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僕の財産
一昨日は『やまけん』こと山本謙治さんが会いに来て下さいました。
やまけんさんは食の流通分野では超有名な農産物流通コンサルタント。
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(「日本の食は安すぎる」 ぜひ一度読んでみてください)

やまけんさんはとにかく農業に対して真摯で、エネルギッシュな兄さんです。
出会いは4年前、京都の焼き肉『南山』さんでプレミアム短角牛試食会&セミナーがあり、
そこで講師をされていたのがやまけんさんでした。

僕の過去ブログにも当時の事がちょこっと書いてます。
よかったら覗いてみてください。
プレミアム短角牛①(2008.7.14投稿)』
プレミアム短角牛②(2008.7.16投稿)』

プレミアム短角牛③へつづくと書いておきながら、途中で書かずに放置してあるところが、このブログのあかんとこですね~。(笑)
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(4年前の写真。若いよ、僕!!)

本当は前夜の会食にも参加させていただく予定だったのですが、僕が人中が苦手なので急遽キャンセルさせていただきました。
で、翌日わざわざ会いに来ていただく事に。

なんと!今回但馬入りされたのは、僕と牛の夢、元気に会うためだったんですって。
うへ~。
うれしいです。

早速、夢と元気と顔合わせ。
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2頭とも今はまだ放牧ではなく、パドックで飼っています。
昨日、山になんとか上がれたので(雪はまだあった)5月上旬には放牧開始できそうです。
(ちなみに夢と元気は生まれてからずっと草だけ飼育の完全グラスフェッド但馬牛。)

そして牛を見た後は、放牧敬産牛肉「ふくさと」の試食会です。
(放牧敬産牛肉は「こちら」からお買い求めいただけます)
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僕:「これがうちで販売している経産牛のお肉です。」
やまけんさん:「うんうん、経産牛ね。」
僕:「このお肉、放牧なので生肉で見たら水分多いでしょう。締りがないって言うか。。。」
やまけんさん:「ええっ?放牧なの?」
僕:「はい、放牧で仕上げた経産牛なんです。」
やまけんさん:「え~!そうなんだ~!!ちょっと(生で)食べてみていい?」
(注.くれぐれも生で食べないで下さいね。)
やまけんさん:「味のある肉だねぇ。。。」
妻:「焼いてみますか?最初は塩なしでいきますか?」
やまけんさん:「お願いします!」
僕:「どんどん焼いて持ってきて~!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕:「最初のころは静岡の「さの萬」さんに頼んでドライエイジングしてもらったりして、もともと熟成にもこだわる方向で行こうと思ったんですが、結局それだと生肉で売らなくちゃいけなくなるわけじゃないですか。そうすると自分のペースで販売できない。枝肉で長期熟成すればもっと面白いのはわかっているけど、今はそこはしないことにしているんです。お金も技術も無いし。それに真空で冷凍する方が長期間もつから、お客様と向き合う時間も作れる。それがうちのペースなんです。だからこのお肉は真空冷凍で、熟成なんてちゃんとかけてないんですよ~。でも、けっこう美味いでしょ。」
やまけんさん:「いや、美味しいよこれ。本当に熟成期間それだけなの?脂もグラス(草)の味がするし、ほんと美味しいよこれ。正直、来る時はそこまで期待してなかったんだよね。でも、これ、ほんとにうまいわ。。。」って言っていただきました。

色んなお肉を食べてこられたやまけんさんに「お肉そのもの」で、とても高い評価をいただけた事がすごく嬉しかったです。

やまけんさんのブログにも書いていただきました!!(ブログは「こちら」)
もったいないお言葉です。。。続きが楽しみ~。

今回わざわざ自費で会いに来ていただいた事も、お肉そのものの評価をいただけた事も、本当に嬉しかったし自信になりました。
ありがとうございます!!

でも、一番嬉しかった事。

僕とやまけんさんを繋ごうと動きまくって下さった新田さん(僕のブログでんN姉さんと出てくる方です。)と久々に会って、みんなでお肉食べたり、牛を見て話ができた事。

そして、やまけんさんのブログを見て、何人もの方が心から喜んでくれ、中には自分の事のように泣いてくださる方々までいてくれるという事実。
「一馬君の事、ちゃんと評価してもらえてたことが嬉しい」って、電話ごしに泣いてんだもん。。。

それが一番うれしい。

ぶっちゃけ「放牧」とかそんなカテゴリーは2番目で、喜んで欲しい人がいるから喜んでもらいたいだけ。
だからお肉販売をしている。
その1つが放牧敬産牛肉。
普通に穀物肥育した経産牛も扱っている。(ただし、自分の家の牛だけ)

「今、赤身でヘルシーなお肉がブームだから売れる」とか
「インターネットで売れば売り先はある」とか
まぁ好き勝手にそれっぽく分析してくれる他人は多いけど、的外れもいいとこだよ。

赤身が売れるなら日本短角種の子牛相場バンバン上がるはずじゃないか。
ホルスの枝肉相場がなんで数百円なの?
ネットで売り先がなんぼでもあるなら、みんなこぞってするじゃない。
そして、みんなこぞってすると供給過剰で結局安くなる。
そんな事、分かんないのかな?

人と違う事がしたいとか、ブームに乗っかってとか、そんな発想自体がナンセンス。

僕のお肉を買って下さるお客様のほとんどは「赤身肉が食べたいお客さん」じゃないよ。
「田中一馬、田中畜産からお肉が買いたい」っていうお客さんがすごく多い。
だから放牧だとかそんなとこで差別化してるんじゃないの。

一人一人と関わって、一歩一歩仲良くなって、僕自身が相手にもっと喜んでもらいたくなって、そういうお肉を届けているんだ。
だからリピーター率が80%を超える。
お客さんがファンになってくれて、頼んでいないのに宣伝までしてくれている。
僕もお客さんの一人一人のファンになっている。

これって計算じゃない。
人間と人間の付き合い。

人間関係が計算だなんて、いくら稼ごうとも、なんて寂しい人生なんだろうと思う。

今回のやまけんさんとの再会も、とってもエキサイティングで、また会いたい!!って思った。
今度はどんな事でびっくりさせようとか思うと、楽しい。

そして、「一馬君の事が、ちゃんと評価されて嬉しくって。。。」と泣いて下さった方々がいたっていう事実。

ぼくの一生の財産です。

みんな大好きです!!

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(やまけんさん、日本スローフード協会の平井さん、そして新田姉さん。)
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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-24 11:56
育種価
今年の母牛産肉能力の育種価がでました~。

育種価と言うのは牛の能力の偏差値です。
偏差値なので絶対的なものではなく、相対的なもので毎年変わります。(大変わりはしませんが・・・)

育種価には枝肉重量、ロース芯面積、バラの厚さ、皮下脂肪厚、歩留まり基準値、脂肪交雑の6項目があり、それぞれA~Dで表されます。
重要視するのが脂肪交雑と、枝肉重量。

兵庫県内の但馬牛で枝肉成績の出ているもののうち、
上位0.13%以内 がA+++
上位0.13%~2%以内がA++
上位2%~10%以内がA+
上位10%~25%以内がA
上位25%~50%がB
上位50%~75%がC
それ以下がDとなります。

入試を思い出させるような、なんとも言えない評価ですが(笑)
その牛の能力を見る一つの指標になります。
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当然、若い母牛は子牛の産肉成績がまだ出ていないから、育種価は出ません。
あくまで【現時点で分かっている牛】の産肉能力の偏差値です。
でもこの育種価、絶対的な指標ってわけでもないんです。

牛と言うのは豚や鶏と比べ、お肉になるまでの期間が長く、3年かかります。
だから改良スピードというのは他の家畜に比べゆっくりなんです。
そのため非常に個体差が出ます。

