが目に見えて良くなってきました。
でもね、まだまだまだまだ未熟すぎる。
牛市の夜なんか自分たちの実力が足りない事が良く分かり、久々に情けなくて夫婦二人して泣きました。

だけど、一人じゃないから進めるのだとも痛感しました。
頑張ろうと思います!

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Top▲ | by beefcattle | 2014-04-13 15:04 |
煙霧消毒
ひさびさに牛ネタ。(牛関係じゃない方には分かりにくくってすいません・・・)

昨年、マイコプラズマがらみの中耳炎が入ってきて、大打撃を受けました。
1カ月の間に1~2カ月齢の子牛を中心に6頭もの牛たちが死んでしまった。。。

50頭規模の経営から言えばこの数字は「信じられない」事態で、
正直何が起こっているのかさえ理解しがたかった。

マイコプラズマは細菌より小さく、ウイルスよりは大きな生き物。
実はマイコ自体はそんなに強烈に悪さをするもんではない。

はずなんだけど。。。

我が家は高価格の牛を生産するのではなく、子牛の価格のばらつきを無くし、全体の平均を上げていくという経営スタイル。
繁殖率の向上や、事故率の低さで地味だけど損を出さない経営を意識してきた。

だから親牛は削蹄、ボディコンディションのチェック、分娩前の増し飼いから駆虫、6種混合でワクチネーションまでやっていた。

子牛は親牛からの初乳給与とは別にヘッドスタート(粉末初乳)で確実に免疫グロブリンを確保。

生後1週齢で代用乳による人口哺乳。
それによって子牛の個体ごとのケアやこぼれを無くす。
自分なりに作り上げた強化哺乳で3か月まで発育が標準以下の子牛なんて出さなかった。

床はもちろん敷きわら(スーダンストロー又はウィート)を毎日変え、敷きわらの下はおがくずのベッドで牛体が濡れないように。
もちろん、下のオガからアンモニアが上がってくるようじゃ意味ないから、毎回しっかり追加していた。

換気にも気をつけているし、投光器による保温や、全頭カーフジャケットを着せることで熱エネルギーのロスを防いでいたはず。

生菌剤も小さいころからやっていて(牛の胃の中は微生物がいてその微生物が草を分解します。生菌剤はその微生物そのものでもあり、微生物同士の関係を安定してサポートする飼料添加物です。)、

1週齢でバイコックスとイベルメクチンで駆虫。


治療による薬、薬、と後追いの手法で無く、予防と子牛の免疫を高めることにお金を使ってきた。



はずだったんだ。。。。



でもずっとないがしろにしていたものがあった。


それは、「消毒」

今までうまくいっていたから、
削蹄で色々回ってても菌なんて持ち込まなかったから、
油断していた。

バイオセキュリティが甘すぎた。

口蹄疫でのあんな惨劇をもう忘れている自分。

それを教えてくれるかのように牛は死んだ。

(あ~、こんなこと書いてたら肺炎持ち農家とかって買いたたかれるんだろな~・・・販売する月齢の牛はピンピンして餌食ってんだけどな。)

でも、そのまま止まっていては何の解決にもならない。

1個ずつ見直して、出来ることを探しました。

獣医さん用の白衣と長靴、ずっと気になってたけど行動してなかった。。。
我が家専用の白衣と長靴を準備することにしました。
治療などの記録をきちんとつけるようになりました(嫁さん頑張ってます!)
家庭内で牛の状態の会話が少しずつ増えてきました。
(意識、状況の完全共有まではまだまだですが1歩です)
哺乳瓶の消毒、乳首を消毒液に浸すようにしました。
飲用水の消毒、色んな牛からの感染を防ぐため、毎日水を変え、消毒しています。
長ぐつを念入りに洗うようになりました。
定期的に消石灰で床の消毒してます。
そして今まではたま~にやっていた「細霧」消毒をやめ、定期的な「煙霧」消毒に切り替えました。

やってきたのがこいつ
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消毒薬を煙状にする機械。
ドイツのロッケトエンジンの技術が応用されているようで、、、ってそんなのはどうでもいい。

煙霧前
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煙霧後
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こんな感じで煙状の粒子が一気に天井まで広がります。
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違う角度から、

