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何を目指すのか
暑いです。
いや、熱いです。

ここは本当に2mも雪の降る美方郡なのかと。
そう思わずにはいられません。
暑くてたまりませんね。

連日36度を越す猛暑で、もうすっかりやられています。
日が照り返すアスファルト上の温度計では気温は43℃。
クーラーの無い我が家はさながら蒸し風呂です。

そんな中、牛舎の牛は意外にも涼しげな顔で夏を乗り切っています。
天井が高いから風が抜けるのでしょうか。
扇風機が心地いいのでしょうか。

一方放牧場の牛はと言えば、、、、、暑そうです。。。
朝の8時にはもう木陰に入って出てきません。

どっちが牛にとっていいのでしょう?
牛にとっての幸せとはなんなのでしょう?

一昨年の夏、同じ放牧場で親を1頭殺してしまいました。
毎日観察には上がり、体調をチェックしていたのですが、広い放牧場の真ん中である日突然死んでいたのです。
保健所で解剖していただきましたが、暑さで腐敗が進んでいたこともあり結局死因はわかりませんでした。
放牧場と言うと牛たちがのびのび草を食べ、牛に優しいイメージが強いのですが事故が多いのも事実です。

日本短角種のような牛であれば放牧場での分娩も問題ありません。
しかし、黒毛和種、その中でも特別弱い但馬牛では放牧場での分娩はリスクがあります。
また、放牧場で子牛を野放しにするのは健康かと言われれば必ずしもそうではありません。
ガリガリに痩せてしまい、栄養不足で免疫力が低下し命を落としうることもあります。

僕の夢は放牧を通して地域と牛を繋げ、牛も人も幸せに生きられる社会をつくることです。
例えば、放牧牛肉のように安定して国内で食べ物を確保することは安心して暮せる社会を作ることにつながります。
大事なのは放牧が目的ではないということ。
放牧はあくまで手段・方法なのです。

よく色々な本で放牧=善。牛舎=悪と書かれています。
僕はそうとは思っていません。
そういった一面もあるということなのだと思うのです。
牛舎でも健康的に飼われている牛はたくさんいますし、放牧場でも死に掛けている牛もいます。
逆も然りです。
放牧かどうかが問題なのではなく何を目指すかが問題だと思うのです。
その中で放牧に未来を感じたなら事故ゼロの放牧システムを作り上げればいいのです。
牛が幸せになるような「放牧」をつくればいいのです。

僕にとって放牧は手段です。
目的は「誰もが安心して幸せに暮せる社会をつくること」そして「農業を夢しか語れない産業にすること」です。
その1つの方法として僕が考えているのが放牧を軸とした牛肉生産及び地域づくりなのです。

よく、
・放牧=健康
・牛舎=不健康
・牛が山を甦らす
・輸入飼料依存
・農業の工業化
・後継者問題
・糞尿問題
・イメージ重視
・地球温暖化
・肉骨粉
・遺伝子組み換え飼料
・抗生物質
こういった言葉を聞きます。
なんとなくこんなキーワードを知っているだけで「今の畜産はダメだ」とすべてを知った気になってしまいがちです。

このような人から聞いたキーワードで語るのではなく、
・何が牛にとって本当に幸せなのか。
・何が食べてくれるお客さんにとって幸せなのか。
とにかくそこを自分なりに突き詰めて考えるべきだと思います。

求めるものはサシか、枝重か、安全安心か、味か、儲けか、伝統か、いったい価値とは何なのか、、、


何のために牛飼いをしているのか?
これから何を目指すのか?
僕は今まではそこが考えられていませんでした。
高価な牛を育てる→大きな牛を育てる→肥育農家が儲かる牛を育てる。
そこで止まっていました。
繁殖農家も子牛生産だけを考えるのではなく、食べていただく人のことまで考えて牛飼いをする。
そうなるべきなんですね。

イメージやキーワードで語る畜産像ではなく、リアルな「人も牛も幸せになれる社会」
これからも自分の目指すものを追求し、具現化できるよう頑張ります。

牛飼いって楽しいです。



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Top▲ | by beefcattle | 2007-08-16 17:56
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