例え最高の霜降りが入った牛と全兄弟(同じ父と母から生まれた兄弟)で、同じ農家が、同じように飼っても、同じ結果にならない。
そんな動物です。
脂肪交雑【A+++】の子牛より【D】の子牛の方がサシが入ることだってあるんです。
そこら辺が牛の面白さだとも思います。

そうは言っても確率で言えば【A+++】の子牛の方がサシが入ると思います。
そういった何となく半分あてにできる数値が、育種価です。

当たり前ですが育種価はその牛のすべてではありません。
例えオールDのお母さん牛でも、お肉になってたくさんの方を喜ばせる事が出来ます。
A++でも繁殖成績が著しく悪くっちゃ話になりません。

ただ、和牛繁殖業をしていく上で、育種価の高い親牛をそろえているって言うのは大きな財産になります。
そのため育種価の高い親牛の子が高値で売買されるのです。
(育種価の高い親の子が必ずしも好成績を残すわけではないので、ここら辺は博打みたいなもんです。)

我が家は元々、人がいらないと言った「おばあさん牛」を集めてきて牛飼いをスタート、拡大してきました。
当然育種価はD、D、D、D、D、D、D、、、、、(笑)

内心「くそ~」っと思いながら牛を飼ってきました。
地味に自分のとこで生まれた子牛を自家保留し、お金が少したまればちょっぴり無理して市場で良い子牛を買う(なかなか買えないんですが・・・)そうやって、10年かけてちょっとずつ更新していきました。
「良い子牛さえ飼育出来れば、良い農家さんに買ってもらえ、いい成績が出るはず」
「だから見栄えや体重より、まずは肥育先で餌を食う牛を育てよう」
「その結果が育種価で、いまいくら焦ったところでどうしようもない」
そう言い聞かせて牛飼いしていました。

そして先日、4年前に市場導入した「てるこ3」の育種価がでました。
脂肪交雑「A++」でした~!!びっくり!!!(脂肪交雑の育種価が2超えると嬉しい~。)

育種価の高い親牛をよそから引っ張ってくる事もあるんですが、それとは全く違う感じ。
だって、その親牛の育種価は以前飼っていた先の農家さんの子牛成績だから。
でも、今回のてるこ3の子牛達は全部僕が育てた牛達。
なんとも嬉しいです。
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(てるこ3を買っった当時は興奮して調教までしてました・・・(笑))

もちろん50頭も親がいれば色んな親がいます。
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この子の育種価はオールD!!!
しかも超お婆さん!!!!

市場価値はほとんど無いんだろうけど、創業時5頭で始めた時からの唯一のメンバー。
とっても更新できません。
大事な大事な牛。

そんなあてになるんだかならないんだか微妙な育種価ですが、重要なセールスポイントです!!
と、言う事で宣伝!宣伝!!

我が家にいる「てるこ3」の系統(てるこ3の親も婆ちゃんも買いました)

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3代にわたって脂肪交雑が高育種価。我が家の看板ちゃん達です。

この子が「てるとよきく2」
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生後55日。
美牛でしょ~う。
雄だったら兵庫県の買い上げ対象で種雄牛候補だったのですが・・・メスでした!
(でも今の心情は、オスでもメスでも元気ならいい。もうそれだけでいい。って感じです)

この子は10月市に出品予定です。
菊西だけど、良い子だと思います。
目に合えば連れて帰ってあげて下さいね~。

と、育種価話に絡めた宣伝でした!
(って今宣伝する話じゃないな・・・・)
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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-19 15:35
ヘマトクリット値と盲点
家畜保健所に無理を言ってお願いした『母牛も含めた全頭検査』
マイコプラズマはbovisもdisparもオールマイナス。ってことは以前のブログにも書きました。
今回は違うお話です。

実は今回行った血液検査で、1列だけヘマトクリット値の高い牛群がありました。
ヘマトクリット値が高いというのは、「脱水ぎみ」恐れのあるの牛がいるっていうこと。
そして、それが『1列だけ』あるということ。

「おっかしいな~」と思い、早速ウォーターカップを見てみました。
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これがウォーターカップです。十字模様のベラを押すと水が出る仕組みになっています。
押してみるとジャジャジャ~と出るはずが、ちょ、ちょ、ちょちょろちょろ~っとしか出ません!!
しかもヘマトクリット値の高い1列だけ。。。
「何故だ~?」と早速分解してみる事に。
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取ったらこんな感じ、ただのステンレスのボウルです。

押しベラの下はこうなってます。
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押しベラが出っ張りを押して、出っ張りの下のくぼみから水が出る仕組みです。

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ばらすとこんな感じ。意外にシンプルです。

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おおおおお!!詰ってる!!こりゃ水出ないわ!!!

『ウォーターカップ=水の出る物』と思っていましたが、完全に盲点でした。。。
(全く水が出なければ糞がコロコロになってわかるのですが、ちょろちょろをちょっとずつ飲んでたんだね。。。ごめん。。。)

便利なものほど盲点がある気がします。
今回は明らかに僕の過失でした。。。

我が家の水は牛も人もおんなじ井戸水です。
保健所で10数項目の水質検査をして、「こんなにきれいな水だなんてびっくり!飲用水としてなんの問題もありません!!」と太鼓判を押していただいた水。
と~っても美味しいんです!
外出には必ず我が家の水を持って行くくらい美味しい。

井戸の掘削業者いわく、3キロほど下流に香住鶴という地酒の蔵元があるのですが、そこで組み上げている水と同じ水源ではないかとのこと。
そりゃ美味しいわ。。。

しか~し、井戸水ならではのデメリットもあるのです。
まず、ポンプが電動なので停電すると水が出ません・・・・・
次に、井戸水なので微量の砂が混じる事があります。(といっても5年に1度家の水道の蛇口にちょっとついている砂を落とすくらいのレベル)

今回、牛舎で水の出が悪かったのは、水道配管の一番最後の列でした。
行き場のない微量の砂が、何年も積もり積もって錆も出ていたようです。。。。

と、言う事でウォーターカップ大掃除作戦決行!!!

スッキリです!!
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これで水がジャジャジャジャ~っと勢いよく出るようになりました!!!

血液検査が見落としがちな所を教えてくれました。
思わぬ収穫!!!
いや~、本当にしてもらって良かった。

Nちゃん、アドバイス&ご指摘ありがとうね!!!

ちなみに子牛はウォーターカップではなく、水槽で水を与えています。

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以前はウォーターカップでしたが、飲水量が牛の強弱で違いが出たり、一気に飲める量が増えるため、水槽式です。
ちなみに毎日水は変えます。
全然餌の食いが違います。

しっかり牛見なきゃね~ってお話でした。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-18 22:14
価値観
昨日のお昼は親友のM君が来てくれて、神戸にあるフレンチのコックさんとうちを繋いでくれました。
とてもワイルドで、熱くって、思いを持ってて、話しの速い(頭の切れる)コックさんでした!!