煙霧前
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煙霧後
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機械を動かしている時間は15分。
煙霧状態は牛舎を締め切れば1時間は持続しています。

マイコは消毒に弱いのでこれで収まってくれればいいんですが。。

でも、実際やってみて結構効果があるように思います。

秋口にサシバエによるストレスも大きかったので、そこらへんにも期待しています。


鬱になってからの大打撃。
でも、牛は待ってくれない。

僕の状態なんて待っててくれない。
当たり前だけど、当たり前のこと。


命はシビアだと常々感じます。

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この写真の親牛は「みつこ」
昨日元気な子牛を産みました。

みつこは10年前に牛飼いを始めた時からいる創業メンバー。
今はこいつだけになりました。

きっと産児数が多いから、子牛価格は安いんだろけど、特別な牛の1頭。
元気にすくすく育ってほしいです。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-02-05 20:54 |
子牛品評会
今日は子牛の品評会がありました。
簡単にいえば子牛の美人コンテスト。

我が家からは雌の部で「てるきく」が出品しました。

正直な話僕はこの品評会や共進会があんまり好きじゃありませんでした。

1等賞取ったって別に良い肉になるわけじゃない。
「農林水産大臣賞」とか、お肉売る時に宣伝に使えるかもしれないけれど、実際消費者には全く関係ない。

時代に合っていないって思っていました。

昔は品評会で1等賞取った牛は最低100万円と言った時代があったようで、子牛価格に直結する品評会には取り組む意味が十分あったと思います。
また、たくさんの子牛を産む「連産性の高い親牛」は肩つきや背線などの体型が大切。
そのためこういった品評会の場は意義があった気がします。

しかし、今は子牛価格は枝肉成績や血統構成や発育が評価のほとんどを占めます。
さらに10産を超えるた母牛の子は価格が急落するため、昔のように体型の良い牛を残し、連産長寿させる事がなくなりました。

そんなこともあってか、僕は子牛品評会に何の魅力も感じていませんでした。


でも、ここ最近考えが変わってきました。


品評会に向けて取り組むと、子牛の運動をしたり、削蹄で体型を整えようとしたり、すごく1頭の牛にかかわる時間が増えたんです。
なんか時間があったら、いつもその牛を眺めています。


僕が牛飼いを始めた当時、5頭しか牛がいませんでした。
だから1頭1頭の牛としっかり向き合えました。

でも、数が増え、50頭になると1頭1頭は見るんですが「向き合う」という感覚は無くなっていました。
こういう品評会って一見無駄に見えることもあるんですが、牛と向き合うことになるので「牛を見る目」を養う勉強にもなります。

僕は牛飼いを始めてとにかく新しい知識を導入しようと色々やりました。
知識は増えました。
でも、牛を見る目がついてこなければ知識なんて役に立たない。
今さら分かりました。

なんだかんだ言いながら品評会に魅力を感じている日々です。
ここが今の僕の牛飼いとしてののびしろだと思います。

ちなみに「てるきく」は3等賞・・・・
(3等賞は参加賞です)
発育は良かったけど、背線が緩かったです。
品評会は終わりましたが、この子は販売せず自家保留。
我が家でお母さん牛として活躍してもらいます!
期待しています!!


1等賞の1席はこの牛。
いい牛です!
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1等1席とりたいな~。
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Top▲ | by beefcattle | 2011-09-09 21:49 |
ブランド
先日三重県の松阪市に牛飼いの仲間で視察に行きました。

松阪牛は言わずと知れた日本一の牛肉ブランド。
但馬牛はその松阪牛の素牛でもあります。

視察を終え、仲間で飲んでいるときに「ブランドとは?」と言う話になりました。

先人から引き継いだ但馬牛というブランド。
これを守っていかなくてはいけないと。

確かにその通りだと思います。
僕が今牛飼いで生活しているのは先人が残してくれた但馬牛があったからです。
新規就農だろうが後継ぎだろうがおんなじこと。
先人の基盤で飯を食べている。
「ありがたいなあ」って思います。
その上で自分にどんな価値が提供できるかなのだと思う。


ブランドとは価値を提供し続けること。


でも、○○牛とかってたくさんのブランドがあるけれど、そもそも国産牛の、和牛の、但馬牛の、○○牛の、それぞれの「価値」って何なんだろう?
それがわからないでブランドを守るって言っても、守るべきものも分からない。
つくるべきものも分からない。

