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かわいさ
子どもという者はほんとうに可愛くて、犬っころであっても猫っころであっても大抵は可愛さで許せてしまうものです。

何が可愛いかというと、僕は『手・足』だと思うんですね~。
子犬も子猫も小さい頃は短足でむくっとしていてかわいいですよね。
我が家の3番目も生まれて半年を過ぎました。
この使っていない(鍛えていない)まっさらな状態の腕や手足のむっちむち感は、まさに職人の手の対極。
これは極致だと思います。
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実は生まれたばかりの子牛の蹄もプニプニしています。
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牛の蹄は水分を含むと柔らかくなります。
羊水に浸かっていた子牛の蹄は当然柔らかいのですが、それに加えて負面(地面につく面)がもっこりと盛れています。
このもっこりが消しゴムのように微妙に柔らかい。
柔らかいと言っても子牛が立てば凹む感じではなく、もっこりのまま。
ただでさえ生まれたてで足フラフラなのに、負面が盛っているので子牛も立つのが必死。

「ああ、最初から立つのに適した蹄じゃないと、不便じゃないか!敵にやられちゃうよ!」と、つい思ってしまいます。
でも赤ちゃんってそういうものと言うか、そういう矛盾点や不完全さがかわいいのではと僕は思うのです。

そんな子牛も生後1週間もすれば、地面との摩擦で負面はこんなふうに平らになってきます。
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負面が平らであることは体重を支えていく上で基本中の基本なので良いことなんですが。
なんだか残念なような嬉しいような。。。

ちなみに蹄は前だけではなく下にも伸びるので、飼われている環境が蹄の摩耗しにくいところ(深いおがくずの上など)だと、再び負面は盛ってきます。
それは見ていて痛々しい。。
削蹄してください。

生れたばかりのこの無防備なまでの蹄は、子ども特有の『可愛さ』と思ってしまうのは、牛飼いだからなのか、僕が変わっているからなのか。
いずれにせよかわいいと思う気持ちは、大切に大切にしていきたいと思います。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-30 22:48 | 削蹄
牛飼い
牛飼いを始めてどれほど思っただろう。
どれほど泣いただろう。
どれだけ決意しただろう。
「もう殺さない」と。
先ほど死亡している子牛を発見した。
もう涙は出てこない。
ただ胸の中がざわざわする。
ざわざわざわざわする。
次に生かすなんて、もう軽々しく言えないし言いたくない。
背負うことしかできない。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-20 19:59 | 日記
日本の草資源
相変わらず削蹄出来なくってきついけど、今日からリハビリが始まりました。
痛いけど心地いいです。前に進んでる感じがして。

車に乗って周りを見渡せば、そこら中の道路脇に雑草が伸びているのを目にします。
これらの草を自分で刈払い機で刈って、空き缶などのゴミを除け、フォークで草を反転させ、乾かして集め、軽トラに乗せ、毎日50頭分の牛の草を集めるのは労力的にもコスト面でも割に合わない。
実際牛が12頭くらいまではそこら中の道の草を刈っていたけど、毎日がいっぱいいっぱいだった。

はるか遠くのアメリカからの牧草を買う方が安い。と
スケールメリットを求め増頭増頭。
しかし、近年の輸入飼料の高騰化で輸入依存はあっぷあっぷに。。。

昔は畦草の取り合いで「この法面の草は家の田んぼのだ!」とか、法面の畦草でも上下半々で取り分を分けていたり、草をめぐってもめ事があったと聞いた。
牧草地の集約化が出来ない地域と言うこともあるが、それくらい周りの草が利用されていたし、昔はそれで成り立っていた。
もちろんがっぽり儲けていた訳じゃないし、出稼ぎもあった。
それでも和牛20頭で多頭飼育とよばれた時代があった。
今は和牛繁殖で200頭、肥育で1000頭なんてふつうに見る。

だから何だと言うのではない。
昔はいいねという話でもない。
ただ、前を走るトラックの風を受け、伸びきった雑草が大きく揺れるのを見て、何だか「使ってくれ」と手招きしているように見えて仕方ないのだ。
そんなことを草が思うはずもないのに、トラックの風で揺れる草を見て、こんなにも自然豊かな日本にいて、何だか寂しくなった。
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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-18 17:38 | 日記
進化なのか?
先日分娩した母牛が、子牛を守ろうと、咲(娘)を見て明らかに威嚇しながら突進してきた。

こんな牛は最近見くなった。

12年前、僕がまだ研修生だった頃、こんな牛は『たくさん』いた。
・普段おとなしいのにお産になると気が狂ったかのように目の色変えて襲ってくる牛。
・飼い主にはないんともないのに他人が後ろを通ると蹴りまわる牛。
・発情すると四六時中鳴き叫ぶ牛。などなど

たかだか十数年。
がらりと牛が変わった。
姿かたちもずいぶん変わった気がする。

例えば育種価というものがある。
これは牛の偏差値のようなもので、脂肪交雑(サシ)や枝肉重量などの項目がある。
当然育種価は偏差値なので、絶対値ではなく、あくまで現在分かっている範囲での相対値なんだけど。
それでもこの育種価の効果もあって脂肪交雑の平均値は上がってきた。
意図的な淘汰選抜によってできた、まさに狙い通りの結果といえる。

その一方で意図しない所での淘汰選抜も起こっている。はず。なんだと思う。
上記はその1例。
性格も遺伝する。
強さも弱さも遺伝する。
経済動物である以上、市場に合わせた牛を作ることは正道。
しかし、みんなが同じ方向をむく事で、たった十数年で意図しない所でも牛が変わる。