『肉そのものの、味のあるお肉が欲しい』

そう言っていただき、自己紹介もお互い特にしないまま、まずはお肉を食べていただき、即本題に。。。

お話させていただいたコックさんはすっごく真っすぐな方で、ストイックなんだけど商売のバランス感覚が素晴らしくって、「こんなおっちゃんになれたらいいな」と素で思っちゃいました。

そして、こんなお店で使っていただけたら嬉しいな~って思いました。

我が家のお肉は基本的に小売りがメインで、お問い合わせいただいても飲食店さんへの卸しは意識してして行なっていませんでした。
それは、単に相手側が「放牧」っていう看板が欲しいだけの場合が多くって、後は単価が合うかどうかだけで見られていたから。
僕の思いは別にいいとしても、お肉自体の評価が2番目で、「そりゃ何かちゃうやろ?」「売れれば何でも良いってもんでもないやろ?」なんて思っちゃって。。。
それならひとりひとりに小売りでお届けさせていただこう!
販売量にはこだわらない!!
そんなスタイルでした。

でも、今回のお話で、使っていただけるかどうかはまだ分かりませんが(結構具体的な話まで良い感じに出来たので凄く楽しみで、でもそれはまた別の話で出来ればしますね。)
僕自身とても自然体で無理せずお話や商談をさせていただき、そのことで放牧敬産牛肉の道がかなり具体的に見えてきた気がしています。

使っていただける時にはご報告させていただきますので、のんびり待ってて下さい。
どのみち11月までは次の牛は屠畜しないので、、、のんびりでお願いします(笑)

今回コックさんとお話しさせていただき、とても印象に残ったのが「価値観の基準がそれぞれで違う」というお話でした。

例えば「放牧する事によって脂が黄色くなったり、締りが悪くなって水分の多い肉になってしまうんです。」と放牧することの一般的なデメリットを話すと。
「脂肪が黄色くって何か問題があるの?調理したらそんなの関係ないでしょ。それはお肉屋さんにとっての価値観でしょ」と返されます。
「あ、はい、セリで売るとなればお肉屋さんにとっては脂肪が黄色いとショウウィンドウに並べた時に見栄えが悪いので、、、当然単価は下がりますし。。。でも、自分で小売りまでするとそこの問題は特に感じません。」と話すと。
「そうでしょ、価値観の基準ってそれぞれの立場で違うんですよ!(そんな一般論はいいから本題に入ろうよ~!)」と教えていただきました。

お肉屋さんは見栄えのいいお肉を販売したい。(お客さんは見て買うから)
だから農家はそれに合わせて牛を飼う。

そのこと自体、僕はは否定しません。
価値を感じるから売れるんだから。
でも、飲食店サイドからすると、一般的なお肉屋さんの価値観と全く同じ価値観という訳ではない。
消費者にしてもそうで、それぞれの立場でそれぞれの価値観がある。

「そのもの自体の価値」をどう見れるかが大事。

有機農法で作った野菜という価値観は、「作った手法」に対する価値観の場合が多い。
でも有機農法でも出来る野菜はピンキリだ。
そのあぶれた物に価値を見出すのも一つ、有機栽培と言う「手法」自体に価値を見出すのも一つ、有機農法というフィルターを外したその野菜一つ一つ「そのもの」に価値を付けるのもひとつ。

そんな事をお話を通して、自分が提供する価値には色々なアプローチがあるし(本質は変えない)未熟な点が多いなと、感じました。

価値観の基準はそれぞれ違う。

僕は放牧牛肉の話をする時、一般的なお肉の価値観から見たメリットやデメリットを話すんだけど、そのコックさんにとってはそんなのどうでもいいの。
だって「一般的な価値観」って僕が勝手に定義づけしてるだけで、そこに価値を感じてくれる人は沢山いるし、一般的な価値観という言葉自体が色んな事をあやふやにして隠れ蓑にしているってことなんだから。

単純に、コックさんの価値観に合うものを、僕が提供できるかどうかが焦点。
無理に自分の大事にしているものを変える必要もないし、自分の価値観を押し付ける意味もない。

一般論、一般価値観なんて、言い訳と言うか煙みたいなもんだ。

以前ブログにも書いたけど、「事実は否定できない」の「事実」なんだよね。

放牧敬産牛肉に価値を感じていただける方がいると言う事実。
でも価値を感じていただける方が限定されていて、今の牛肉の販売頭数だけでは生活できないというのも事実。
一般論にはなんの説得力も無い。

そのものに価値を感じていただけるか、感じていただけないか。それだけなんだ。

一般論で語られている世界もおんなじこと。
価値を感じていただけるから売れる。
価値を感じていただけないから売れない。

どこに価値を置くかは立場によって変わる。
相手の立場を踏まえたうえで、どうアプローチしていくのか、どう価値を提供するのか。
押し付けではなく、自己満足でもない。

それが商売だと思った。

関わるみんなが「良かった!」と思える王道で、思いっきり儲けたい!!そう強く思った。

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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-17 22:41
削蹄復帰にむけて
今日は午前中に削蹄の兄弟子である淀貴至さんが来てくれました。

僕の削蹄の親方は淀弘さん。
全国に弟子を持つ、昔堅気の博労でもあり削蹄師。
親方は「人生のほとんど削蹄だ。」と言うくらいあって、
70歳を前にしても一人で脚持って削蹄していました。

淀さんの弟子は凄い顔ぶればかりで、全国でも顔が通用する牛飼いさんばかり。
みんな若いころに削蹄で現金収入を得て生活し、牛の売り上げを牛に投資して、削蹄という『舞台』で得られるものをフルに掴み取り、1代で経営拡大していった猛者ばかりです。。。
親方は一昨年他界され、今は息子さんである貴至さんが親方となり一緒に削蹄を回っています。
(僕は淀弘さんの最後の弟子でした。)

僕が削蹄を鬱病で休ませてもらったのが昨年の11月。
もうすぐ半年になります。
お金の事もあり、「そろそろ戻らせてもらいたいんですが・・」と先日の牛市でお願いました。

以前から「早く治して帰ってきてほしいんだ」というようなことは言われていました。
しかも今は仕事が次々入ってくる時期。
凄く忙しそうでした。

僕はすぐにでも復帰する気でいましたし、家の牛の蹄もほとんど切って、削蹄のカンも半年前と同じレベルにまで戻せていた自信がありました。
ただ、体力と鬱による消耗度は実際に現場に出ないと分からないので、少し不安はありました。
それでも絶対に「ほな、○○日に○○さんとこ行くから来れるか?」と言われるもんだとばかり思っていました。

でも、貴至さんの答えは「焦るな」でした。

「焦るな。一回一馬のとこ行って、どれくらい切れるか見にいったるわ。それからやな。」

正直焦りました。
俺の戦力ってそんなもんなんか・・・と。

そして今日、僕の削蹄を見に来てくれたという訳です。

早速親牛を外に出して削蹄開始。
削蹄時間は繋ぎも入れて10分ちょい。
自分でもまずまず自信のある蹄に切れました。

「こんだけ切れたら問題ないやろ。」と思いました。
実際にお金を頂けるだけのつめきりが出来ている自信は今もあります。

でも、貴至さんの目から見れば、まだまだな点がはっきり見えていました。
手直しをされ、実際に切った蹄を見て愕然。。。
ほんの0.01ミリの違いで【全く別の蹄】になるという現象。

蹄がめちゃくちゃ綺麗。。。
横で見てた嫁さんも思わず「綺麗・・・」と。
「上手い」を超えて「綺麗」としか言いようがないんです。

こんだけ実力差を見せられるとなにも言えません。
休ませていただいてた半年という時間で、まだなお腕を上げてる。。。
「がーん!」でした。

貴至さんと僕は2歳違い。
僕は28歳で親方に弟子入りし6年目に入ります。
貴至さんは17歳の時から切ってるから20年近いキャリア。。。
なのに、半年でまだ伸びるのか~って感じ。

一緒に切っていて、別次元で削蹄しとるんだろなといつも思います。

と、言う事で。
しばらくは全ての現場復帰ではなく、ボチボチ現場に復帰するという事になりました。

みんなが心配してくれてるのが良くわかる。
僕の事だけでなく家族丸ごと。

だから「焦るな」

家の牛ももっとゆっくり時間をかけて切ったらええとのことでした。
数をこなして上げる削蹄技術もあるけど、時間をかける事で見につく削蹄技術もある。

お金は早く稼がなあかんけど、「焦んな」と言われたら仕方ないや。

しっかり治して、地盤固めしよう。

あ~、削蹄って面白いなぁ!!!
ちくしょう!!悔しいなぁ。。。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-16 22:52
マイコプラズマについて
今回起こったマイコプラズマによる子牛の事故。
少しでも多くの方の参考になればと、僕なりにまとめさせていただきます。
あくまで僕個人の主観です。
間違いもあるかと思いますが、ご了解ください。