僕ら繁殖農家は当然直接の購買者である肥育農家の求める牛を生産しなくてはいけません。
でも、そのほかにだって肉屋、消費者、未来の食生活・・・僕らが牛を飼っていく上で見るべき視点はたくさんあるはず。

そういった話は売り上げと関係なく見えるし、曖昧だから牛飼い同士ですることはない。

繁殖・肥育・肉屋・行政・農協・餌屋・製薬会社・共済・家畜商等々立場は色々ある。
目の前のお客も仕事内容もそれぞれ違う。
でも僕はどのラインでかかわっている人も但馬牛というブランドを守る最前線なんだと思う。
だからバラバラじゃなくってみんなで自分のブランドの意味を立場に関係なく語れるようにしたい。


僕が飼育しているのは但馬牛(たじまうし)という牛。
日本の宝だと思っています。

日本で「和牛」と呼ばれているなかで90%以上を占めるのが「黒毛和種」という品種。
その黒毛和種には大きく3つの「系統」があります。
しかし実際は3つの系統の間で全国的に交配が進められ、純粋の系統はほとんど存在しません。

そんな中、兵庫県の但馬牛は「閉鎖育種」と言って他の県の牛の血液を一切入れない改良を続けており、結果純粋種が守られています。
さらに兵庫県でも僕の住む美方郡は厳しく、郡内での閉鎖育種をしているので非常に濃い血縁を持った但馬牛の集団になっています。
全国的に同じような血統構成の中、遺伝的に特徴のある但馬牛の必要性は言うまでもありません。

この但馬牛、もともとは農耕用に用いられており、昔から但馬地域は子牛を生産する繁殖地帯でした。
そこで生まれた子牛を素牛として松阪牛や、神戸ビーフ、近江牛、飛騨牛などのブランド牛がつくられていったんです。

1991年に牛肉の自由化がスタート。
安価なアメリカ産の牛肉との差別化のため霜降りの良く入る但馬牛が重宝され全国へその血液が流れて行きました。
その結果、現在はほとんどの黒毛和種には但馬牛の血液が入りました。
まさに『但馬牛の天下』といった時代があったそうです。

今の和牛の素となる牛。
それが但馬牛です。

しかし牛の場合トキのように保護していく対象でありません。
経済動物です。
経済動物とは「求められるもの」であり続けないといけない。


牛肉自由化以降、全国で和牛の改良が進み、閉鎖育種にこだわった但馬牛は霜降りでも増体でも大きく他県の牛に差をつけられる結果となりました。
以前は全国からの購買があった但馬牛も今は購買者のほとんどが兵庫県内の肥育農家です。
これは全国的にも非常に異例なんです。

こういった背景には兵庫県のブランドである神戸ビーフが兵庫県産の但馬牛を素牛としなくてはいけないという規約があるというのもあります。
しかし、見方を変えれば他県の肥育農家にとって但馬牛は魅力のない牛ともいえます。

松阪牛も現在9800頭近くいる中で但馬牛は700頭だそうです。
肉量も取れず、霜降りの派手さのない但馬牛は飼いにくく儲かりにくいのです。

もちろん但馬牛がダメということではありません。
但馬牛は他の牛に比べ脂肪の融点が低く、美味しいという試験結果も出ています。
実際僕も他県産の牛と食べ比べて香りや味が違うと感じることがあります。

