ようやく良くなってきた
ようやく良くなってきた。

家族は仲良いし、子供は父ちゃん大好きだし、五体満足(牛に蹴られて鼻の骨折ったり、インフルエンザになったりしたけど)だし、お肉の売れ行きも順調だし、総合的にはずっと悪くないのだけれど。

お金の苦しさや、思うような牛が出来ない苦しさは365日、夢の中までついてまわってました。

でも、ようやく牛が良くなってきました。
(その子らがお金になって跳ね返ってくるのは4月の子牛市からだけど。)

修正するのに3年かかってしまった。

それでも、無駄だったと思う事は無い。
経験だから。
落ち込むだけ落ち込んで、全部糧にするしか僕は知らないから。

牛が好きだ。

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Top▲ | # by beefcattle | 2014-02-16 21:26 | 日記
雑記
12月5日に『さとみ』を、24日には『ふくよし』を屠畜しました。
どちらも【放牧敬産牛肉】として我が家で販売します。
それに伴い、ホルモンも引き取りました。
更に今年からは牛肉のカットを肉屋さんに委託せず、自分たちで行う事にしました。

僕は牛飼いです。
子牛が売れて生活が出来ている。
逆に言えば、良い子牛を生産できないと生活が出来ない。
色んな意見があるが、今の僕は牛飼いでいえば三流だと思っている。
ブログで謙虚な事は書かないので本当にそう思っている。
牛を見れば分かる。
このままでいけない事も分かる。
(正確に言えば良い子牛生産と生計とは別のベクトルなんだけど。)

良い子牛を生産するには知識と技術とセンスがいる。
知識がなくては技術はできない。
技術があってこそセンスが光る。

知識とは入口でしかない。

実践し、積み重ね、考え、身につけたものが技術。
センスは、今の僕にはまだ分からない。

例えば、子牛生産の技術を身につけるためには、牛が見られなくてはいけない。
牛が見れなくては知識も使いようがない。
牛が好きじゃなきゃ(もしくは儲ける事が好きじゃなきゃ)牛は見れない。

今回、自分たちで牛肉をカットする事で得るものはとても大きかった。
よりお客さんの求める、喜んでいただけるお肉が提供できる。という思いも強くなった。

一方でリスクもある。
先日『ふくよし』のホルモンを洗っていたのだが、廃棄する事になってしまった。
あれもする。これもする。そうやっていくと手が届かないところが出てくる。
数あるやる事の中から出来る事は限られて来て、ふくよしのホルモンから僕は中途半端に手を離した。

それで良かったと思う一方で、悔しいし、そんな事なら屠畜するなという気持ちもある。

例えば、牛飼いと育児をしながらホルモンを洗うのに2日徹夜をする。
カット、パック詰めまですると3日かかる。
それでも牛は満足に見れない。子供にもかまってやれない。
それは、たかだか2~3日の話ではない。

僕はまだまだ全然未熟だから、牛との距離が2日狂うと牛が見られなくなる。
その2日で牛は調子を狂わす。
育児だってそうだ。

何かに手を出す事のリスク、何もしない事のリスク。
生きている限り常に、常に何かを選ばなくちゃいけない。

選ぶのは怖い。
でも、選ばない人生はどんな人間でもありえないから、色々な意見も状況も思いも一度全部心臓に突き刺して、自分で決めるしかない。
怖くても進む過程に満たされる瞬間は山のようにある。
だから生きていける。
鬱になってそう思った。

「おまえは牛が好きなのか?」そういった事を多くの近しい方々から言われる。
5年ほど前だったか、一番身近な親からもそう言われた。
多くの言葉が心臓に刺さる。

何が正しいのか。それを決めるのは自分でしかないのは分かっていても、それでも変わらず怖いのは、怖いというのが僕の死ぬまでの課題だからだと思う。

一瞬悟った気になっても、お金がどかっと入ってきても、僕は一生怖がりだと思う。
満たされる瞬間は山のようにある。
それでもなお、怖さこそが自分なのだと思う。



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(写真は24日に屠畜した『ふくよし』という母牛。今まで枝で200kg前後だったのですが、この子だけ260㎏ありました。美味しいと思います。)


※現在、お肉は手元にたくさんあるのですがHPにまで商品をアップ出来ていないのが現状です。
FaceBookの[田中畜産のページ]で一番最新の田中畜産の情報を見る事が出来ます。
よければこちらも覗いてみてくださいね。
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Top▲ | # by beefcattle | 2013-12-28 23:20 | 日記
さとみ下山
秋も深まり、今年も放牧牛肉のシーズンになってきました。
今年の放牧敬産牛肉は「さとみ」「ふくよし」の2頭です。
(牛肉販売は年末になります。HPの更新も全然できてませんが、その分今年は商品のレパートリーを増やそうと考えています。ベースは牛飼いなのでゆっくり待って下さるとありがたいです。。。。)