今回マイコプラズマによる子牛の耳だれ、顔の斜傾が現れたのが12月の下旬でした。

最初の発症牛は生時体重が40キロの雄子牛。生後1か月齢。
但馬牛で40キロなんて、こんな大きな子牛を見るのは10年牛を飼ってて初めてで、
血統は福芳土井×照長土井×菊俊土井の掛け合わせ。
『こりゃ儲けた~!!』と生まれた時は喜んだものでした。
実際ミルクの飲みも良く、順調に発育していってくれました。
子牛の名前は「故郷2」
2月に死亡。
マイコプラズマbovisによる中耳炎&肺炎で窒息死でした。

時は少しさかのぼり、同じ年の12月の上旬、ある用事である牛飼いさんの牛舎に行きました。
そこには斜傾の牛が数頭いました。
斜傾の牛自体は他の農家さんでも何度も見た事があったので、「あらら、マイコが入ってるよ」くらいの感覚しかありませんでした。

そもそもマイコプラズマは常在菌であるという説もあり、マイコ単体ではそこまで悪さをしません。
一般的にはRSウイルスなどが入って子牛が風邪をひき、抵抗力が落ちた時に複合感染としてマイコプラズマがいたずらをする。
そういった認識だと思います。
『マイコプラズマのときはチルミコシン(ミコチル注射)で治る。』
そういった認識も一般的な処方として持っておられる農家さんは多いと思います。
もしくは耳洗浄。

家畜保健所で最初聞いたのが
「マイコが流行る農場というのは治療どうこうでなく、そもそも親牛の管理が悪い事が多い。」という事。
親牛の管理が悪く、虚弱な子牛が生まれる。
おまけに飼育環境も悪いからマイコが蔓延する。
実際にそういったケースも事実としてあると思います。
決して軽視できない部分だと思います。

参考までに、僕のとこにマイコが蔓延するまでの管理を要点だけ書かせてもらうと、
・母牛の乾草は通年でイタリアン5kg、全農の繁殖用の配合飼料を維持期で0.5㎏、分娩2か月前から2㎏+ソイパス(バイパスタンパク)500g、分娩後3㎏、受精後1㎏、妊鑑後0.5㎏。
・分娩前に肺炎予防の6種混合ワクチン全頭接種。
・異常産ワクチン全頭接種。
・毎月母牛にビタミンADEをビタミンAで300万IU。
・年2回親牛削蹄
・毎日除糞(これに驚いてた人がいたのが逆に驚いた。。。)
・繁殖成績357日。
・分娩後親牛にビタミンADE給与。
・分娩後子牛のさい帯消毒(さい帯内にシリンジでイソジン注入)
・産室にはおが屑ではなく、稲ワラまたはウィート(麦わら)
・分娩後子牛にイーエスイー筋注(ビタミンE、セレンによる免疫の強化と白筋症の予防)
・分娩後子牛に粉末初乳(ヘッドスタート)1袋。(もちろん親にワクチン打っているので親の初乳も飲ませます)
・生後1週齢で母子分離し、90日まで強化保育(高タンパク代用乳による人工哺乳)。
・冬期間は全頭カーフジャケット(牛の服)を着せて投光器による保温。
・敷き料はおが屑10cmほどの上にウィートをもっさり。少し汚れるたびにウィートを全部取り、オガを上から足し、また新しいウィートを足すやり方。
・毎日餌には生菌剤(乳酸菌とかみたいなもんです)を入れてたので牛舎内の菌層は安定していたと思います。
・生後1週齢でイベルメクチンによる線虫駆虫とバイコックスでのコクシジウム予防。
・牛舎は冬期は基本閉め切る。ただ、牛舎天井が9mと高いため空気がこもらない。当然換気も行う。
・全頭人口哺乳なので、飲みの悪い牛などの個体管理がしやすい。
・毎月全頭体重測定を行っていた。90日齢までで標準以下の牛なんて1頭も出ていなかった。

というような環境でした。
もちろん不備は探せばいくらでもあるんだろうし、もっとレベルの高い管理されている農家さんも知っています。

ただ、この環境・管理下で、1月~3月の間に13頭の子牛が死にました。

年間販売頭数の1/3どころではない。
大損害というか、正直これは現実なのかと、今でも理解できないような数字です。
おまけに今まで事故率が低かったので、家畜共済も掛け金4割までさげていました。

13頭。。。。(うち2頭は死産でマイコとは関係ない)
たった2ヵ月半で。。。

30日齢前後で急に高熱が出て、解熱剤が利かない。
そのうち耳が垂れだして、顔が傾いてくる。。。
毎日毎日獣医さんが来てくれて、ミコチル、タイロシン、フロロコール、ネオアス、インタゲン、メタカム、ネオマイゾン、アンピシリン、バイトリル、テラマイ、カナマイ、マルボシル、ラドンなどなど3回転くらいやっても治る気配すらない。
耳洗浄もするが逆に子牛が消耗していく感じ。
中耳炎から顔面麻痺も出てきて、哺乳しても飲みたいだけど飲めない。誤嚥して肺炎悪化。
すさまじい感染スピードと症状の悪化。
事態を把握することすらできないまま次々とミルクを飲まない牛が出る。。。

そんな状況下でとれた唯一の対策が『隔離』でした。

そして結果は、マイコプラズマにかかった牛は全頭廃用。
しかし隔離・消毒で広げる事を抑えられたというのが現状です。
圧倒的な感染力に全く太刀打ちできませんでした。。。

この短期間で失ったものはものすごく大きかった。

でも、この短期間で完全にくい止め、完全に撲滅できたことは大きかった。
本当に本当に本当に、よくこの短期間で抑え込めたと思う。

妻と、親父と、かかりつけ獣医さんと、家畜保健所と、シェパード家畜診療所、各取引先メーカーの協力なしには絶対に不可能だった。

妻は「多くの牛を殺してしまった」と、未だ失った子牛の命を背負って苦しんでいるけど、
本当のところは『殺してしまった』のでなく『必死になって守った』というのが本当の所なんだよ。
だけど責めちゃうよね。自分を。
そこも同じ牛飼いだから、なにより夫婦だからよくわかる。

でも僕は嫁さんにも言ってるし、ここでも声を大きくして言いたい。
『死なせた』のではなく『守れた!』ってことを。

そして、だからこそ守るためにやってきた事を知ってもらう事で、1頭でもマイコプラズマによる事故が減ってほしいと思っている。

発生源もだいたい分かっている。
でも持ち込んだのはおそらく僕だろう。
死んだ責任も全部僕だ。
発生源はなんも関係ない。
看板背負ってんだから責任は僕にある。
当たり前の事で言うまでもない。