遺伝的にも日本の和牛の改良の素として必要だとも思います。

長年の歴史があっての但馬牛というブランド。
良くわかります。

でも、ブランドって単なる歴史の長さじゃないと思う。

僕の友人で一般的に単価の安いホルスタインの肉をたくさんの消費者におなかいっぱい牛肉を食べてもらいたいと、自分でブランドを立ち上げ販売している方がいます。

島根で会社を興し、異端児と言われながら放牧のみで牛乳生産している仲間もいます。

彼らに共通しているのは『何が提供できるか』を考え続けているということ。

単価の高い肉が素晴らしく、安い肉はダメだなんてことはありません。
必要とされるからそれぞれに存在意義がある。
どんな業界でも価値を提供し続けるしか生き残れない。

守ってくれるブランドなんてありません。
みんな作り続けています。

但馬牛を飼っているから
ブランドを守っている。
ブランドを作っている。
それも間違ってはいない。

でも、それ以上にブランドに守ってもらっているだけなんじゃないの。

「味のわからない消費者が増えた。」
「景気が悪いから。」
ついつい言っちゃう。
ちゃうやろ。

価値を感じないから売れないだけ。


歴史の大きさは一朝一夕では得られない。
守らねばいけないものもある
但馬牛は残すべき牛だと思う。
閉鎖育種も続けていく必要がある。

でも、肉を売って、外に出て、たくさんの方と話してきたから思う。
『何を見るのか、誰を見るのか。』ってこと
子牛の発育や血統や技術論は目的じゃないってこと。


牛肉業界は冷え冷えです。
全く笑えません。

だから今、「ブランドってなんだ?」って生産者各々が考えないといけない。
「牛肉ってどうやってつくられてるの?」って消費者が勉強しなきゃいけない。
曖昧だから風評被害になる。

せっかくの但馬牛という宝。
どう守っていくのか。
そのためにどう喜んでいただくのか。
考え続けたいと思います。
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Top▲ | by beefcattle | 2011-08-06 02:49 |
きみの家にも牛がいる
牛飼いをしながらずーっと思ってきたことがあります。

「消費者と生産者の距離を縮めたい」

それは生産者と同等の知識や情報を提供するってことではないと思っています。
牛を変にデフォルメして擬人化することでもない。

僕が思うのは感覚の共有化。

自分が飼っている牛たちの肉なら絶対無駄にしたくないって思う。
「大切にしたいって思う気持ち」は安全安心な情報だけでは伝わらない。

そう思って始めたのが「放牧牛パートナー制度」です
始めてみて感じたことは、伝える難しさではなく、いかに自分が牛たちの事を知らないかでした。。。

ここ1年で自分の牛たちとしっかり向き合い、ちょこっとだけ牛の気持ちがわかってきました。

ちょこっとだけ。

でも、ちょこっとでもわかれば嬉しい。

そんなことも共有したい。

現在放牧牛パートナー制度は80人近い方に参加いただいています。
このパートナー制度の最終目標は
『きみの家にも牛がいる』状態です。

それは本当に牛がいてもいいし、自分の周りに牛を感じられる環境や心を持つってこと。
普通に生活していても、ふっと牛が頭によぎる感じ(笑)

まだまだ僕自身が課題だらけで、思ったものを全然提供できていないのが現状です。
だからこそ、地に足付けてしっかり伝えていければと思います。


僕は今の繁殖の仕事を「子牛を高く販売するだけ」「結局牛肉生産ラインの下請け」って醒めてみていました。
牛は好き。だけど、「僕は人より○○万円高く売った」とか、それだけが自分の仕事の基準だなんて。
子牛生産は趣味ならいいけど「売っておしまいってつまらん仕事だなあ」って。。。
だから品評会なんかも「ただの美人コンテスト」「時代に合っていない」「何の意味もない」って思っていました。

でも、高い牛や品評会で1等賞取る牛をつくるには牛が好きじゃないと絶対無理です。

牛を見て、牛の言葉を聞けて、それにこたえられる知識があって、実行できる行動力があって、、、、はじめて良い牛ができる。

牛が好きだからもっと牛を知りたくなる。
すると牛が答えてくれる。
そして、儲けてくれる。

シンプルだった。

もちろん先を見る目や戦略、そして自分のビジョンは大事。
色々考えることは山ほどある。
でも足元はいたってシンプル。

今のフィールドを斜めに見て新しいことをやっていても中途半端で、今ある場所でしっかり牛とぶつかって、もがいて、その中からいっぱい伝えることがある。

やっぱ牛飼いは面白い。


何にも出来ていない段階から、いつもいつもたくさんの方から応援の声をいただきます。
本当にありがとうございます。
頑張ります!



余談ですが「きみの家にも牛がいる
という本があります。
日常の中には牛がたくさんいるってことを、牛の解体の話も触れつつ分かりやすく伝えてくれている本です。
かなりいい本だと思います!
是非一度読んでみてくださいね。
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Top▲ | by beefcattle | 2011-07-27 07:37 |
放牧牛と生きる
㈱光洋さんが『放牧牛と生きる』をつくってくれました!!