それが良い事なのか悪いことなのか。
僕の酔っ払った頭では判断できないけど、無関係を装っていられなく時が来るだろうなとは思う。

どこにむかいたいのか。
ちっちゃな島国のちっちゃな牛群で、猛回転の選抜淘汰で生まれる改良の盲点。

牛をしっかり見ていくしかないんだろな。

分かった気にならず。見逃さず。

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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-15 20:23
お肉の紹介 ~放牧(敬産)牛肉・ミートソース~
放牧(敬産)牛肉の味の濃さを残したまま、肉の食感を楽しめ、おまけに手軽に食べられる。
【田中畜産の放牧ミートソース】
いよいよ販売となりました!!
パスタに、トーストに、お酒のあてに、色々なお料理のおともにご利用くださいね~。

放牧(敬産)牛肉シリーズでも特に味の濃い切落しを、肉の食感を残すために包丁で荒引きにしました。
砂糖を使わず、肉と野菜の甘みを楽しんでいただける。
そんなシンプルなミートソースです!!
夏バテ気味な体にたっぷり野菜と放牧牛の赤身がすんなり入ってくれます。
脂身がほとんどないので冷やしてそのまま食べても美味しいですよ!!

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ちなみに僕はトーストにミートソースをたっぷり乗せ、その上にとろけるチーズを乗せて食べるのが大好きです。
お肉と野菜とチーズのバランスが絶妙です!!!

是非ご賞味くださいね。


HPは「こちら」です!!
よろしくおねがいします!!

内容量:200g
原材料:放牧(敬産)牛肉〔夢・ひでふく・みつこ〕、玉ねぎ、人参、セロリ、ケチャップ、赤ワイン、小麦粉、トマトペースト、生姜、ニンニク、胡椒、塩、ナツメグ
価格:525円
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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-13 12:36
ガスバーナー
牛の削蹄をする時、蹄の底は鎌を使って切っていくのですが、水分の少ない床環境に牛がいる場合、蹄はものすごく硬くなります。
例えばつなぎ牛舎のゴムマットの上の前脚とか。(後脚はおしっこがかかるので柔らかいのです)
乾いた環境での蹄はこんなふうに「てっかてか」。
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このように蹄が牛の角みたくカッチカチに硬いと、鎌で切るのはめちゃくちゃ大変なんです。
暴れる牛では特に・・・
(パンパンに野菜を詰め込んだ買い物袋を3つくらい腕に抱えながら鰹節をひたすら包丁で切っていく感じ。)

そんな時に活躍するのがガスバーナーです!
水分含有率が低い蹄は硬いのですが、スルメを炙れば柔らかくなるのと同じで、ガスバーナーで炙れば蹄も柔らかくなります。
当然炙り過ぎると熱いので、牛が熱く感じない範囲で炙ります。
(いったん炙った蹄が冷えると更に硬くなります。)

このガスバーナー、凄く重宝するのですが、うんこまみれの中で使うので壊れやすい。
牛の動きを制しながら使うので長々と使えない。(炙る時間がもったいない)

そこで真価を発揮するやつがこいつ!!!
新富士バーナー社の『RZ-860』

一般のバスバーナーが①ガスのつまみを開け②ボタンを押して着火するのに対して、
こいつは①ワンタッチ着火なのです!
この差が大きい!!!

押すと火が付き、離すと消える。
気持ちがいいくらいシンプル。
長いこと使いたい時は、横にある黒いボタンを押すと火が出続けます。↓



牛とギリギリのやり取りをすることもある削蹄現場では、こんなちょっとしたことがと~っても大きいんです!

ありそうでなかった『RZ-860』、優れ物です!!!!
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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-05 20:21
歩いた分の景色
5年にわたる放牧牛パートナー制度「夢」
生まれてからお肉になるまで、夢という牛の成長を一緒に見続ける取り組み。
不手際が多かったけど、現在最後の仕上げの『夢のアルバム』と『夢のエピソード&お手紙』をお一人お一人書かせていただいています。
そして最後のお肉の配送。
1人1人想いをこめて書くので、汚い字なのに1日1人しか書けない。。。
気づけば64ページぎっしりの冊子になってしまいました。
色んな事を思い出す。
それでもそこにはとどまれない。前にしか進めない。
ただただ嬉しくて、ありがたくて。
ちょっとだけ肩の荷が下りて。
でも僕の時間は止まらない。
夢はお肉になったけど。
今、僕は生きていると感じる。
苦しみも嬉しさもぜんぶ抱えて。
歩ける事全てに感謝はできなくても。
まあいいや。
それが今の僕だから。

ただ、歩き続ければ、歩いた分の景色が見れるよね。
それが素敵だと、思う日々です。

実は1カ月ほど前、膝の靭帯をぶっつりと切ってしまいました。
伸びきった膝の上から牛に蹴られ(半分乗られ)、膝の曲がる方向と反対に力が加わり、切れたようです。
蹴られた所は腫れず、突き抜けて反対側に腫れが出て、歩くのもいっぱいいっぱい。
(今は装具付けて歩いてます。)
全治3カ月。その後削蹄をしてみて、そこで支障が出るようなら手術といった感じです。
と、言うことで非常に困っちゃっています。。。。

それでも、僕は弱いくせにしつこいので、それなりにこの状況を楽しもうとしています。

目を伏せたくなるような状況、逃げたい気持ち。
親指の付け根を噛みながら、頭をかきむしりながら、ため息つきながら。
からくりサーカスのギイやハチクロのはぐちゃんのサンドイッチに涙を流しながら。
洗濯物をたたみながら。
リアルな数字と向き合いながら。
子供を見ながら。

歩いています!

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Top▲ | by beefcattle | 2013-07-04 15:45
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