今回のブログで言いたい事はそこではない。
守るために取り組んだ事例紹介だ。

少しでも参考になればと心から願います。

①耐性菌
マイコプラズマにはいくつかの種類があり、一番悪さをするのがbovisという種類。
でもbovisといっても色んな株がある。
日本人と言っても何億人もの違う人がいるように。
株が千差万別だからワクチンが作れない。
だから例えワクチンを作っても、違う株が入ればそのワクチンは効かない。
今回入ってきたのは強烈な株でした。抗生物質が全く効かない。
よくマイコ=ミコチルと言いますが、全国的にミコチルの耐性菌が出てきています。
数年ほど前にミコチルが出た時は、とてもよく効くと重宝されていました。
治療を行うにも第3選択薬くらいの位置づけで、「とっておきの薬」というイメージでした。
しかし、近年よく言われていますがミコチルはすでに耐性菌が多くでており、治療で使うメリットが薄れてきています。
予防的な意味で使用するケースが非常に有効であると思います。
ミコチルは炎症を抑える効果があるので、風邪をひいても最初に打っておく事で悪化が防げるという考え方です。
現在ホルスタインの育成牧場で全国的に耐性を持ったマイコプラズマが出てきているようで、発症日齢は平均45日齢くらいだそうです。
我が家は30日齢でしたので、かなり強力な株だった事が考えられます。
こういった場合は治療は非常に難しく、長期化します。
我が家は蔓延を防ぎ、牛舎をオールクリーンにするために、治療という選択を中断し、最終的に安楽死させ、解剖に回すという選択肢をとりました。
いずれにせよ、マイコプラズマは甘く見てはいけないという事です。
ミコチルが効けば、「大人しい株で助かった」くらいに思っておかなくてはいけないと思います。
具体的な対策として我が家ではマイコが入ってくるまでの管理体制は変えず、1週齢から5日間アイブロシンの経口投与。
1カ月齢での5種混合ワクチンと、予防を兼ねミコチル1ml皮下注。
抗生剤でのマイコ対策としてはこのような事を行っています。
(情報公開と誤解のリスクを重々承知で書いています。)
かかりつけ医の獣医さんと家畜保健所との共同で地域ごとの対策を練る必要があると思います。
個人でどうこうしててもダメです。

②隔離・消毒の徹底
マイコプラズマは細胞壁がなく消毒が非常に有効です。
僕は全ての基本は環境であると思っています。
母体の環境から健康で大きな子牛が生まれ、子牛の飼育環境で免疫は大きく左右される。
当然免疫向上には「十分な栄養」が必要ということもあるのですが、それでも環境が大事だと思っています。
マイコが入る前までの環境は、自分で言うのもなんですが悪くないと思っています。
実際に家畜保健所が母牛の全頭検査及び牧場チェックに来られた際も全く問題ないと言っていただきました。
しかし、11頭が2ヵ月半でマイコプラズマによって廃用になるという「事実」。
そしてそれを11頭で完全に防いだという要因は「隔離・消毒の徹底」でした。
病牛の直接感染を防ぐため、飼育スペースを1か所に密集し、コンパネで完全に隔離。
人間が菌を運ぶ恐れがあるので、病牛の管理はすべて父に委託し、出勤前と仕事帰りに毎日牛舎に来てもらい、保育をお願いしました。
僕も妻も一切入らないようにしました。
治療がある時はもちろん、牛舎作業が終わるたびに、牛舎内の洗濯機で衣類の洗濯→すすぎ→消毒→すすぎ→脱水の繰り返し。
1日4~5回着替えていました。
当然長靴は水で洗浄をしっかり行った後に、牛舎に2か所ある踏み込み消毒槽で消毒。
手の消毒もこまめにしました。
特に治療のために隔離マスに入った後は風呂に入るという徹底ぶりでした。
哺乳瓶も隔離マスは専用哺乳瓶と専用乳首。
もちろん元気な隔離していない牛たちも、全て哺乳瓶・乳首をお湯でしっかり洗浄後、消毒、乾燥ということを毎日毎回行いました。
消毒薬はクリーンエール。1000倍希釈。(パコマでも何でもいいと思います。)
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(一つ目の踏み込み消毒槽は足洗い場の横に。洗濯機と哺乳瓶の消毒槽も設置)
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(洗濯機には足を洗う際いつも目に入るよう、忘れないようにマジックで書いた)
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(哺乳瓶の消毒槽は3L哺乳瓶が丸ごと消毒でき、無駄に大きくない18Lの灯油缶を使用)
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(プルスフォグ(煙霧消毒器)の導入。)
煙霧消毒は722㎡の牛舎で20分。(グルタ50ml緩衝剤50ml、タマミロン1000m)を毎日行いました。
マイコ撲滅後も週1回行っています。

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牛が出た後はエサ箱から通路まで清掃、水洗、乾燥、石灰消毒
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あれだけの感染力の菌であっても、隔離と消毒の徹底で被害の拡大を抑えられました。
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当然よそに菌を持ち込ませないために、獣医専用の長靴と白衣は常備です。
そして今後は、よそから入れないために、無断での牛舎見学はお断りさせていただいています。
3m先にある隣の牛舎の方であっても、用事は携帯にかけてもらい、直接牛舎に入らないようお願いしています。
気軽に「おい、どないだ~」って色んな牛飼いさんが来たり、逆に寄らせていただいたり出来るのがとても好きだったんですが。。。

とにかく普段からの消毒体制と隔離スペースの確保は必須だと感じました。
口蹄疫は他人事ではないと言いながら他人事だったと反省しています。

③連携
かかりつけ獣医師との連携は当然として、地元の家畜保健所との連携も必須です。
今回かかりつけ獣医師は考えられる限りの処置を施してくれました。
また、鹿児島のシェパード家畜診療所からも蓮沼先生が直接駆けつけてきて下さいました。
(松本先生にも何度も相談にのっていただきました)
普通は横から違う獣医師が出てくるのなんて良い気しないはずです。
でも、うちのかかりつけ医は一緒になって考えてくれました。
すごくいい先生です!!!
家畜保健所にも何頭も解剖や検査を無理言ってお願いしました。
年度末で忙しい時期に全頭検査なんていう僕の無茶振りにも迅速に対応していただきました。
家畜保健所による鼻汁からのマイコプラズマ検査が3回。(2回目でbovisオールマイナス。3回目もオールマイナス)
他に血液検査、薬剤耐性検査、解剖、牛舎検査。
シェパード家畜診療所には乳汁のマイコプラズマ検査。(マイナス)
やりすぎなくらいやっていただきました。
今は自信を持って撲滅できたと言えます。
全て色んな方との連携なしにはありえませんでした。
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(かかりつけの中井獣医師とシェパード家畜診療所蓮沼獣医師との共同診察)

④治療
治療は基本的にかかりつけ獣医師の判断に任せています。
今はマイコプラズマの恐れのある牛はアイブロシンとミコチルの併用をされていると思います。
しかし、これも状況が変われば変わるので絶対的な治療法はありません。
基本はいかにかかりつけ医との情報の共有と意見交換が出来るかだと思います。
その上であえて今している事は2つ。
病気の早期発見を超早期発見に切り替えて動いている事です。
具体的には小児ぜんそくなどで使うネブライザーで直接薬を肺に吸入させる方法です。
よく慢性的な肺炎の症状が出た時にネブライザーを使うイメージがありますが、かかりつけ医曰く「一番ベストな対症療法」だそうです。
僕の友人で事故率のすごく低い高レベルな経営をされている農家さんからも教えていただきました。
「ちょっと風邪っぽい時に使う。」
薬は少なくて済むし、ダイレクトに効く。
ただ、時間がかかり手間が凄くいるのが欠点。だから普及しない。というかみんな簡単な注射に走る。
でも、その手法を導入する事にしました。
今までは食欲、耳のたちぐあい、毛ヅヤ、体温、便、セキなどで治療するかどうかの判断にしていましたが、今は更に聴診器で肺の音を聞いて健康そうでも気になる牛は見てもらう。
もしくはネブライザーという方法をとっています。
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また、熱が出ると子牛は耳が下がるのですが、マイコの可能性も常に警戒し、耳の毛を切ってきれいに耳の中を掃除し、最後に1mlほどシリンジで耳に抗生物質をチュッと入れるようにしています。
念には念を。いつ何があるかわからないから。
もちろんそれだけではなく、ミルクの消化不良の感じがしたらウルソー(強肝剤・アリナミンEみたいなもんだと思って下さい)飲ませたり、ステージによっては獣医散(漢方薬)も使うし、まあ、そんな事言いだしたらまとまんないし、そこら辺はマイコとは関係ないので割愛しますね。
ただ、抗生物質を素人感覚で打ちまくって耐性菌作るなんてことは愚の骨頂なので、力を入れるべきは環境を含めた予防だと思っています。