(携帯電話からは映像が見られないようです。携帯の方は「こちら」からどうぞ)

㈱光洋さんとの出会いは2008年。
当時ドリームプランプレゼンテーションというプレゼン大会に出ていたのですが、大会のDVDを制作編集されていたのが㈱光洋さんでした。
そのDVDの中で特典映像として作っていただいたものが、この『放牧牛と生きる』でした。

プレゼンの大会は2008年12月、DVD販売は翌年の3月ということもあり、取材は真冬。
当然牛はすべて牛舎に帰ってきており、放牧していません。
そのためDVDに入っている『放牧牛と生きる』に放牧している牛の映像はありませんでした。。。

だけど、そんなことが全く気にならないくらい映像の完成度は高く、見ていただいた方からたくさんの応援メッセージをいただきました。
不満などあるはずもない。感謝感謝でした。

でも、㈱光洋さんは「作っておしまい」の関係ではなく、ず~っと気にかけて応援してくれていました。

「一馬ちゃ~ん、絶対放牧している映像を取りに行くから~。」
「完全版を作るから~。」
「咲ちゃんも生まれことだし入れたいね~。」
「応援したいんだよね~。」

この2年間で何度も電話をいただきました。
そして再編集したものを送っていただきました。

再編集と簡単に言いますが、すでにDVDは販売しているので㈱光洋さんとしては再編集する意味はないんです。
それなのにわざわざ時間とお金をかけて埼玉から但馬に牛を撮りに来てくれました。
そして、「後は一馬ちゃんが好きに使ってくれたらいいよ~」って渡してくれました。

本当に色んな方からたくさんの応援をもらって今があります。
でも今の僕は・・・・・全然ダメダメです。
まだ何も返せていない。

もどかしいけれど、今は地道に一歩一歩行くしかない。

受けた恩を忘れず、一生かけて還元していこうと思います。

たけちゃん、なぐもちゃん、ありがとうございます!!!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
放牧敬産牛肉は『こちら』から購入できます。
お肉達もよろしくお願いします!!
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Top▲ | by beefcattle | 2011-02-06 09:22 |
着替えました!!
大きくなってお尻がはみ出てきたので・・・・
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み~んな着替えです!!!
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あったか~い!!!!
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Top▲ | by beefcattle | 2011-01-27 22:42 |
梨サイレージ
地元の発酵食品会社トキワさんに行ってきました。
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毎年この時期には梨ワインの仕込みが行われています。
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今回僕のお目当てはこの「梨ワイン」!・・・ではなくて、ワインに使った後の「梨の搾りかす」です。

実は5年ほど前から牛のえさに使えないものかと搾りかすを分けていただいているんです。
しかし、この梨の搾りかす、甘くて水分たっぷり、おまけに細かく砕かれているのでとても変質しやすい。
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右側の黄緑色のものが絞ったばかりの梨の皮と種。
左側の茶色いものは30分ほど前に絞った梨の皮と種。
あっという間に酸化してしまうんですね・・・・
(ちなみに真ん中の白いのは実を絞ったカスです)

いつもはそのまま牛に食べさせていたのですが日持ちがしないことがネックでした。
そのため今年はサイレージ(発酵さして長期保存)にしようということになりました。

梨の搾りかすのままでは水分が多すぎて発酵せずに腐敗してしまいます。
そのため、ビートパルプという甜菜の搾りかすを混ぜて作りました。
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撹拌機でかき混ぜ、袋に入れ空気を抜きます(空気が入ると腐ってしまうため)
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これを3カ月寝かした後、牛に給与します!

昨年少量でやった時はサイレージの嗜好性は最高でした。
今年は子牛に給与して発育や血液の変化を見ていきたいと思っています。
草と一緒に与えて乾草の採食量があげらないかと狙っているのですが。。。どうなるかな。。。

そして、来年には量を増やしビートパルプの代わりに地元の米ぬかでサイレージがしたい。
それを通常の経産肥育に全期間給与して肉の味の違いを見てみたい。
そんなこと考えています。

さあ、腐らずサイレージとなるか?
3ヶ月後に乞うご期待!!









twitterもよろしくおねがいします。
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Top▲ | by beefcattle | 2010-09-22 00:00 |
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