明日屠畜するのは「さとみ」という牛。
いつもは屠畜日に山から下ろすのですが、屠畜前日は絶食した方がいいという事で放牧場に来ました。
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枯れたススキよりも地面を這う若い草を探して食べていました。
良い表情で食べるでしょ。
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捕まえるといつもと様子が違うからか、顔を地面にこすりつけるようにして放牧場から出るのを嫌がりました。
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でも、後ろから牛の「元気」がガバッとさとみに乗っかかって何とか出て来てくれました。
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牛1頭分の狭い狭い道を歩き
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明日は屠畜です。
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Top▲ | # by beefcattle | 2013-12-04 23:56 | 放牧牛肉
循環
ここの所、ずっと何かが引っかかっていた。
それが何かは分からなかったけど、先月、フッと気がついた。

子牛の事故、自分の経営力、牛を見る目のなさ、更に放牧牛肉など色々な事を始めては後手後手になり、資金的に苦しい状態に常に追い込まれていたここ数年。
その中でこの2年は今までやってきた事を次々削ぎ落して、(まだ多いと言われますが。。。)儲ける事に力を入れた。

まあ、それは分娩間隔の短縮や飼料の自給といったコストカットに加え、餌の設計、削蹄先の新規開拓、etc。
誰もが普通にやっていることだ。

その効果は少しずつ見えてきた。

しかし、なぜか気持ちが乗らない。
先が見えて気が緩んだのだろうか。
経営面での良縁や良い話を次々いただくようになったのだが、力が入らないのだ。
力が入らないので上手くいくイメージが出来ない。

何故だろう。

そんな中、先月ふっと浮かんできた言葉が、「澱み」だった。

自分が澱んでいたから。
溜めるばかりで流れを止めていた自分に気がつかず、その違和感だけをちょっとずつちょっとずつ積み重ねてきた結果、体が重くなっていたのだと思う。

例えば放牧や自給飼料の確保は大きなコストカットになる。
僕は元々動物が好きという気持ちがあって、それが牛飼いを志した原因の一つだけど、もう一つの理由として食料を生産するという【人間の命を支える仕事】に魅せられた事も大きい。
だから就農した前年にBSEで子牛相場が大暴落しても牛飼いをやりたいという気持ちは変わらなかった。
「生命を支える農業がこんな事で潰れるわけがない、潰してはいけない。」という思いがあったから、若さゆえの妄想でもそれが根底にあって進んでこれた。

僕が放牧での牛肉生産をしているのもそういった思いが原点にある。

牛は人間が利用できない繊維を消化吸収し、牛乳や筋肉に変える。
更には作物が作られない傾斜地でも牛は食料を生産できる。

放牧や自給飼料で【牛が生きていける】基盤を作っていれば、牛が生きているだけで食料を国内で備蓄する事ができる。
放牧での牛肉生産を形作る事=持続的な畜産の形=『循環』

という理想にも似た思いを常に持ち、現実とのギャップをガンガン感じながら牛飼いをしてきた。

但馬は山に囲まれた谷沿いに集落がある雨の多い地域だ。
北海道のような広大な草地はない。
乾草を取るのも至難の事。

そんな中、今年も但馬中を走り、稲木架けの稲ワラを集めてまわった。
但馬は雨が多いのでピリピリしながら夜通し集めた。
たくさんの方のご厚意のおかげで本当にたくさんのワラが集まった。

でも、僕が集めたワラは例えば北海道で大きなトラクター使って取れば30分くらいで取れる量だと思う。

放牧場にしてもそうだ。
今年、既存の放牧場で大きな事業をしている。
来年度からは一気に但馬中に広げていく計画があり、今動いている。
全てが上手く繋がったら来年には放牧場の面積が30haくらいにはなると思う。(現在は16ha)

30haといっても荒れた山が多いので、手入れするだけでもものすごいお金がいる。
踏ん張らなくては繋げられない。
そのくらいこの30haはこの地域ではかなりの規模の面積だ。

でも、熊本は阿蘇の草地だと23,000ha。全く桁が違う。
しかも、これだけの草地が畜産農家の減少によって使われなくなり荒れてきているのが現状なのだ。

僕がいくら但馬で1ha~2haを確保するために動いて、力を借りて、形を成す所まで持って行けたとしても、食料生産の基盤を支えるなんて恥ずかしくて言えないくらい小さな小さな力でしかない。。。

それでもこの一歩が持続的な社会、循環型社会に繋がると信じて走ってきた。

少しでも可能性のある土地を探して、下調べをして、根回しをして、「確保する事」に全力を注いだ。
その結果、加速的に進んできた。

そんな中で違和感は積み上がってきた。

先月気づいたのはそこだった。
今まで自分が循環だと思ってきた、持続可能だと思ってきた行動が、利己的な物になっており、そこに矛盾を感じていたのだった。

小さな地域で、小さな土地やそこから生える草を、『自分が確保する』という奪い合うような行為そのものが、すでに持続的な考え方と矛盾するものだった。
自分の中に溜めて溜めて溜めて蓄えようという考え方自体がストレスの原因だった。