⑤耳洗浄
よくマイコプラズマの中耳炎で耳洗浄が有効と聞きます。
耳洗浄といっても1種類ではありません。
うちはピストル式で洗浄していました。
生理食塩水をピストル(ビタミンなんか飲ます時に使うやつ)で耳の中に入れていく方法。
水圧で鼓膜を破り、中耳にある膿を鼻から流しだすやり方です。
しかし、これは結構子牛には負担があり、目を回す牛も出ました。
水圧で鼓膜を破るのですからそりゃ負担大です。
実際この方法で治った症例も報告されているので一概に否定できませんが、やってみた手ごたえはなかったです。
むしろ牛の負担が大きかった気がします。
この方法は生理食塩水を温めていないと死亡するケースもあるようで、また、外耳にたまった膿を逆に押しこんでしまう事もあるようです。
もう一つの方法が鼓膜を針で破り、膿を吸い出すやり方。
膿を吸い出してから薬をちょっぴり耳に入れ、子牛が嫌がって首を振って膿を飛ばす方法です。
このほうが子牛に負担が少ないという事でした。
今回も試してもらいましたが、なにも返ってきませんでした。
膿が多すぎる時や膿がない時には吸っても返ってこないので、おそらく膿が多すぎたのだと思います。
どちらの方法もいかに初期に行うかが大事だと思います。

だ~っと書きました。。。。。
僕のブログ見てくれてる人はほとんどが畜産関係者ではない方々だと思います。
分かりにくい内容ですいません。今回は牛飼いに向けて書かせていただきました。
薬の名前がいっぱい出てきましたが、子牛に抗生物質たくさん投与していて、お肉に影響があるとか、そんなことは微塵もないので安心して下さい。
ただ大切な牛だから、大切に飼っているというお話です。

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故郷2、幸六、ひめひなこ、てるよしひめ、福太郎、福福山、しげまさ、てるよしひめ、はるかじゅにあ、茂西、しげまさこ、きくひろの子

ごめんね。


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『ほんとだったら、ここの3マスは子牛でいっぱいだったんだよね。。。』って言う嫁さんの言葉が、今の僕の気持ちです。

もちろん前も向くし、前に進む。
でも、この感情を誤魔化したくない。変に前向きにとか神聖なものにしたくない。
負の気持ちも感じるまま感じたい。

みんなで元気な牛、いっぱい育てましょう!!!

人も牛も幸せにね。

【追記】(2012.4.19)
姫路家畜保健所からの薬剤耐性検査の結果が出ました。
今回のマイコプラズマにミコチルの耐性が出ました(パスツレラでは出ませんでした)。
そのためブログに書いた生後3日でミコチル1ml皮下注を行うプログラムは、かかりつけ医との相談の上、一旦中止しました。(その部分の文章も誤解を招くので削除しました。)
このようにに定期的に薬剤耐性検査を行い、その都度予防や治療方針を決めていくのがベストなやり方だと思います。
このブログでも書きましたが獣医師との情報の共有が大事で、素人判断で次々治療しようなんて事はやめましょうね~。
薬剤耐性検査してもらうのがなかなか手間なんですがね~。
やっぱ連携が大事ってことですね!
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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-15 14:15
子牛市から思う事
一昨日は但馬家畜市場の4月子牛市でした。
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市場平均、去勢395,131円(前年同期比52,814円安)、メス373,333円(前年同期比27,033円安)。
価格の上下幅の少ない市場でした。

4月市はいつも相場が下がるのですが、税込みで40万円を切る市場はここ数年覚えがないです。
今の枝肉相場や社会情勢からみれば仕方のない事なのかもしれません。

我が家は去勢1頭、雌1頭の出荷で、平均が42万円でした。
菊西土井という全く人気のない種で、発育も特別良いってわけではありませんでしたが、ボタンを押しきって下さったお客様、途中まで押して下さったお客様、発句ですぐ落ちないように最初押して下さっている方々に感謝です!

買っていただいたお客様は削蹄でお世話になっている農家さんでした。
もちろんそれが理由で買って頂けた訳ではないのでしょうが、何をしていても人間関係は基本だなぁと思いました。
それは、おべんちゃらを言う事でもないし、ペコペコする事でもないと思っています。
牛に対して、そして肥育農家さんに対して、どれだけ僕が誠実であるかだと思います。
時間はかかろうが、それこそが我が家の見えない資産だと思っています。

よく牛市に出すと「市場平均に比べてどれだけ高く売ったか」に目が行ってしまいます。
それは一つの指標なのですが、あくまで同業者との比較でしかなく、今の自分の牛を評価する一つの視点でしかない。
当たり前の話ですが、例え自分の所の平均が35万円であったとしても、粗利や営業利益がどれだけあるか、それが大事。
例え55万で売っていても、種付けは悪いわ事故はあるわで粗利ですらマイナス。
なんて事では何の意味もない。というか牛飼いしない方がいいです。

ただ、市場で高く売ったら自尊心は満たされる。
そこが「上手くいっている」なんて言う盲点になりえない。

高く買っていただける牛づくりと、肥育農家さんとの信頼関係づくりは必須だが、どんな価格であれ一喜一憂しないようにしたい。
市場平均の下落も上昇もコントロールできないもの。

いかに原価を下げるか。
いかに良い牛(喜んでもらえる牛)を作るか。
そしていかに利益を出すか。
そんな当たり前の事を淡々と楽しんでやっていきたい。

お肉屋さんはお肉が売れないので仕入原価を下げる。すると枝肉相場が下がる。
肥育農家は枝肉相場が低いので仕入原価を下げる。すると子牛相場が下がる。
でも、
繁殖農家は子牛相場は低いので仕入原価を下げる。すると飼料相場が下がる。
とはいかない。

配合飼料、代用乳は年々値上がりし、一度上がると全く下がることはない。
おまけに東北の自給飼料が放射能で全廃棄になってフェスク、イタリアンなどの親牛に与える乾草は国内で奪い合い状態。
入荷ごとにキロ2円近くも上がっていくという事態。

飼料メーカーは大手の会社だから利益を抑えてまで販売するなんてことはまずない。
こうやって見ると、購入飼料メインでやっている繁殖農家というのはなんて弱い業種なんだろうと思う。

『ただしっかりと牛を見ていれば(真面目にやっていれば)儲かる。』
なんて言うのは半分真実だが半分は幻想だ。
ありとあらゆる方向に目を向けて、その上で牛に集中していかなきゃ。
例え100万円で売れたとしても、その良かった1頭の牛に心を奪われてたらあかん。
(100万円で売ってないけど・・・100万円で売りたいけど・・・(笑))

「出来る事を見つける目」「スピード」「行動力」「覚悟」がそろってないと、とても繁殖経営をやっていけない時代だと思う。
繁殖農家だからって「子牛を高く売る」っていうところだけを見ていてもいけない。
廃用になる親牛にどんだけ価値を作れるかという視点も一つだと思う。
市場に間に合わない牛を肥育する事も一つの手だと思う。(ただ、今の僕にはまだ早い。)
色んな選択肢がある。

今回も牛の割に42万円平均で買っていただき、とても助かった。
市場平均よりも良い値段だ!!
だけど、この値段で良いかと言えば今の状況では『NO』だ。

この価格でもやっていけるように、どうやって原価を下げていくか、どうやって販売価格を上げるか。
「目」「スピード」「行動力」「覚悟」をもって進むしかないな。

美方郡は山間の谷にそって集落がある地域なので耕作放棄地なども小規模で点在している。
牧草を作ろうにも「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉が昔からあるくらい雨や雪の多い地域。
だから機械からそろえて牧草を作るにはリスクがある。

それでも、今年から牧草の栽培を始めることにした。
もちろん放牧場は今まで以上に積極的に候補地を探しに動こうと思う。
(但馬内で情報があれば教えていただきたいです。)

削蹄ももうそろそろ復帰する。
子牛の事故率、こぼれ率を減らす。(これだけでも平均価格はグッと上がる)
昨年までは採卵や受卵牛の関係で受精の遅れた牛が多かったので、一旦採卵やめて受精に集中する。
予防は当然として、治療の早期発見を超早期発見にし、治療内容も若干変更した。
繁殖日数を現在の357日(72日)から2年で340日(55日)まで持ってくる。
あとは毎月ごとの原価、販売管理費の見直しと修正。
光熱費ケチケチ作戦。
家計の見直し。などなど。
その上でお肉の利益が少しずつ見込めるようになればいいな。(ここは焦んないです)

最近バリバリ仕事したくなってきた。
良くなってる実感がある。(対人関係は全然ダメ)
胸の苦しさは取れないけど、意欲が出てきたのは大きな変化だと思う。
焦りたい!!
焦ったらあかん!!!
そんな感じ。

子牛がいっぱい死んでから、当たり前だったお産が、毎回毎回本当にドキドキして仕方ない。
もう、毎回親牛と一緒にいきんでます!(笑)
元気に生まれてきてくれるだけで本当に嬉しいや。

今日もお産だった。35キロの雄。
その前は28キロのメス。
その前は30キロのメス。
但馬牛にしてはとっても順調すぎる大きさです!!

消毒体制もレベルアップしてきたし、まだまだ目に見えてこないけど、って言うかこれから死んだ子牛の損失が目に見えて苦しくなってくるけど、今やっている事を信じて進みます。

色々脱線しましたが、ご購買者の皆様、ありがとうございました!!

我が家の子牛育成の基本は一つです。
「買ってもらった先で、よく食べる牛」づくり。

そのために母牛の管理から大きな子牛を産んでもらい、強化哺乳(90日離乳)で初期発育のフレーム作りをしっかり行い、ワクチネーション、駆虫、環境で疾病の予防に力を入れ、高タンパク子牛育成飼料(ダイアM)をマックスで3.2~4kg給与しています。
その上で、いかに出荷前に乾草を4~4.5kg食える牛に出来るかに照準を絞って飼っています。
基本的にここ5年間、飼い方はずっと変えていません(給与回数を変えたり、細断したりとかそういう変化はありますが。)
ただ、今年からは子牛の乾草をチモシー、スーダンだったのを自給乾草割合30%にしていく予定です。

マイコも撲滅し、風評被害も感じなくなったのでマイコプラズマのまとめも書ける範囲で後日書こうと思いますね。

来月はメス1頭です。
僕自身の治療も含め、今出来る事に集中していきます!

ありがとうございます。


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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-13 10:14
大切なものを大切にしたい
大切なものを大切にしたい。

一昨日は群馬県から同志の小堀正展さんが、僕に会うためだけに飛行機を乗り継ぎ、はるばる但馬まで日帰りで来て下さいました。
フェイスブックでうちの現状を知り、「これはもう会いに行くしかない!!」と即決されたそうで、
本当に僕に会うためだけに駆けつけてきてくれた。。。。
凄くありがたかったです。。。
月並みな表現だが、嬉しかった。
(ブログでもご紹介いただきました。小堀さんのブログはこちら。)
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小堀さんはホルスタインの去勢牛を肥育している牛飼いさん。
なんと3,000頭も飼っているんです!!
でも、彼を語るのに3,000頭とか単なる牧場の規模で言い表すのは非常に物足りない。
熱い男!怒る男!でも、会ってみたらめちゃ優しい笑顔の男、それが小堀正展さんです。
書きだすときりがないので、【小堀正展】や【低脂肪牛】で検索してみてください。
ツイッターでよく怒ってますので(笑)ツイッターされている方はぜひフォローしてみて下さいね。
面切って「怒れる」ってことは、それだけリスクを負って、物事を正面から見ているってことだと思ってます。
素敵な男です。
(もっと表現力があればいいのですが、色々ありすぎて彼の良さを上手く伝えられません・・・)

今日は但馬信金の宮垣さんがコンサルに来てくれ、こないだは豊岡のN姉さんが励ましに来てくれ、、、色んな方から大切にしていただいています。
先日会いに行った僕の先生なんて「一馬、鬱なんてな、気持ちの問題で、一瞬でプラスに気持ちは変わるんだ!逃げんなよ!逃げたら絶対許さんからな!!お前、逃げたら次来ても追い返すからな!!」な~んてきっついこと(鬱病患者に言う事じゃないこと)言いながら、帰る時には「おい!一馬!!頑張れよっ!!おいっ!!」とか言って泣いてんだもん。。。

嬉しいよなあ。

本当に心配してくれているのが分かるから、何言われたって、例えキツくたって受け入れられる。
先日のブログに書いた事にしたって、僕が信じてる人だから、キッついけど受け入れてる。
みんな大切な人。

4年ほど前、あちこち飛んで回っていたころは山のように色んな人に会いました。
とにかく会う数をこなしてた。

でも結果的に付き合いが続いている方って1割もいない。(1割って言ってもい~っぱいいるんですが・・(喜))

当時の僕はとにかくボールを投げまくっている感じ。
数を投げればそのうち当たる。
「人脈」作り=「お客さん」or「僕の役に立ってくれる人」探しだった。
だから同じように付き合う人は「人脈」=「見込み客」を求めてくる人ばかり。
ちょっぴり有名になればなるほど、その傾向は顕著になって跳ね返ってきた。

そんな上っ面の付き合いを演じている自分に嫌気がさした。
心がそんな自分を拒絶した。
出てまわると牛の気持ちもよくわかんない。
人も牛も数ばっかりの上っ面のつながり。。。
つまんねぇ。

お肉販売にしてもそう。
最初は売ろう売ろうとして強引に売りに行った。
数をさばかなければ、在庫を減らさなきゃ、新規のお客をいかに捕まえられるか。
ブランドを立ち上げなきゃ。。。

やりたい事なのに楽しくなかった。
売る事ばっかで無理してたから、1頭丸ごと販売して丸ごと返品なんて事もあった。

今だって失敗やらかしてばかりだ。
でも、前とは明らかに違う。
なにも仕掛けずとも、勝手にブランドになってきてくれている。

まず、一人一人のお客さんと向き合うことにした。
そして販売頭数を減らした。

数はさばけなくても、一生関わっていける人間関係を作ろうと思った。
1人でもいい。

「一生ここのお肉買うよ。」って言っていただけるような、その方だけでなくその方のお子さんが家庭を持った時にも、ずっと関われる人間関係を築こうと思った。
そう思ってからお肉販売が楽しくなった。
想いがいっぱい帰って来て、想いの循環がちっちゃいながら出来てきた。

そうして進んでいると、
自分の持っている限られたエネルギーを、色んなところに無差別に投げるのがもったいなく感じるようになった。
無差別に投げていたのは愛情が欲しかっただけ。
いつも飢えていただけ。
返ってくる数で心をうめていただけだった。

しかし、数を投げても次につながらない関係だから、ひたすらいつまでも数を投げ続けなくてはいけない。
いくら投げようとも限度がある。
次第に当たる数は減ってくる。
そのうち返ってこない関係の方が目立ちだす。