どれだけ放牧場を確保しようが阿蘇にはかなわない。
自給飼料をいくら集めようが北海道にはかなわない。

だから無駄だというのではない。

循環とは流れ。
これもある、欲しい。
これもある、欲しい!
こんな事を繰り返していても終わりはない。

自分には何もなくていい。
なければ借りればいい。
得たものは渡せばいい。
溜めるのでなく、溜めない事。
借りる事、回す事、流れを常に作る事。
それが生きるという事。なんだと思った。

いくら貯めても、何億貯めても、死んだら次に流れる。
どう生きても流れの中にあるのだが、だからこそ流れを感じて生きたいと思った。

貯めるのでなく、出して流れをつくる。

放棄するのじゃない。

お金と一緒で、稼ぐに稼ぎ、財布のひもはしっかりとし、だけど大事な所では使い、次の流れに乗せる。

これは理想ではなく、現実そのものだと思ったわけです。

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さあ、明日から福井県です。
がっつり削蹄してきます!!!
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Top▲ | # by beefcattle | 2013-11-06 19:07
短角牛の蹄
今日も削蹄でした。

削蹄に行くと色々な牛を見る事が出来ます。
色々な農家さんとお話しする事が出来ます。

今日は久しぶりにジャージーの子牛とご対面しました。
さすがにジャージーは可愛いです。
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でも、やっぱり一番好きなのは黒毛和種。
その中でも但馬牛はやっぱり好きだ。
品があるというか、綺麗な牛だと思う。(写真はこないだ生まれたうちの牛です。。。)
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黒毛和種とは一般に和牛と呼ばれている品種です。
但馬牛はその中でも特殊な「系統」になります。

そもそも和牛とは各地域の日本在来の牛に、それぞれの地で外国のショートホーン種やアンガス種などを交配させて改良された品種です。(海外の牛が改良に使われたのは、ほんの一時期だけでしたが。。)
そのため和牛といえどもそれぞれが全然違う牛となります。

和牛には全体の90%以上を占める『黒毛和種』を始め、岩手の『日本短角種』、高知系の『褐毛和種』、熊本系の『褐毛和種』、山口県の『無角和種』があります。
また、日本短角種に黒毛和種を交配させるなど『和牛間の交雑種』も和牛と表記されます。

その他に、国産牛としてホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスなどの乳用種や各品種間の交雑種、また世界3大肉用種であるヘレフォード、アンガスなども国内で飼育されています。

ここらへんを書き出すと長くなるので割愛させていただいて、簡単に言うと【牛と言っても色々な種類がいる】と言うことなんです。(←簡単に言いすぎました)

品種の見分け方は毛色の違いが一番わかりやすいのですが、実は体型も品種間で違います。
更に言えば蹄も品種で違います。

蹄の色はもとより、蹄の質が違うんです。

黒毛和種の蹄は粘りがあります。
逆にホルスタインの蹄はぼろぼろしているというか、粘りのある蹄に対して「さくい(方言かな?)蹄」と言います。
鎌を走らせた時の感触なので言葉での表現が難しいのですが。。。

同じ黒毛和種でも但馬牛はよく伸びる蹄です。
同品種の中でも系統でも蹄質に違いがあります。

今回初めて日本短角種の削蹄をしたのですが、同じ和牛の黒毛和種よりもホルスタインに近い「さくい」蹄で黒毛とホルスの中間のような蹄でした。
確かに良く見れば毛色は全然違えども、体型も顔つきも乳房も改良前のホルスタインににています。
目の周りや鼻の色もホルス寄りな気がします。
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以前日本短角種と同じ褐色の褐毛和種を高知県で切らせていただきましたが、褐毛和種(高知系)は蹄も顔も黒毛和種に近かったです
日本短角種も褐毛和種も黒毛和種のようにサシがびっしり入る牛ではありませんが、黒毛に比べ強靭で放牧特性があります。
特に日本短角種は乳がすごくでるので、山林に親子放牧していても子牛が丸々としています。

話を蹄に戻します。
僕は肥育農家農家じゃないので肉の事は詳しくありませんが、感覚として蹄が粘っているほど肉のキメも細かく、蹄がさくくなるほどキメは荒い気がします。
兄弟子は短角は「(遺伝的に)脂が少ないのかな?」と言っていましたが、真相は分かりません(笑)
でも、そうやって実際に牛を見て、触れて、蹄を切って、色んなお肉を食べて、感じた事って言うのはあながち間違っていないと思うのです。

もちろん飼養管理で肉質は変わってきますし、飼養環境で蹄質は変わります。
その上でやはり品種間の違いはあると感じています。

それは良い悪いでなく牛の特徴であり、小さな蹄からでも見てとれるものはたくさんあると思うのです。

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Top▲ | # by beefcattle | 2013-10-25 21:16 | 削蹄
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