すると、なんて空っぽなんだろうとうようになってしまう。。。。

でも、【大切なものを大切にしたい】と思うようになって、余計な考えは捨てた。

「あなたが大切です。」

そう思えば思うほど力が入る。
い~~~~っぱい思いが返ってきた。
もっと応えたくなる。応える。
すると相手ももっと応えてくれるようになった!
良い循環が生まれてくる。

いい加減な対応は、数を増やせば増やすだけ、いい加減な結果の数が増えるだけ。
相手が家族でもお客さんでも牛であっても同じ。

思い、思われ、支え、支えられの関係を人・牛に関わらず、深く深く感じて生きたいと思う。

ブログを書いている今も埼玉のTちゃんから「お肉おいしかったよ~っ」お電話いただいた。
こんな感じに書くと身内だけの自己満足商売みたいに見えるけど、それで良いと僕は思うんだ。

大切な身内が、お肉や牛を通してい~っぱい増える。
素晴らしいじゃない!!て思う。

大切な人を大切に。
大切な牛を大切に。
そこにエネルギーを注ぐ。
無駄な労力はもったいなくて使えないや。

えこひき?しますします!!
僕、博愛主義者だけど、使えるエネルギーに限りあるもんで。。。。

片想いもいっぱいあるよ。
それはそれでいい。
僕の周りには僕の都合のいい人だけじゃなくて全然良い。

「僕が好きなだけ」

大切だから大切にしたい。

田中一馬の行動指針です。

これからもよろしくお願いします!!!

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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-07 12:42
入園式
今日は子供たちの保育園の入園式でした。

生まれてから子供たちとはずーっと一緒だったから、「馴染めるんだろうか・・・」とか「泣かないだろうか・・・」とか父ちゃんはずっと心配でした。

しか~しっ!!2人とも絶好調でした!!!

入園式の後半にみんなで「チューリップのうた」を歌ったんですが、
基本的に歌っているのは去年からいる年長さんたち。
さすが慣れてるな~。と思っていると、なんと咲が立って歌いはじめました!!
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お父ちゃんびっくり!!
「さ~いた、さ~いた、ちゅ~りっぷのは~な~がぁ~」と年長さんが歌っているのに交じり、
大きな声で「ちゅ~りっぷが~、ちゅ~りっぷ~が、ちゅ~りっぷが~、ちゅ~りっぷ~が~」と全く独自の歌詞を自信満々に歌い上げているではないですか!!!
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しかも、一人だけちゅ~りっぷの振り付けまでしてるよ!!!!
凄すぎる!!!!!
天才????

(親バカ全開とか野暮な事は言わないでよ~!!!)

と、いうことで家に帰って集合写真。
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2人とも、おっきくなったなぁ~。。。。。

今日は入園式だけだったので明日からが本番!!!
いっぱい友達作れればいいな。

あ、この子は全く心配してません。
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優土はのんびり屋だから~。

さあ早く寝かそうっと。
緊張するな~。
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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-03 21:48
事実は否定できない。
先日、投稿した「結果からみた評価」という記事。

微妙な反応があちこちであったので、ちょっとだけ補足。

まず、僕は自分が「成功者」だとも「革命児」だとも思ってません。
普通の牛飼いに比べ、借金の多い牛飼いくらいにしか思っていません。
だけど、牛飼いを志す方から見れば「農業でも一番難しい畜産の新規参入を成し遂げた牛飼い!」と見えます。
実際に新規参入者ですからその通りです。

僕は牛飼いしたい方にいつも「【こうやったら牛飼いになれる】なんてマニュアル・ルートなんてないんですよ。」と言います。
僕の場合は祖父母がこの村岡に住んでいた事(牛は飼っていませんでしたが)、父が公務員で金融機関に保証人としての信用が大きかった事、人間関係に恵まれた事、運、時代、タイミング。
色々な要因が重なって牛飼いが出来たし、今があります。

どんな新規参入者だってその人にしかないルートを模索し、参入し、潰れたり、続けれたり、儲けたりしてるんです。
「これ」ってもんはないんです。
僕の事例にしても、真似したらいいなんて思いませんし、真似してほしいとも思いません。

ただ、
一つの事例として、こうやってやっている事も、置かれている状況も、あかんところも、全部晒す事で、
「畜産の新規参入」って言う言葉が、ぼやっとした形のないものなんだって知ってもらいたい。
会社員であろうが、3代目の牛飼いであろうが、フリーターであろうが、学生であろうが、新規参入者であろうが、そんなもんはただのカテゴリーで区分しているだけで、みんなそれぞれ自分の人生を自分なりに歩いているんだってこと。
そして、自分なりに歩くしかないんだってこと。
「新規就農者」でなく、そんな生々しい生活や人間を見てもらう事で、何か感じてもらえたら。
それだけです。

良いとこだけじゃなく、もがいてる時も、全然だめな時も、あって当たり前。
困難に負けずに常に引っ張ってくれるヒーローなんていない。
少なくとも僕はそうじゃない。
みんな内容は違っても、おんなじように悩む。もがく。楽しむ。
そんな当たり前のことを書いているつもりです。
その上で英雄視していただいても良いですし、「駄目だこいつ」って思っていただいても、それはもうご自由にということなんです。

そして、僕は自分が進んできた道を全く後悔などしていません。

牛がたくさん死んだという「事実」
借金が多いという「事実」
収益構造が悪いという「事実」
金銭管理や危機管理がおろそかだったという「事実」

事実は事実としてとらえる。
その事実に対してどう動こうか。どう進もうか。
それだけなんです。

事実は変えられません。

同じように
放牧牛肉を始めたから妻や子供たちと出会えたのも「事実」
毎週毎週お客様や友人からお礼のお手紙などをいただいているのも「事実」
お肉を喜んで下さったお客様がたくさんいるのも「事実」
動き続けた事で得た経験も「事実」
今、多くの友人がいるのも「事実」

事実は変えられません。
そこを否定する意味もない。とういか誰も事実は否定できません。事実だから。


僕の師で福島正伸さんという方が良く言っていました。
「事実で話せ」と。

「これからは健康志向で赤身のお肉が流行るはずだ。だから赤身のお肉を生産すればうまくいく!」
というのは事実では無く、主観。
「牛だけを見て、毎日コツコツ頑張れば、必ずうまくいく。」
というのも事実では無く、主観。

一見、客観的に見えても、自分の過去の経験から出した主観でしかない。
一見説得力はあっても、実際は何の確証もない。
ただ、そこに説得力があるか無いかは、「誰が言うか」という話す人間への信頼度だけ。
そして例えば
「昨年お肉を80人の方に買っていただき、そのうち64人の方がリピーターになってくれ、来年もまた買いたい、紹介したいと動いてくれている。牛肉の販売スピードも昨年に比べ2倍になっている。だから来年はもう1頭増やそうと思う」という事実から積み上げた物だけ信憑性を帯びる。

同じように今、資金的な面での事実があって、その事実をみてどう動くか、どう考えて動くかって話なんだ。

だから僕は今までと同じで、変わり続ける、もがき続けるという意味で「なにも変わらない」よ。

より良い未来に向けて、色んな人に相談し、自分で選び、自己責任で今を進む。


今だって、「鬱になっても前向きな田中一馬」に見えるかもしれない。
でも実際は鬱は治っていない。
調子悪くて家から出たくない日だっていっぱいある。
ただ、家族の支えや、薬による治療で鬱病が良くなってきていて、今ようやくブログも書けるようになっただけ。

毎日多くの方が更新もしないブログに足を運んできてくれた。
どう見られているかは分からないけど、ただただ「見に来ていただきありがとうございます」と日々思います。

そんなお話です。

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Top▲ | by beefcattle | 2012-04-01 15:22
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